ばぬあ通信 ―バヌアツ共和国 青年海外協力隊活動記―

青年海外協力隊としてバヌアツ共和国タンナ島で小学校教諭として2007年から2年間活動しました。未知の世界をあなたへ☆

no.98 10.19 バヌアツでの2年間=日本での1ヶ月

2009-10-19 15:47:54 | Weblog
みなさんこんにちは!ご無沙汰しています。早いものでもうすぐ帰国して1ヶ月が経ちます。この1ヶ月、日本での暮らしにも慣れていく中で、バヌアツでの暮らしと日本での暮らしを比べ驚くことがたくさんありました。

昨日テレビを見ていて知ったのですが、日本の家庭の一日の平均電気使用量は10kwhだそうです。「さて、バヌアツではどうだったかな?」と思い返してみると、バヌアツでは電気メーターにカードを差し込んで使うプリペイドカード方式で、カードは1枚30kwhでした。電気は近所3軒で共有でしたが、そのカード1枚で大体3週間生活することができました。単純計算で私はバヌアツで1日約0.47kwhの電気を使っていたことになります。これは日本の平均の約5%です。もちろん日本とバヌアツでは国の規模も生活様式も違うので、単純に比較することに意味はないかもしれませんが、私がバヌアツで使った2年間分の電気を、日本でのこの1ヶ月でほぼ使ってしまったと考えると複雑な気持ちになりました。

今日、世界中の人々が環境対策を唱えています。日本のみではなく、人類全体に言えますが、便利さ快適さを求めることにより今後もエネルギー消費量は増え続けていきます。世界の人々が便利な暮らしをすることはよろこばしいことです。しかし、現状は手放しでそれをよろこんではいられないということはご存知の通りです。

今この瞬間も地球の自然は崩壊を続けていて、その影響で苦しむ人たちがいます。便利かつ快適な暮らしをしている我々日本人は今の環境悪化等が生む痛手を背負うのは当然といえば当然であり、その改善のために努力するのも当然であるといえると思います。しかし、世界中の多くの地域の人々はとりたてて便利な生活や快適な暮らしをしてきたわけではないのにこの地球の環境悪化に飲み込まれてしまっています。

他人の不幸の上に自分の幸せを築いてはいけない。

この1ヶ月、世界最高水準の便利な暮らしをしていて、それを痛感しています。日本人として、地球で暮らす一員として、この地球のために今できることをしていかなくてはならないと思いました。都市部では快適に過ごすためにエアコンを使うことで、周囲の温度が上がってしまい、そのためにさらにエアコンを使うはめになるという悪循環もあります。今までは快適さだけを求めてきましたが、これからは長い目で見て多少の我慢をすることも必要なのかもしれません。

現在日本は世界第4位のエネルギー消費国だそうですが、資源に乏しいためエネルギーをつくるための原料の大半を輸入に頼っているそうです。欧州には石油危機や環境の悪化などの影響もあり、環境先進国がたくさんあります。日本も一日も早くこの環境先進国の仲間入りし、そしてこの環境先進国のリーダーになって欲しいです。そのためにも、地球環境のためにも、私たちができることはたくさんあります。「One for all, All for one.」ですね!

昨日つくばの国際会議場であった青年海外協力隊の応募説明会の個別相談員をしてきました。希望とやる気に満ちた若い人たちから元気をもらってきました^^私はよくバヌアツの現地の先生たちに「算数はstep by stepだよ!」と言っていました。そうか!人生もstep by stepなんだよな(^^)今できることを急がず焦らず確実にがんばろーっと\(^o^)/

素敵な一週間を♪ではまた!Ale!(^o^)/


写真は首都ポートビラの近くにあるエラコールアイランドというところへ後輩隊員と遊びに行ったときの写真です。この桟橋は満潮時には完全に水没してしまいます。地球温暖化の影響を目の当たりにしました。桟橋の対岸のこのエラコールアイランド自体満潮時にはほぼ水没してしまいます。

no.97 10.6 祖国日本へ

2009-10-06 03:17:57 | Weblog
みなさんご無沙汰しています!私は9月22日に無事日本へ帰国し、今は茨城の実家で生活しています。帰国直後はJICAの帰国研修やセミナー等でバタバタしていました。私は帰国したのですが、この「ばぬあ通信」は100号で完結!あと残り4回お付き合いしていただければ幸いです。

実は私は帰国の前後数日間、体がだるく気持ちが悪くなったりめまいが出たりと、今まで味わったことのないような体調不良に苦しんでいました。帰国して約2週間、なぜあのときあんなに体調が悪かったのかな?とずっと考えていました。食べ物?水?カバ?帰国前に首都で贅沢しすぎたから?などなど思い当たる節がありすぎてその直接的な原因は今もわからないのですが、今思うとあの体調不良の原因は自分がバヌアツを去り、日本へ帰るという現状を理解しきれなったことが原因だったのではないかと思っています。

帰国間際まで活動に追われていて、「帰国するんだ」という気持ちになることのないまま帰国当日を迎えてしまったことで、心はまだまだバヌアツにいるのに体は日本へ向かっているという心身がねじれたような状態になっていたことがあの体調不良の原因だったのではないかと思います。今でもどこかバヌアツでの活動の続きをしたい、しなくては、という気持ちになります。私なりにできることをやり遂げたつもりでいましたが、タンナJOCVのみんなからタンナの話を聞いたりすると「おれもそこにいたいなぁ」という気持ちになるし、「おれはもっともっとやれたんじゃないか、本当に全力でやってきたのだろうか。」と考えてしまいます。

ロカタイ村に帰りたい、ロカタイの家へ戻っていつものように暮らしたい、と思うこともあります。正直なところ、今自分が日本にいることに違和感があります。でもそれは時間の力を借りながら解消できると思っています。真新しい革の製品が最初は硬く味気なくても、時間が経つことで馴染み味わい深くなっていき、そして自分だけのものになるように。

大切なことは場所ではなく、自分自身。今ここでできることをまた精一杯一つずつやっていこうと思います。

サモアやインドネシアでは大地震によって甚大な被害が出ているそうです。被災した方々に心からお見舞い申し上げます。幸いタンナでは大きな被害はなかったようです。微力ではありますが、私も日本から被災地の人たちに何らかの支援をしたいと思っています。

ここ数日関東地方はさえない天気が続いていますが、気持ちはハツラツ!・・・となるように頑張るぞー♪ではまた!Imam!(^o^)/


写真はロカタイ小学校でのお別れ会のときの3年生の男の子たち。一番手のかかった子達でした。おーい、みんなちゃんと勉強しているかぁ^^