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流行語大賞と今年の漢字

2015-12-02 12:50:08 | 観察
お前なんかに好かれようと思っていないと言われることは
百も承知で個人的に茂木健一郎という方は好きではないが、
茂木健一郎氏 流行語大賞に違和感「流行は選考するものでは…」には、
大いに賛同する。

感心したのは
「流行したかどうかは事実問題であって『選考』するものだとは、私には思えない」
の部分ではなく、

「便利だからだと、毎年まるで風物詩のように報じるメディアのあり方には
 違和感を抱く。」の部分。

氏の言うように私も「毎年運営している方々の努力には敬意」を感じるし、
長年続けることによって自分自身を権威づけることに成功していると思う。

しかし、流行は見方、観点、所属する団体、地域などによって特異性、個性が
あってもおかしくはないし、むしろある方が自然。

「爆買い」や「トリプルスリー」は「ユーキャン」の見た「新語・流行語」であり、
それはそれで別にかまわないというか、「ユーキャン新語・流行語大賞」を
否定するつもりは毛頭ないのだが、それをあたかも日本代表の流行語のように
扱うのはいかがなものか、ということ。

なお、タイトルに「ユーキャン」とあるが、「ユーキャン」は提携先であり、
主催は「現代用語の基礎知識」を発行している自由国民社。

Googleが最も検索された語が最も流行った言葉だと考えて、
「2015年Google検索による流行語ランキングTOP10」の
1位に「マイナンバー」を選んだのも理解できるし、マスメディアも
それぞれが考える流行語を発表すればよい。
「ユーキャン新語・流行語大賞」だけが決める権限を持つわけではない。

とはいえ得体の知れない何の権威もない個人、団体が、今年流行った言葉はこれ、
とか言っても説得力がないから、どこか特定の意見を「権威化」すること、
あるいは権威化されたものに追従することに意味が生まれてくる。

ただ、「そこには、安易に『権威』をつくって、あとは盲従する
 日本的文化風土があるような気がしてならない」の後半部分には反対。

メディアが乗っかってそれを権威づけようとしているのか、
深く考えずに結果として権威づけているのかは別として、
それが「日本的文化風土」だとは思わないから。

メディアが「今年の10大ニュース」をどこかの新聞やTV局に
委ねてしまうことはないはずで、それぞれの観点から見たインパクトのある
事象を選んでいるはず。

選出選考に理念信念があれば、他社が選んだものと同じであっても
違っていてもかまわない。

流行語もそういうもんだと思う。
しかしながら、流行語を調べ、分析し、選出していくのは大変でしょうし、
どこかに乗っかるのが簡単で手間もいらずに金もかからない、というだけ。

同様のことは「今年の漢字」にもいえる。
あれも、日本漢字能力検定協会が選出しているに過ぎない。

それを大々的に清水寺で揮毫して発表するというパフォーマンスと言っては失礼か、
演出をすることでマスメディアも取り上げられるし、話題にもなるし、
ひいては権威づけにもなる。

ただし、今年の漢字は適当に「じゃ今年はこれ」と決めるわけではなく
全国から募集し、1位の字を選んでいるようだから、納得感は高いかもしれない。

いずれにしても、観点が変われば評価も変わるわけで、それぞれの見方が
あって然るべきと思うが、マスメディアの横並び体質というか、
「特落ち」恐怖心というのか、独自路線は難しいんでしょうね。

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