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ユニオンジャック崩壊せず

2014-09-19 15:36:24 | 政治経済
イギリスだけでなく、日本も、いや世界全体が注目していたに違いない
スコットランドの分離独立の是非を問う住民投票は否決された。

もともと賛成派の皮算用はかなり楽観的なものだったと言わざるを得ない。

それは、独立賛成票が多いだろうという読みの事ではなく、
独立後「スコットランド国」をどう運営していくのかが甘いということ。

最大の経済的利点である北海油田をスコットランドが手中に収めることについても、
国境線が確定しているわけでもなく、イングランドとの間でもめることは必至の上、
埋蔵量は底を突きつつあると言われている。

経済的にはポンドを通貨とし、EUに加盟し続けるとあるが、
スコットランド銀行などがイギリス・ポンドを発行し続けられるかどうかは不透明。
イギリス現政府はイギリス・ポンドの使用は認めないと言っていた。

となると、スコットランド独自の通貨、例えばスコットランド・ポンドを通貨とするか、
ユーロに切り替えることなどが考えられる。

いずれにしても相当の移行期間が必要で、ユーロに独自加盟ができるかどうかも含めて
関係各国の協力が必須となる。

王政は維持し、エリザベス女王を君主とする点については
過去イングランド王とスコットランド王が同一人物であったこともあり
不可能ではないが、これもイングランド側とかなり時間をかけて詰める必要がある。

そもそもスコットランドの国民には誰がなるのか。
スコットランド国民たる条件とは何か。
現イギリス国民でスコットランド国民になることを希望する人?
現在スコットランドに住んでいる人?
それともスコットランド人(どういう定義かわかりませんが)

法制度はどうするの。
イギリスとスコットランドの人/物/金の往来はどこまで自由?
政府組織は、軍は・・・

仮に分離独立が決まっていたら、喧嘩別れではないのだから、
これらはお互いに真摯に話し合って決まっては行ったんだろうが
かなりの混乱は避けられなかったろう。

とすると、その間にスコットランドを脱出しイングランドへ移る人、企業が頻出、
新しいルールが決まるのに時間がかかれば掛かるほど逃げ出す人/物/金が増えるだろう。
経済的に今より楽になるどころか苦しくなるのは目に見えている。

実際に世論調査でも独立して経済的に良くなると見る人は3割、
悪くなると見る人は6割だったらしい。

しかしながら、今回独立賛成派が45%ほどいたということは、
経済的な損得よりも独立が大切と見る人が単純計算でも15%はいたということで、
それはそれで見識ある行動ともいえる。

ところで、ご承知のように現在のユニオン・ジャックは
イングラント、スコットランド、北アイルランドの国章を重ね合わせたもので、
仮にスコットランドが抜けるとなっていたら新ユニオン・ジャックがどうなっていたか、
いくつか推定、推測、予測がされていたらしい。

そのうちの一つに、今は入っていないウェールズの紋章を入れ、
次のようにしたものがあった。



**

英語の授業では英国=イギリスの事をEnglandと習ったろう。
今回の一連のニュースでもわかったと思うが、はっきり言って間違い。

イギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの連合国で、
UK(ユナイテッド・キングダム)。

一部のスポーツではイギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランド、
北アイルランドの4か国として扱われている。
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