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ITニュース、ほか何でもあり。by KGR

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映画「剱岳 点の記」@109シネマズ木場

2009-06-25 00:10:14 | 映画感想
2009/6/24、109シネマズ木場。

このところ、109シネマズ木場のチケット売り場前には必ず列ができている。
今日もチケットを買うのに10分近くかかった。

まずまずの入りだが、客の年齢層はかなり高め。
映画に見入るのは良いが、しゃべりながら見るのは勘弁願いたい。

**

浅野忠信、香川照之、松田龍平、仲村トオル、宮崎あおい、
国村準、夏八木勲、役所広司。

***

「点の記」とは、地図測量の基準点である「三角点」の設置「記録」ことである。

明治39年、陸軍測量部は日本地図最後の空白地点、剣岳を登頂し
測量することを考えていた。

おりしもその前年に発足した日本山岳会が、初登頂を計画していることを知り、
「民間のお遊び」に負けては軍の恥とばかり、
測量手、柴崎芳太郎(浅野忠信)にその任を命じる。

柴崎は新婚の妻、葉津よ(はつよ、宮崎あおい)の心配を余所に登頂の準備を始める。

先輩測量手、古田盛作(役所広司)の意見を聞き、
案内人に宇治長次郎(香川照之)を選ぶ。

まず最初は3週間ほどかけて下見。
立山から剱岳の周りを回り、登頂ルートを探る。

柴崎は、途中で日本山岳会の小島烏水(こじまうすい、仲村トオル)らと遭遇。
柴崎には「遊び」で剣岳を目指す小島らの心情は理解できなかった。

沢、雪渓、岩場。

しかし、どのルートも単独踏破はともかく、
到底測量機材を運んでの踏破は無理と思われた。

陸軍に提出した柴崎の下見報告書は、剱岳登頂に否定的だったが、
陸軍測量部参謀本部の中佐、矢口誠一郎(国村準)はそれを許さず、
すでに世間の関心が陸軍対山岳会の初登頂合戦になっているとして、
何が何でも初登頂を指令する。

翌明治40年4月、測量士の木山竹吉(モロ師岡)測量助手の生田信(いくたのぶ、松田龍平)、
案内人3名を追加した一行7人は、
測量機材、三角点設置機材とともに山を目指す。

はたして、剱岳登頂は成功するのか、本来の目的である測量、
日本山岳会との初登頂競争は。
立ちはだかる過酷な大自然、柴崎は目的をかなえられるだろうか。

**

もうこの映画はフィクションではない、いわばドキュメンタリーだ。
ドキュメンタリーが言いすぎであるなら、再現フィルムと呼んでもいい。

徹底した現地撮影、実写主義で、雪崩すら本当。
さすがに流されるシーンはスタントだったらしいが、
雪に埋もれた場面の松田隆平はほとんど失神状態だったらしい。

荷物の中身は軽くしてあるだろうが、当時の装備で実際に山を登っており、
浅野忠信や香川照之は凍傷になりかけたらしい。

とにかく過酷。大自然の雄大さと過酷さと人。

ゆっくりとした動きやせりふ回しもくどいわけではなく、
厳しい自然の前ではああなるんでしょうね。

**

不勉強でよく知らなかったが、三角点には
「一等三角点」「二等三角点」「三等三角点」「四等三角点」があり、
それぞれが規格が決まっている。

基本的には三角点には標石が埋められていて、その下には盤石も埋めてあるとのこと。
これは「ばんせき」と読むのか「ばんじゃく」と呼ぶのかは知らないが、
標石が崩れたりしないよう固定するものであろうから、
文字通り盤石の支えを果たしているのだろう。

Wikiによれば、四等三角点にも柱石(標石)が定められているようだが、
当時は標石のない四等三角点もあったようだ。

また、当時の測量では剱岳山頂は2998メートルとされたようだが、
2004年に改めて三等三角点が設置され、
GPS測量により剱岳は2999メートルとなったとのこと。
(三角点の標高は2997メートル)

コメント (7)    この記事についてブログを書く
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7 コメント

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驚きでした (KLY)
2009-06-25 00:57:46
さすがは名カメラマン・木村大作が監督を務めただけはありますね。おっしゃる通りこれはドキュメンタリーと言っても良いと思いました。にしても、実際にあの雪山で撮影を敢行するとは、前代未聞です。
そこまでやったからこそのエンドロールの「仲間たち」という一言が重みをもつのでしょうね。
返信する
Unknown (悠雅)
2009-06-25 20:47:32
こんばんは。
今回は『おくりびと』と同じくらい、夫婦50割引とシニア割引の方々で埋まった会場、
『おくりびと』の時と同様に、
ご自宅の居間の気分で、遠慮なくお喋りされる方に囲まれてしまいました。。。

でも、作品は本当に素晴らしいものでした。
頑固な職人気質を感じさせる監督と、その撮り方、人の動かし方。
そのいい意味での我儘さと、それに応えたキャスト、スタッフに惜しみない拍手を送ります。
返信する
TB/コメントありがとうございました。 (KGR)
2009-06-26 10:19:39
観客層、居間気分。
まったく同じ体験です。

どうして同じ行動様式をとるのか不思議です。
返信する
上映中のお喋り (iina)
2009-06-26 21:12:17
他の邦画では、みられぬヒソヒソ話でした。
やはり、富山あるいは立山を観光ないし登山した方たちが、懐かしがったか
自慢したかったと思えます。

エンドロールの4文字=「仲間たち」は、監督の映画に対する姿勢がそうさせた
のでしょうね。
返信する
iinaさんへ (KGR)
2009-06-26 23:06:54
面白い場面では笑えばいいし、
感嘆の声くらいはあってもいいと思いますが、
映画と関係ないお喋りはやめてほしいものです。

しかし、同じような年代の方々(特に男性)が、
同じような行動をとるのが不思議です。
返信する
KGRさんへ♪ (mezzotint)
2009-06-27 23:22:35
今晩は☆彡
そうですね。観客層は年齢が高かった
です。中高年の登山ブームがここ数年前?
いやもっと前からかも・・・。
そんなことも大きく影響していますから、
剱岳と聞けばやはり観たいという人が
多いのかもしれません。それにしても
お喋りはマナー違反ですよね。周りの
ことも考えて欲しいものです。
本作は山好きの私にはお気に入りの
1本でした。
返信する
mezzotintさんへ (KGR)
2009-06-28 06:22:30
コメントありがとうございます。

中高年の登山ブームですか。
知りませんでした。

全員ではないでしょうけど、
各地で同じような行動が報告されるのが
不思議です。
返信する

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