ばぬあ通信 ―バヌアツ共和国 青年海外協力隊活動記―

青年海外協力隊としてバヌアツ共和国タンナ島で小学校教諭として2007年から2年間活動しました。未知の世界をあなたへ☆

no.34 3.22 神秘の飲み物”Kava”

2008-03-22 15:39:27 | Weblog
今私は首都のポートビラにいます。明日の朝タンナへ戻る予定です。今回は算数部会とA・B型肝炎の予防接種のために上京してきました。首都はすごい!人の量、車の量、スーパーマーケット、冷蔵庫、水道etc・・・タンナで暮らすようになってからは何度来ても興奮してしまいます(^^ゞ

今回、ついにバヌアツの神秘の飲み物”Kava(カバ)”についてお話します!まずカバと何かについて説明しましょう!カバとはコショウ科多年草(樹木)で、この植物の根を砕いて水を加え濾したものを飲みます。味はかび臭いような、時に洗剤のような味がしたりもするとにかくまずい泥水です(*_*;南太平洋諸国では広く飲まれているそうですが、バヌアツのカバが世界で一番強いそうです。なぜこんなまずいものをバヌアツの男たちは毎晩飲むのか!?それは、カバを飲むとアルコールは含まれていないのに酔うのです。一種の麻薬といわれていますが、このカバは現代医学でもその成分を麻酔に使うこともあるようにとても強い鎮静作用があるのです。飲むと頭がボーっとして、酔った状態になるのです。その状態を言葉で表すことは難しいのですが、人によっては「深い海の底にいるよう」という人もいます。

では次に飲み方です。これは簡単。すきっ腹に一気に我慢して飲む!!これだけです(^^ゞ都市部をはじめ、バヌアツにはどこでもお金を払って飲むカババーがあります。(これをレディメイトといいます)カバはココナッツの殻(これをシェルといいます)で飲みます。
値段は量に合わせて100vtか50vtです。しかし、今でも農村部では夜な夜な村の集会場ナカマルに集まってカバの根を持ち寄り、伝統的な方法でカバを飲んでいます。特に私の住んでいるタンナ島では変わった方法でカバを飲みます。お金を払って飲むカババーではひき肉をひく機械にカバを入れてカバをすりつぶし、それを濾してカバを作りますが、タンナ島ではなんとカバを口で噛んで作るのです!!その方法は
①カバの根を切り分け、ココナッツの繊維で汚れをこすり落とします。
②きれいになったカバの根をバリバリかじり、細かくなるまで噛みます。
(不思議なことにこのとき唾液は出ないそうです!!)
③十分にやわらかくなったらそれを葉っぱの上に吐き出します。
④噛んだカバをお米が入っていた袋などの粗い繊維の上にのせ、水を加えながら濾します。
⑤シェル(ココナッツの殻)にその絞り汁をため、いっぱいになるまでカバの根を絞ります。
⑥年長者から順にカバを飲みます。
このスタイルはチューイングカバと呼ばれ、タンナではカスタムカバと言えばこのスタイルです。北の離島では石やサンゴを使ってカバを砕くそうです。(タンナ島は南に位置しています)はっきりいってものすごく不衛生なのですが、このチューイングカバはとても強く、飲むと必ずといっていいほどドロン(ビスラマ語で酔うこと)します(>o<)!

カバはもともとは村のチーフなどの位の高い人たちが儀式などで飲んでいたものなのですが、それが庶民にも広まり、今やバヌアツには欠かせないものになっています。ちなみにカスタム(しきたり)の強いタンナ島では女性はカバを飲むことも、男性が飲んでいるところを見ることもタブーとされいます。しかしこれはタンナ島をはじめとした南部のみの習慣で、首都のレディメイト(カババー)ではカバを飲む女性の姿も見られます。かつてはバヌアツの男なら夕刻になればみんながナカマルに集まってカバを飲んだそうですが、今は宗教の影響でカバを飲まない人もいます。バヌアツ人のほとんどはキリスト教徒ですが、同じキリスト教徒でもいくつかの宗派があり、厳しい教えの宗派ではコーヒーやカバは飲まないそうです。

私もタンナでは村の人やピースコーのブレットと一緒によくカバを飲みます。夕方になるとTaem blong Kava!(カバの時間だよ!)と言って迎えに来てくれます(^^ゞ私は一晩に2・3シェル(杯)飲んだらドロンしてしまうのですが、好きな人は一晩で5シェルも6シェルも飲むそうです。私はそんなに飲んだら二日カバ(カバの二日酔い)になってしまいます。これがきつい・・・(+_+)

うーん、カバについては文章ではうまく説明できませんでした(-_-;)まだまだ説明不足ですが、長くなってしまうのでまたばぬあ通信の中で少しずつお伝えしていきます。興味がある方はぜひバヌアツへ世界一強いカバを飲みにいらしてください♪村のみんなでチューイングカバをご馳走しますよ!(私も時々噛んでいます!これが難しい(^^ゞ)ではまた!Ale!

写真はカバを噛んでいる様子、葉っぱに吐き出した噛まれたカバの根、カバを絞る様子です。ちなみにタンナではカバを絞るとき、男子の子ども以外はカバに直接触ってはいけないことになっています。なので、子どもが近くにいないときは棒などを使ってカバを濾します。笑顔の男の子はロカタイ小学校の7年生、もちろん教え子です^^

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