ばぬあ通信 ―バヌアツ共和国 青年海外協力隊活動記―

青年海外協力隊としてバヌアツ共和国タンナ島で小学校教諭として2007年から2年間活動しました。未知の世界をあなたへ☆

no.29 2.26 バヌアツの学校と算数

2008-02-26 14:29:59 | Weblog
みなさんおはようございます!
今日のタンナは朝から大雨で、いつもならすでに子どもたちが登校してくる時間なのですが職員はもちろん、まだ誰も学校には来ていません。どうやら聞いていた通り雨が降ったら学校は休み!?

今日はタンナの学校と算数についてお話します。バヌアツの小学校も日本と同じ無償をうたってはいますが、実際はスクールフィー(授業料)を集めています。代金は1学期間1000vt(1100円弱)で年間3000vtです。学校はプライマリー(小学校)が1から8年生まで、セカンダリー(日本で言う中学校、高校)が9年生から15年生まで、その後が大学となります。プライマリー、セカンダリーは以前お話したように英語系と仏語系があり、往々にして仏語系の学校のほうがレベルが高いようです。タンナについて言えば、ブッシュの奥に住む村などには小学校に行っていない子どももたくさんいるし、授業料を払えないために学校へ行っていない子どももかなりいるようです。セカンダリーへ行っている子どもはナショナルイグザム(国の統一テスト)で一定の点数以上を取った者で、学校によってまちまちですが、プライマリーよりは高い授業料を払える家庭の子どもだけになります。セカンダリーでは授業料が払えなくて退学していくという話も聞いたことがあります。小学校にも学年末試験があって、その成績が悪いと留年し同じ学年でもう一度一年間勉強することになります。なので、4年生といってもかなり大きい4年生もいるし、8年生だとすでに大人にしか見えない子どももいます。かと思えばまだひよこのような、どう見ても幼児にしか見えない1年生もいます(^^ゞバヌアツでは留年は恥ずべきことではないようで、私が見る限りかなりの子どもが留年をしているし、「この子は卒業するまで何年かかるのかな・・・」と心配になる子どももいます。しかし、急がず騒がず、がバヌアツスタイルのようです(^^)

私はバヌアツ・タンナ島の小学校で算数のレベルアップのために活動しています。しかし現実は厳しく、算数科の指導以前の問題もたくさんあり、日々頭を悩ませているわけです(-_-;)ただ授業をするだけならさほど難しいことではないのですが、私が去った後のことを考えるといかに現地教員に技術移転・供与を行うかが鍵になります。それが難しい。きっと私はこれについて2年間悩み続けていくのだと思います。

タンナのお店であった不思議な(おかしな?)話。
さて問題です。1kg160vtのお米があります。このお米を5Kg買うと代金はいくらでしょう?想像してください。1kgの小分けの袋で5つ買うよりも、大きな5kgの袋を1つ買ったほうが安いと思いますよね?日本なら間違いなくそうだと思います。そうでないとしても単純計算したら160×5=800で800vtとなり、市場原理から言えばそれよりも安くなるはずです。しかし!そう思って値段を聞かずに5kgのお米を買ってみたところ850vtでした!つまり、850÷5=170 1kgが170vt!!まとめ買いしないほうが安いのです(>_<)簡単な計算がすぐにできるバヌアツ人はそうはいません。きっとこのおかしなからくりに気がついている人は誰もいません。たぶんお店の人も気がついてはいないでしょう。それがバヌアツなのですね。向かい合わせのお店で同じ品物の値段が2倍以上違うなんてこともめずらしいことではありません。アジア・南太平洋諸国では華僑が商業の実権を握っていることが多く、バヌアツもそんな国の一つです。しかし、タンナのあるタフェア州だけは華僑対策として外国人は商売ができない取り決めになっています。なので、算数が苦手(できない?する必要がない?)なバヌアツ人が商売をするとこういうことが頻発するのです。バヌアツで暮らしていると買い物くらいしか数字と接する機会はないのに、その買い物でもこんな状態。うーん(-_-;)

