あなたの影が 見えなくなっても
あなたの声が 遠くかすんで
もう 思い出すことが
できなくなっても
ずっと ここで待っている
またいつか
わたしを見つけて
微笑んでくれるまで
ずっと ここで
ときどき
自分がちっぽけに感じる
いつのまにか 自分を過大評価して
何者かになった気分でいても
結局
自分なんて ちっぽけなもんだと
ふと感じるときがある
それは誰かと話していて
地位だとか 経験だとか
バックグラウンドの違いに
圧倒されたりしたとき
自分がどれだけがんばって
追いつこうとしても
追いつけない現実を
垣間見たときだったりする
そしてわたしは
下を向く
そしてそこに見つけるのは
ちっぽけでも可憐に咲く
小さな小さな
花だったりする
待ちに待った瞬間も
あっという間に過ぎていく
また次の周期まで
ただ希望をつないで
長い長い待ち時間と
一瞬で過ぎる絶頂期
まるでどこかの
アトラクションのよう
とはいえ桜は
宴のあとの空白を埋めるべく
早々と青い葉を
勢いよく茂らせる
まるで寂しさを
知らないかのように
そして春は
また巡ってくる
それでもまた
花は咲く
儚くも美しい
眩さと共に
ぐるぐると季節を
ふわふわ周りながら
