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消費税増税に関するニュースを見て

2014-04-10 20:48:05 | 政治経済
記事を見てほしい。

まず最初に言っておきたいことはマスメディアは悲観的な記事を書くことが多い。
多分その方が人目を引くし、与えるインパクトも大きい。

ただ、記事は良く吟味して書かないと、記事自体に矛盾をはらみ、説得力を失う。


最初に引っかかったのはここ。

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「総価格表示」から消費税を含まない「本体価格表示」に変更
表示の仕方が変わったことで起きているのが、便乗値上
**

と書いておきながら、

**
『これまで総額200円だったコーヒーが総額220円になっていました』
**

と、総額表示での値上げを取り上げている。

5%で総額200円なら税抜きは190.5円。
8%にすると205.7円となる。

8%で220円なら、税抜き価格は203.7円。

「総額200円が本体価格200円になってました」とか、
「総額200円が本体価格で204円になってました」と言うのならわかるが、
観点がずれている。

なお、この220円と言うのは、ドトールの事だろうけど、
メニューの中には総額380円が総額390円(+2.6%)
同じく430円が440円に値上げ(+2.3%)の物もあるし、
セットメニューでは560円が580円(+3.6%)になったものもある。

主力商品であるコーヒーの値上げ幅が大きいのはきついという点はあると思うが、
企業側にとってはトータルでの3%を転嫁する方策を取っているわけで、
個別の商品ごとに計算して3%を超えるのはおかしいとばかりは言えない。

次に

**
新しい価格表示に対応することさえできずに、ひっそりと廃業していたスーパー

増税に対応できる新型のレジに買い換えることができなかった
**

とある。

しかし、「資金繰りに行き詰って」レジの買い替えができなかったというので、
消費税増税が引導を渡すことになったことは間違いないだろうが、
それが引き金になったのではない。

もとより、消費税増税は2012年8月、当時の民主党政権下で大筋が決まっており、
今年4月からの最終決定も昨年10月に確定したものだ。

更にいうと、3%から5%へ引き上げられたのは17年も前で、
その間も税抜き本体価格表示になったり、税込総額表示になったりと変わっているが、
その都度全レジを買い替えるなんて馬鹿はやっていないはずで、
最新のレジなら、「消費税率可変対応」ぐらいにはなっているはず。

先を見越して少しずつ買い換えるとか、店舗や部門ごとに買い替えるとか出来たはずで
4月1日に突然レジが使えないことにはならなかったはず。

仮に、レジを一括で買い替える必然性があったとしても、
更にそのために必要な当座の資金が不足したとしても
銀行からの融資、行政の支援などがあれば何とかなったはず。

つまり、レジを買い替える余裕もないほど資金繰りに苦しんでいる状態が長く続き、
遂には銀行も見放したため、倒産に至ったとみるのがまっとうな見方だろう。

重ねて言うが消費税増税の施行は引き金ではなく結末。

事実と事実の間をセンセーショナルな文言でつないで
消費者をミスリードするのは止めてもらいたい。

ただ、気になることもあって

「経済評論家の森永卓郎」が、

**
「多くのエコノミストや政府関係者は、7月以降は盛り返して、
 景気回復の傾向が続くと楽観的

 私は今回の増税をきっかけに、日本はリーマン・ショック並みの
 打撃を受けると思います。
**

と予測しているようだ。

森永卓郎は極端な物言いで多くのエコノミストから大批判を浴びる人物ではあるが、
往々にしてその予測が当たるので、ちょっと心配ではある。
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