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チベットに思いを馳せて


Boudhanath

カトマンズ郊外にあるチベット仏教の聖地ボダナート。
ネパール最大のストゥーパ(仏塔)を持つとされる寺院で、かつてのチベットとの交易ルートの上に位置し、
ここを通るチベット商人の休息地であり、また旅の無事を感謝し帰路の安全を願う祈りの場所だったそうです。

1950年代には中国から亡命してきたチベット人の多くがこのボダナートの周囲に住むようになり「リトル・チベット」として発展。
そのためボダナートはネパールにおいてチベット人の信仰と暮らしを最も手軽に知ることが出来る場所になりました。
マニ車を回しながら歩く巡礼者やチベット僧、五体投地で参拝する人の姿を見ることが出来るので旅行者にも大人気です。

でも簡単にチベットとの交易とは言いますけど、チベットとネパールの間にはヒマラヤがあるんですよ。

僕は昔、数人の日本人でランクルをチャーターしてチベット高原とヒマラヤ山脈を越えたことがあります。
チベットのラサからネパールのカトマンズまでの約1000km、平均標高4000m以上で最高到達点が標高5800m。
森林限界を遥かに越えた岩と山と空しか無い宇宙のような場所を延々と行くわけですが、
そんな場所でも五体投地でラサを目指すチベット人がいたりしてド肝を抜かれた記憶があります。あ、あんた荷物は?食糧は?
そして車を止めて休憩していると、どこからともなくチベット人の子供が寄ってきたり。お、おまえどこに住んでるの?
いくら見渡してみても周囲にはやっぱり岩と山と空だけ。頭の中がクエスチョンマークだらけだった記憶があります(笑)

ランクルで行ってしまえば冒険でも何でもなく、少々の高山病に悩まされたことと、極度の乾燥の中で絶景の連続に絶叫しすぎて喉が枯れたこと以外は
呑気な遠足みたいなものでした。でもそれを徒歩で行くとなると、そりゃもう交易だなんて軽い言葉では済まされない気がします。

突き抜けるような10月の青い空に映えるストゥーパを見上げながら、ふとそんなことを思い出したタシデレでした。

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