ドローン騒ぎに思う

首相官邸へのドローン墜落事件が犯人逮捕に至ったようだ。

「ドローン」という用語がメディアの関心に嵌ったのか、連日大きく報道された。

一連の報道の中で気になったのはドローン規制論が叫ばれたことだ。

もちろんドローンと言えど、どこをどのように飛ばしてもいいわけではない。
現在の法規制にはない主要施設の近傍での飛行禁止などはあってしかるべき。

登録制にしろと言うのも、ドローンだけ登録して意味あんのか、という気はするが、
出てきてもおかしくない議論だと思う。

ただ、それがテロ対策だと言われるとチャンチャラおかしいというしかない。

もし仮にドローンでも買ってテロでもしてみるか、という輩がいるとすれば
それなりの抑止力になるかもしれない。

しかし、本気でテロをしようと考える人間にとって抑止力になるとは思えない。
事件にしろ事故にしろ、ドローンで何らかの事態が起こった時に
登録制であれば持ち主を突き止めやすいのは言うまでもないが、
故意に事件を起こそうとする者にとって登録制が意味あるのか。

更に気になるのは「ドローン」だけがやり玉に挙がっていることだ。

何年か前、一人乗りのヘリ（ジャイロコプター）だかが
皇居の上だか近くを飛んで大問題になったことがあったけど、
あの後ウルトラライトプレーンやらジャイロコプターやらも
法律がかなり改正されたようですけど。

人間が乗るとなるといくら小さいものでもそれなりの重量はあるし、
事故となれば乗員のみならず、他の人や物にも損害/被害を与えるだろうし
ある程度の法規制はやむを得ない。

ただ、どんなものでもそうなんだけど、すべての物を規制するのは
実務上無理があり、一定要件を超えたものを規制することになる。

どの程度を規制対象とするのかでまた議論が沸騰することでしょう。
今回はドローンだけでなく無人操縦機全体を規制することになりそうだが、
ドローン＝悪と言った感じの報道には違和感がある。

更には、ドローン以外にも言及しないのはさらなる違和感。

ラジコン操縦できるものには、飛行機、ヘリ、車、船などいろいろなものがあり、
それこそ手のひらに載るような小さいものから、薬剤散布、物品運搬まで
サイズも重量も素材も原動力も様々だ。

その気になれば、車だってバイクだって自転車だって爆弾や化学兵器を積んで
突っ込んでいくことも可能だろうし、自爆なら道具もいらない。

こういう事件が起こると、法が不備、規制がないのが悪いとなるのが、
マスメディアの論調で、規制しろ、法を作れが金科玉条のごとく語られるのが嫌。

必要な規制はあってしかるべきだが、何でもかんでも規制すればよい、
法ができればそれでよい、というものではない。