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試写会「サマーウォーズ」@新宿厚生年金会館

2009-07-22 01:07:57 | 映画感想
2009/7/20、新宿厚生年金会館での開催。
上映前のドタバタは別記事で。

***

神木之介、桜庭ななみ、富司純子、谷村美月

***

冒頭は、OZと呼ぶバーチャル・コミュニティの紹介。
OZ内でのアバターが、現実の世界とリンクしており、
リアルの世界での手続きや操作などがOZ内のアバターを通じて行える。

そのOZのメンテナンスをしている2人のアバター。
実体は、東京は久遠寺高校PC部の2年生、小磯健二(声:神木之介)、
佐久間敬(横川貴大)二人だった。

そこへ飛び込んできたのは、学内のアイドルで3年生の篠原夏希(桜庭ななみ)、
長野県上田市への帰省に同行する「バイト」を健二に頼む。

上田市の夏希の曾祖母、陣内栄(じんのうちさかえ、声:富司純子)の
誕生日祝いに親戚一同が集まるのだ。

陣内家は、数百年続く旧家で4世代の大家族。
夏希は4日間だけのウソとして、健二を自分のフィアンセだとして栄に紹介する。

その夜、寝付けない健二に意味不明の数字メールが送られてくる。
暗号? 何かのクイズ?

夜明かししてそのコードを解いた健二だったが、
翌日とんでもないことが報道されていた。
それは、OZのセキュリティを解除して中枢部に侵入、
他人のアバターを乗っ取り、そのアカウントの権限を利用して
OZ混乱に陥れている、その張本人が健二(のアバター)だというのだ。

あのメールが、そのセキュリティ・コードだったのか?

焦る健二、OZ内の健二のアバターはリアル世界を次々と混乱に陥れる。

やがて、夏希の嘘はばれ、健二も一族の警官、翔太に逮捕されかけるが、
陣内家で偽健二と戦うことに。

陣内家には、一人風変りな引きこもり風のゲーマーがいた、
池沢佳主馬(いけざわかずま、声:谷村美月)
OZ内ではキングカズマなる格闘アバターを使う有名人だった。

佐久間、健二、佳主馬の連携で、OZ内で暴れ現実世界を混乱に陥れているのは
「ラブマシン」と言うAIだとわかる。

乗っ取ったアカウントの権限でリアル世界の混乱はますます増大する。

その「ラブマシン」を作ったのは、陣内侘助、
大おじいちゃんの隠し子で、陣内家の養子。

はたしてその目的は何なのか。
陣内家の面々は、力を合わせてラブマシンを退治し、
OZを元通りにそれに連動する現実世界を元に戻せるのか。

**

話としては面白いし、アニメとしてもよくできていたとは思う。

しかし、いくらOZが現実世界とリンクしていたとしても、
あれだけの世界的大混乱が起こるべくもないし、
仮に起こったとして、あれだけの大混乱で死者ゼロというのは
おとぎ話としてもあり得ない。

ラブマシーンも勝ち目のない勝負を延々とやり続ける理由が分からない、
というか負け続ける理由が分からない。
AIなんだから、最初は負けてもやるうちにどんどん強くなるはずだ。

なによりも現実世界のほとんどがOZによって
コントロールできるという発想はちょっと無理が過ぎる。

バーチャルとリアルがつながっていて、ある範囲では、
バーチャル世界が現実をコントロールすることは可能としても、
それはある限定的範囲にとどまるはず。

なお侘助はいくら弁解しても重罪で、許されるべきではない。

**

・親への約束から恋人や婚約者の偽物を用意するがばれる。
 しかし、結局は本当の恋人になってしまう。
・普段はアナクロだと思われていた人物が、デジタルな危機に際して、
 アナログ力を駆使して危機を乗り切る。
よくある展開だなぁ、と思いました。

とはいえ、大勢のキャラの設定や役割分担はよく練られていて、
ストーリー展開上破綻しないようにかなり突っ込んで考えていたと思われます。

過去と現代をいろんな場面で対比させつつ融合させていく点もよかったです。

コメント (12)    この記事についてブログを書く
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12 コメント

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あはは^^; (KLY)
2009-07-22 23:36:55
現実の世界がOZによってコントロール出来る、故にOZ用のアカウントとパスワードが単にOZにとどまらず他の仕事やらメールやらにも全て使われる…それはセキュリティの面から一番ダメだろう…とは確かに思いました。
とはいいつつも、まあもともとラブマシーンなんてもの自体突拍子もないもんなんで、それはそれでいっかとサラリとスルーして見てましたよ。(笑)基本的には設定そのものより、人との繋がりの大切さを訴えた、ある意味単純な作品かなと思うんですよね。
返信する
KLYさんへ (KGR)
2009-07-23 10:04:13
>もともと(略)突拍子もないもんなんで、
>それはそれでいっか
まあ、そうですね。

>現実の世界がOZによってコントロール出来る
ありえんとか言っても始まらないですしね。

全体としては良くできていたと思います。
返信する
似たような作品 (にゃむばなな)
2009-08-01 16:51:25
ネットが混乱すれば世界も混乱するという設定では『ダイ・ハード4.0』も似たようなものでしたが、こちらはあちらとは比べ物にならないほど面白かったです。
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むにゃばななさんへ (KGR)
2009-08-01 20:51:45
TB/コメントありがとうございます。

いろいろ文句は書きましたが、
そういう「お固いこと」は抜きにして
おもしろかったのは間違いありません。

設定もよく考えてあったと思います。

全体の世界観だけでなく、
大家族の陣内家の構成や相関も矛盾なく
クライマックスへ向けてよく集約していった
と思います。
天邪鬼な私としてはそこがまた不満なんですけど。
返信する
Unknown (GKBR)
2009-08-11 16:40:41
OZの混乱によって現実の世界に影響が出るというのは強ちあり得なくもないと思います。
実際現実では、メリケンさんが過去二回、ハッカー達が総出でアメリカを攻撃してきたらという想定で演習を行い、実際に混乱を引き起こせることが可能だとの結論を出しましたし(主要9都市の停電や太平洋司令部の指揮システム麻痺等々)。
それに、Y2K問題(あれはハッキング云々ではなく、プログラム自体の問題でしたが)の時も経済等に多大な影響を及ぼすんじゃないかと言われてもいました。
返信する
GKBRさんへ (KGR)
2009-08-11 20:17:48
コメントありがとうございます。

OZがどのようなものかは別として、影響が全くないとは思いません。

一つのシステムで全世界が大混乱はあり得ないと言うだけで、
それぞれのシステムでそれぞれの守備範囲を混乱させることは十分できます。

また、IXを集中的に攻撃してネットを全面的にダウンさせることはできると思いますが、
全権限を一律に乗っ取ることはできないと思います。

Y2Kも集中的に管理制御していたわけではなく、
どこで何が起こるか分からないという混乱だったわけで、
誰かが意識して意図的に混乱を起こしたわけではありません。
返信する
Unknown (通りすがり)
2009-08-29 10:55:13
佳主馬です。桂主馬じゃないです
返信する
間違い指摘ありがとうございます (KGR)
2009-08-29 15:46:00
通りすがりの方、

桂主馬じゃなく、佳主馬。

ご指摘ありがとうございます。
早速直しておきます。

今後も間違い等ありましたら、教えてください。
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そうですよね~ (miyu)
2009-09-05 20:53:23
ちょっとツッコミどころは確かになくはなかったかと
思います。
でも、全体としてはかなり面白かったです。
キャラがたくさんい過ぎてさっぱり覚えきれなかったけど、
田舎の夏っぽくってなんか楽しかったなぁ。
返信する
miyuさんへ (KGR)
2009-09-05 23:10:18
いやあ、私も面白かったんですよ。

現実にはありえない世界が映画ですから、
「実際には、こんなことは起こらない」
と言ってみても、たいした意味はありません。

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