京都伝統産業展に行きました。
平安神宮近くのみやこメッセに行きます。
閑散としていましたが、ここに色々な伝統工芸品が並んでいました。
京都ですので友禅は当たり前ですが、こういう着物類にはあまり興味はありません。
でも、この着物を作るのに色々な道具があって、長年の技術が蓄積されていると思うと、改めて着物を見直したりします。
こういう、固いものには特に興味があります。
漆の盆ですが、木地を作ってから色々な工程があって、綺麗な漆の盆になるというのは知っているのですが、下地作りから下塗りと、改めて見て感心します。 私の模型の色塗りはここまで丁寧にやっていません、と反省するのです。
こういうものも、さらっと見てしまいそうですが、それぞれとても手間をかけて作っているはずです。
琴や三味線の糸ですが、とても綺麗です。 絹糸から作っているようですが、これは高価なはずだと思ってしまいます。
木組の技法です。 HNモジュールの箱を作るのが手間と言うのですが、こんな木組にしてごらん、桁違いに手間がかかると思うけれど、見た人は感心しれくれるかな? 値打ちがわからん人が多いかな?
竹細工の実演をやっていました。 若いお姉さんです。
竹籤を細く削っているところです。
私が驚いたのは、切り出しの刃を上に向けて2本立ててある。 見ただけで恐ろしい。 うっかり触れば大怪我をしそうです。
この刃の間に、竹籤を置いて棒で押さえながら竹籤を引いて削って細くしている。
この太さは1mm以下まで、0.5mmぐらいまで削ります。
それも一本だけではなくて大量に削っています。
こう言う方法で細い竹籤を作っているんだ。 もちろん竹の質や節も考えて、元々の竹の選び方もあるそうです。
そして、この切り出しナイフの固定方法ですが、ここでは板の上に刺していますが、作業場では丸太の切口を台に使っていて、そこにこの刃を刺してこういうように固定するそうです。 結構原始的な方法ですが、それが伝統的なやり方です。
製作したカゴです。 良く見るとすごいよ、カゴの下の補強もさることながら、上に巻いてある飾り的な帯も全て竹でできています。 細い細い竹をくるくる巻いたりして。
そして側面は竹を編んだだけのようですが、見る方向を変えると、模様が現れる。 写真を撮り忘れたのが残念ですが、このお姉さんが教えてくれました。 隠し模様のようです。
色々な竹の編み方ですが、ふーん、と思って見ただけではダメです。
こう言うものを毎日作っているプロです。
竹籤を細く削るテクニックからカゴを編む技術、さらに新しい形にも挑戦してゆく心意気。
私たち模型人が、真鍮で蒸気機関車を作るといっても、綺麗に材料が揃ったキットを買って、それを一年二年かけてチマチマ作ってゆくのとは違います。
根本的に違うのはプロは同じものを次々と作ってゆく、ですから自ずと技術も上がります。 この若い女性も毎日竹と格闘して、この若さでも素晴らしい技術を持っているのです。
話を聞いて、手先の動きを見て感心しながらプロはすごいなと考えていました。
工場での大量生産と違います。 伝統工芸すべて、長年の技術の結晶です。 それを受け継ぐ人がいるから成り立つのですが、一番はその作品を買う人がいるかどうかです。 プロは商売として成り立たないと、食べてゆけないので、おのずとその分野はさびれてしまいます。 こんな、お神輿は個人では買えないけれど
扇子ぐらいは、余裕ができた時に買うべきかな〜とも思います。
なんにしても、アマチュアとは違うプロの技術に感心して会場を後にしました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます