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転落=致命傷

2005-03-29 11:29:54 | Weblog
致命傷は転落による負傷 東名の小6女児死亡事故 (共同通信) - goo ニュース

気の毒なことに転落の負傷が致命傷だったようだ。
どうすることも出来ず、かわいそうとしか言いようがない。

これで、日程がどうだとか、引率者がどうとか、バス会社がなんだの、窓が、バスの構造が、
と、いろいろ言われることと思う。

しかし、起こってしまった事故はもとに戻らない。

合掌。

****

アクション映画では、車から飛び降りても平気、なんてこともあるが、
実際はそんな生易しいものではない。

バスのスピードを時速90キロ(秒速25メートル)窓の高さを2メートルとして考えてみる。

窓から落ちて、地上に激突するまで、約0.63秒。あっという間です。
そのときの垂直方向の落下速度は、秒速約6メートル。
止まっているバスなら、打ち所が悪ければ、といった程度でしょう。

ところが、バスが時速90キロで走っているから、慣性の法則により、
本人も時速90キロで前方に投げ出される。
このスピードを加味すると、地面激突時は、秒速約26メートル。
地面との激突角度は約13.5度になります。

風の抵抗で実際の速度はもう少し遅いだろうが、
秒速20メートルとしても、20メートルの高さ(マンションの7階程度)、
これが秒速25メートルなら、30メートルの高さ(マンションの10階程度)
から落ちたのと同じ速度だ。

窪塚洋介がマンション9階(高さ26メートル)ジョニー大倉がホテル7階(高さ20メートル)
から落ちたが、あれらと同じ。
これだけでも助かったのが奇跡といわれた

さらに、バスからの転落がこれらと違う点は大きく2つ。
・地面に垂直に激突ではなく、斜めに(約13度で)激突。
 当然1回だけでなく大きくバウンドしながら何回も地面に叩きつけられたと思われる。
・落下時間が極端に短い。
 高いところからの落下だと地面まで時間が2~3秒あるが、バスの窓からなのでわずか0.6秒。
 一瞬のことで体勢を立て直したり頭を抱える暇も無かったと思われる。

単に数字を並べているわけではない。責任論とも関係ない。
高速走行しているバスが(自家用車でもトラックでも同じ)ものすごく危ない状態にあることを認識して欲しい。

人間の何倍、何十倍の大きな鉄の塊が、
人間の生物的な能力をはるかに超えるスピードで走行しているわけだから、
転落、衝突は、即、大事故になるわけです。

そう思うと、シートベルトをしない、ケータイをかけながら運転、飲酒運転、なんてできないはず。
荷崩れだってそうだよね。荷物を落とすなんて、後続車から見れば投石器みたいなもんだから。

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