風野真知雄著の大江戸定年組シリーズ全7巻を昨年から
一気に読んだ。6巻は電子書籍で、最後の7巻目のみ
紙の本だった。
55歳ほどで隠居した昔なじみの3人組が、自分たちの
隠れ家を作り、そこを起点に、同心などでは相手に
されない小さな相談や事件を解決していくという
物語だ。
一人は元同心、一人は隠居した旗本、一人は隠居した
小間物屋と、全く違う身分なのだが、子供時代に、水練で
遊んだ3人は切っても切れない親友なのだ。
自分たちにしかできない小さな事件を解いているつもりが、
いつのまにか大事件にも首を突っ込んんでしまったり、
親子の繋がり、夫婦の繋がり、男女の心の微妙な触れ合い
など、多岐にわたり書かれており、気がつくと7巻を読み終えて
いた。
登場人物には、3人の家族の他、鮫蔵という嫌われ者の
岡っ引きが絡んでくるのだが、この男の過去の謎が重い。
風野真知雄氏の時代劇のシリーズは、それぞれ、味わい
がある。本格的な時代劇だったり、ちょっと、悪ふざけっぽい
ものだったり、コミカルなものだったり、いろいろだが、
ほんわかした雰囲気の中で、一本、筋が通っているような
ところもある。
今回の定年組シリーズは、年齢的に、自分に近いせいか、
非常に身近に感じてしまった。今でも会う幼馴染の友人は
いないが、隠れ家くらいはあってもいいかなと思ってしまう。
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