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美術の学芸ノート

明治以後の近代日本美術、印象派などの西洋美術についての小論。その他、独言など。

北斎とオランダの画法書

2019-03-07 11:39:00 | 日本美術

ゴンブリッチは、『アート アンド イリュージョン』で、F.de Witの画法書の一図を掲げ、同じような試みは18世紀に(実際には19世紀だが)北斎もしていたとし、この関連がわかったら面白いのにというようなことを述べていた。

そのゴンブリッチの本を読んでいた頃、私は辻惟雄氏が、森島中良の『紅毛雑話』の一図と北斎のある一図を対比的に掲げていた論考を目にしていた。

福本和夫氏が言うところの、北斎のいわゆる「規矩方円説」がオランダから影響を受けていたという裏付けを示す図だ。

しかし、森島のその本のその挿図が具体的にオランダのどんな本からもたらされたものかは、当時はまだ明らかにされてはいなかった。

私はゴンブリッチの先の本を読んでいたので、辻氏が対比的に掲げた森島の挿図の具体的な典拠がF.de Witにあることに直ぐ気づいた。

F.de Witの本の挿図は、ド・レーレッスの本の挿図に写され、そこからおそらく森島の本に写されだのだろう。

それを北斎が見て、子供の顔をヒョットコの顔に変化させたことが想像される。規矩方円で描いた顔だ。

ゴンブリッチは、北斎のヒョットコの図を何処かで見ていたので、オランダの画法書に関連して記述するとき、先の『アート アンド イリュージョン』のような一節を書いたのだろう。

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3月6日(水)のつぶやき

2019-03-07 04:00:51 | 日々の呟き
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