飛魚的日乗 (現代詩雑感)

詩のことを中心に書いていきます。

もう一度

2005-08-15 | Weblog
 今日、もう一度一人で、鎌倉から「おんめさま」を抜けて夷堂橋を渡って妙本寺まで歩いてみた。天気がいいので暑かったが、妙本寺の境内を吹き抜けている風が心地よかった。田村さんの葬式からはずいぶん経っているが、田村さんは妙本寺に眠っているのだろうか?少しお墓を覗いてみたがわからなかった。
 本堂の階段のところで、猫と並んで腰掛て、詩集の初稿直しをやった。静かで集中できたが、思ったほど進まなかった。
 中原中也と小林秀雄が眺めたという海棠の樹はもうない。中原の千里眼とは、何についてのことなのか。性急にならないで暖めていようと思う問いなのかもしれない。
 妙本寺の帰りに雪ノ下教会に寄る。仏教からいきなりカソリックというのも僕も節操がないなと思ったが、鎌倉で落ち着ける場所としては雪ノ下教会はお勧めだ。とにかく静かだしほとんど人がいない。今日も、教会を出るときに一人だけ女の人に出会っただけだ。
 いつもは車で移動しているが、たまにのんびりと歩くのもいい。楽しい休日だったが、やはり作品は書けなかった。

VBSC

2005-08-08 | Weblog
 前から気になっていたヴェンダースのブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのDVDを観た。RyCooderが埋もれたキューバの演奏家たちを訪ねて実現した企画だ。何よりも感動したのは、メンバーの誰もが自然に音楽とともに生きていることだった。ほとんどが老境に達したメンバーだが、生き生きと演奏する姿がすばらしかった。
 それと、キューバ音楽が持っているリズムに魅せられた。「カンディーラ」などの曲は一度聴くと耳から離れない。それから、パーカッションについて、素人の方がいい音が出せる可能性があると言う話が面白かった。プロは音慣れしてしまうのだろうか。
 久しぶりにいい映画を観た。生きていることは素晴らしいことであり、人間は誰もが宝石なのだとすなおに感じられた。