ばぬあ通信 ―バヌアツ共和国 青年海外協力隊活動記―

青年海外協力隊としてバヌアツ共和国タンナ島で小学校教諭として2007年から2年間活動しました。未知の世界をあなたへ☆

no.55 11.30 バヌアツ全州での算数ワークショップ

2008-11-30 23:05:47 | Weblog
みなさんこんにちは!早いものでもう12月。配属先のロカタイ小学校は11月26日に雨の中で終了式を迎えました。私の今年1年はあっという間の1年でした。今日はこの1年で私たちバヌアツJOCVの算数教師たちが行ったバヌアツ全州での算数ワークショップでの活動についてお伝えします。

JICAには途上国の人を日本へ呼び、日本国内で研修を行う制度があります。今回私たちJOCVが参加したこの算数ワークショップは、日本で研修を受けたバヌアツ人が日本で学んだことをバヌアツ国内で広めるためのワークショップです。そのフォローアップと言う形で私たちは参加しました。

フォローアップと言っても、実際のところは運営・準備等をすべてJOCVで行うため非常に大変で、計画性がないバヌアツ人との協働はとてもスリリングでした。私はこのワークショップの中で時間をもらい、「算数の授業に文章題を取り入れよう」ということと「正しい四則計算の方法」を現地教員たちに伝える活動をしました。バヌアツの算数はただ教科書にある計算問題を解くだけ(とはいっても教師でさえ正確にはできないことがほとんどですが・・・)なので、算数を生活に生かすという考え方自体が教師にも子どもにもほとんどありません。私は教科書の問題から文章題をつくる方法や指導法、また算数は生活を助けるツールだということ、私たち教師は子どもが算数を生活で生かせるように指導していこう、ということを伝えました。

今回のバヌアツ全州でのフォローアップワークショップに参加したことで、バヌアツの島々をまわりバヌアツの実態を見ることができたことと、自分が思うようにビスラマ語で説明等ができたことはたくさんあった苦労の中から得られた収穫でした。収穫があった反面、ワークショップに参加することで必然的に任地を離れる時間が増えることになり、タンナで指導に当たる時間が少なくなってしまいました。なので、来年はなるべく任地を離れず、タンナの教員・子どもたちとすごす時間を増やしたいと思います。

今年も残り1ヶ月。しっかり健康管理をして元気に年末年始を過ごしたいです。と言うのも、私は先々週一週間は高熱と激しい頭痛で寝たきりでした(+_+)バヌアツでの新記録39.7℃を達成(^^ゞやはり健康第一ですね。来週末に首都での算数部会と隊員総会のため上京します。あぁ近代的な暮らしができる♪みなさんもくれぐれも体を大切に!ではまた!Ale!(^o^)/


no.54 11.13 2回目の・・・やっちゃった!

2008-11-13 23:01:34 | Weblog
みなさんこんにちは!ご無沙汰しています。先週ついにバヌアツ全州を回って行っていた算数ワークショップが無事!?にすべて終了し、帰タンナしました。そのワークショップの模様は次回のばぬあ通信でお伝えします。今回のばぬあ通信は・・・2回目の「やっちゃった!」です(^^ゞ

前回は不注意から右手の親指を失いかける「やっちゃった!」でした。その親指も多少の違和感はありますが今はすっかりよくなりました。さて今回の「やっちゃった!」は・・・「モグモグモグ・・・カチッ!アイタ!なんだ??」そうなんです。なんと食事中に右下の歯の銀歯が外れてしまったんです(*_*)幸いにも外れた銀歯は飲み込むことなく回収することができました。さぁどうする??もちろんタンナで歯の治療なんてできるわけがありません。しかし、幸いにも銀歯が外れた週の翌週に他の島で行うワークショップのために首都へあがる予定だったのでその予定を少し早め、その週の週末に上京することにしました。事務所にもその旨を伝え、航空券を予定よりも早めに押さえてもらい、外れた銀歯をもっていざ首都へ!!!

バヌアツには近代的な治療ができる歯科医が一人だけいます。彼はベルギー人で彼の歯科医院がバヌアツ唯一のプライベートドクターの歯医者さんです。早速首都についた日の翌日、事務所の調整員さんが電話予約をしておいてくれたので彼の歯科医院へ行ってみると、奥から陽気な中年の男性が出てきました。しかしいきなり「明日の10時にきてくれる?」といわれ、まぁ急ぐこともなかったのでOKするとこう言います。「君のファミリーネームはイトウなんだね!僕はね~17年前にもイトウっていう日本人を治療したことがあるんだよ~。他にもたくさんの日本人の歯を治したことがあるから安心してね~。じゃ、明日ね~♪」なんて陽気な人(゜゜)!・・・というわけで、翌日10時に行くと待ってましたとばかりに治療開始です。治療室の機材は古めかしい感じがしましたが、使う道具や雰囲気は日本の歯医者さんと同じで少し安心。彼はとにかくおしゃべりが好きで、治療しながら「欧米人とアジア人の歯の違い」の話や「日本の銀歯は世界一!」の話などを面白おかしくしてくれました。「僕はね、ヨーロッパ製の新しい治療用の機材をフルセットでもってるんだけど使わないの。だって日本製が一番だからね~」「日本製のイス(患者が治療時に寝る台)に、日本製の銀歯に、日本製のセメントに、日本人の患者。あー!医者の僕だけベルギー人だー!!」と冗談をとばしながら楽しそうに治療をする愉快な先生に私はすっかり彼に魅せられてしまいました^^実際の治療が始まると、彼はとても丁寧で確かな腕をもったすばらしい歯医者さんでした。私の銀歯が外れた理由を考え、銀歯に細かい調整を加えながら元通りに治してくれました。

タンナで銀歯が外れたときは「どうしよう!?」と一時思いましたが、こうして愉快で楽しい信頼のできる歯医者さんと出会うことができ、彼の楽しい話を聞くことができたので、今思うとこれもとてもいい経験になりました。そして、日本製の機械がいかに優秀かということを外国人の彼に教えてもらい、改めて日本は世界一のものづくりの国なのだと感じました。

さぁ、歯が治ったところでバヌアツで2番目に大きな島マラクラ島へ!今年最後のワークショップのため出発です。この算数ワークショップは全6回行われました。次回はその様子についてお伝えします。

うーん、人生は一期一会だなぁ♪ではまた!Ale!(^o^)/

写真はバヌアツ唯一の愉快な歯科医の先生と、自慢の日本製の治療台です。治療用のイスには「MIYAKO」と書いてありました。帰国前にもう一度彼に会いたいな^^