PASMO '07/3/18より

ＰＡＳＭＯ、３月１８日スタート　首都圏の新交通カード(朝日新聞) - goo ニュース

私鉄・地下鉄・ＪＲ、来年３月から「パスモ」１枚で(読売新聞) - goo ニュース

３月１８日にスタート　首都圏共通のＩＣ乗車券(共同通信) - goo ニュース

ニュースの書き方は、各社によって異なるが、
簡単に言うと今までのパスネットやバスカードとは別にＩＣカードタイプの
「私鉄/バス版スイカ」が登場し、私鉄/バスだけでなくＪＲでも使えるというもの。

「私鉄/バス版スイカ」と書いたのは、方式がスイカと同じだからだ。

プリペイドの磁気カードによる自動改札は、
ＪＲ東日本がＩＯカード、私鉄連合はパスネットで、
技術的な互換性はともかく、運用上の互換性はないに等しい。
（精算機では使えるところもあるらしい）

パスネットは、カードを販売した会社と利用した鉄道会社が異なることが多く、
売上や鉄道会社間での料金精算など、経理的処理が複雑になる。
ＪＲと相互利用をするにしても単に技術的な互換性だけではすまない。

そうこうするうち、ＪＲはＩＯカードをやめてＳｕｉｃａになってしまい、
自動改札での互換性は完全になくなってしまった。

今回は私鉄連合がＳｕｉｃａに歩み寄ったといっていいのかな。
Ｓｕｉｃａと同じ方式にしたため、私鉄間での利用はもちろん、
ＪＲでも使える、ということだ。
カード代500円をディポジット（預託）するところもＳｕｉｃａと同じ。

Ｓｕｉｃａをご利用の方はよく知っておられるだろうが、
記名式のものは、落としても再発行が可能。
ＰＡＳＭＯも記名式のものは再発行できるようだ。

これは実はすごいことで、「ふーん、すごいね、便利。」てなもんじゃない。

どういうことかというと、
ＩＯカードやパスネットはカード上で決済が完結する。
つまり、カードに乗降駅の情報が入りそれで運賃を計算して残金がカードに残る。

カードにすべての情報が入っているわけだから、カードを落とせばそれで終わり。
誰かが拾って、換金したり使ったりしても、システム的にはどうしようもない。

これを落としても再発行できるようにする、ということは
いくら残っているかが「カードがなくてもわかる」ということ。

センターで情報を一元管理しているから判るのだ。
無記名だと、カードごとの残金が判っても、どのカードが誰のものか判らないが、
記名式だと、カードと人のリンクをつけておけば、
誰の持っているカードはいくら入っているかがわかる。

再発行する場合は、持っていた人とカードの固有の識別番号との関連から、
使っていたものを無効にして、新しいカードとリンクさせればいい。
残金の引き継ぎも可能になる。

ちょうど、携帯の機種変みたいなもの。
前の端末は無効にして新端末を元の電話番号のまま使えるでしょ。

利用者はＪＲとの乗り換えも便利になるし、電子マネーとしても使えるし、
いろいろと利便性は高まるのだろうが、事業者側にとってのメリットは？

システムの全面的な見直し、再構築となるわけで大変な金がかかるし、
維持費も今以上にかかる（はず）

当分は今までのパスネットも生かすだろうから、置き換わるというより、
費用は純増、全くの追加になるわけで、相当の経済効果がないと引き合わない。

どういう利点、算段があるのか聞いてみたいところだ。

（Ｓｕｉｃａについては、システム担当役員から思惑を聞いたことがあります）