議会上院の前議員40人がセーター・タウィーシン首相(62)の解任を憲法裁判所に求めた裁判の判決が8月14日に下る。
4月の内閣改造で首相府相として入閣したピチット・チューンバーン氏(65)が過去に実刑判決を受けて服役したことから、憲法が定める閣僚資格に違反する人物を閣僚に任用したとして、セーター氏を訴えた。ピチット氏は5月に辞任した。
セーター氏が憲法裁により首相を解任された場合、後任の首相候補は、議会下院の連立与党第1党プアタイ党のペートーンターン・チナワット党首(37)と与党第2党プームジャイタイ党党首のアヌティン・チャーンウィーラクーン副首相兼内相(57)の2人に絞られる見通しだ。
ペートーンターン氏はプアタイ党の実質的なオーナーとされるタクシン・チナワット元首相(74)の次女。
タクシン氏は2006年のクーデターで自身が、2014年のクーデターで当時首相だった妹のインラク氏が事実上の国外亡命生活を余儀なくされた。現在の不透明な政治状況の中、娘のペートーンターン氏を首相に就かせて危険にさらす可能性は低いという見方もある。
議会下院(定数500)第1党で野党のガウクライ党(前進党)の解党をタイ選挙委員会が憲法裁判所に求めた裁判の判決が8月7日に下る。
憲法裁は今年1月、ガウクライ党が昨年5月の下院選で不敬罪の廃止改正を選挙公約に掲げたことについて、「国王を元首とする民主政体の転覆を図るもの」で違憲だとする判断を下し、
ガウクライ党に対し、不敬罪の廃止改正を目指すすべての活動を停止するよう命じた。これを受け、選挙委がガウクライ党の解党を憲法裁に請求した。
憲法裁は選挙委などと同様に、革新系のガウクライ党と対立する保守王党派の強い影響下にあるとされる。ガウクライ党が憲法裁の命令で解党された場合、ピター前党首ら同党幹部は参政権が10年間剥奪され、ガウクライ党所属の下院議員は党が準備した新党に移籍するとみられる。
不敬罪はタイ国王夫妻と王位継承者への批判を禁じるもので、違反した場合、1件につき最長15年の禁錮刑が科される。タクシン政権(2001〜2006年)を打倒した2006年の軍事クーデター以降、王党派と民主派の対立が強まり、民主派の活動家らが不敬罪で訴追、投獄されるケースが急増した。
8月はタイが熱くなりそうです。
ここのところもめごと大好きなタイ人たちは静かにしていましたので、そろそろ発散したい時期なのでしょうか?
就任したばかりのタクシン派セター首相が辞めさせられ、若者に大人気の反政府派ピタ―前進党党首が不敬罪抵触で10年間の政治活動からの追放と前進党解体、さらにタクシン元首相の不敬罪への罪状確定。
軍政がタイの政治に強い圧力をかけています。
大きなもめごとにならないといいのですが・・
過去に何度もこういうことで内乱に近いような大騒動に発展し、国際空港やバンコクが何か月も閉鎖されました。
タイは安定した国ではありません。常に不安定要素が飛び交い、いつ爆発してもよい状態なのです。
旅行程度ならキャンセルすればよいことですが、長期滞在となるとそうはいきません。
慎重にご検討ください。