小学校で教えている限り、子どもの能力は同じ年齢の日本の子どもと比べてもそんなに低いとは思いません。それよりも教員が有効な方法で指導できないということを日々ひしひしと感じています。算数がないような国で生活すると思っている以上に初等算数が大切で生活に役立っていることがわかります。この思いが現地教員たちと共有できたらいいなぁ、なんて思う朝なのでした。

さて、人の声が聞こえだしましたが学校はあるのでしょうか??とりあえず外の様子を見に行こうと思います。・・・このままなしでもいいんだけど・・・なんーて(^^ゞ(この後雨は上がり、しっかりいつも通り授業ができました♪)

ではまた!Talaokam!(^o^)/(タラオカム 村の言葉でまた明日ね!という意味です)

写真はタンナのマンゴーです。そろそろ果物の時期も終わりです。すでにパイナップルはマーケットから姿を消しました。マンゴーは買うこともできますが、道に落ちているので拾えば食べられます(^^ゞ味は抜群です♪聞くところによると、マンゴーは時期が3回来るそうで、今がちょうど3回目の終わり。ちなみにバヌアツ人はマンゴーは皮ごと食べます。道を歩いている人のほとんどはマンゴーをかじりながら歩いています。そんなマンゴーともそろそろお別れです。ちなみにマンゴーの隣に移っているのは非常用ハンドマイク。使ったことはないし、今はベッドの下に入れてしまいましたが、こんなものも事務所から借りることができます(^^ゞ

no.28 2.25 報告書

2008-02-25 14:24:37 | Weblog
みなさんこんにちは!いかがお過ごしですか?
最近タンナは朝夕の冷え込みが激しくなってきました。いつもタオルケットをかけて寝ているのですが、寒くて起きることもしばしばです。(タンナで買ったタオルケットはなぜか小さめで、かけると肩か足のどちらかで必ず出てしまいます(^^ゞ)今朝はなんと息が白くなりました!!しかし、日中は暑く日差しも強いです。特に昨夜は冷え込んだので、今夜からは薄手の毛布を使おうと心に決めています。

今回はJOCVがしなくてはならないことの一つ、報告書について話したいと思います。私たちJOCVは2年間の任期の間に計5回の報告書を作成し提出します。赴任3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、24ヶ月を目安に報告書を作成し提出しなくてはなりません。実際には赴任後約一ヶ月の現地訓練報告書も提出しているので、計6回となります。私もつい先日最初の報告書が完成しました。私は昨年の9月25日にバヌアツ入りしているので本来ならば1月頃に第1号報告書を作成しなくてはならないのですが、その時期12月から1月末までがちょうど学校の長期休業中だったため、校長をはじめ全職員が自分の村へ戻ってしまい、報告書作成に必要な情報を得ることができませんでした。そして新年度が始まり、校長に資料等を借りることができ、私の活動も本格的に始まったので報告書を作成することができました。

第1号報告書では、配属先の概要として事業内容、組織図、予算状況、同僚の技術レベル及び意欲、配属先の援助受入実績などを記載します。他に配属先のニーズ、今後の計画、任国の印象なども記載します。なぜ報告書を作るのかというと、その目的は
①ボランティア自身が自己の活動の管理及び評価を行う。
②事業関係者が情報を共有する。
③情報を広く国民へ開示する。
の3つです。私は今回実際に報告書を作ってみて、自分の活動の管理や評価をする上でとてもいい機会になりました。文字にすることで自分の考えを確認することもできるし、これからの計画も具体的になります。何事も「やらなければならぬ」と考えると、どうしてもおっくうになってしまいがちなのですが、実際にやってみるとそんなに大変じゃなかったり、思わぬ成果が上がることはよくあることです。私もこの報告書作成でそれを改めて感じました。この感覚はきっと万国共通だと思います。いかに現地人と協力していくかがJOCVの活動が成功するかどうかの分岐点です。現地人にとって、私との活動が「ねばならぬ」とならないように、いつも明るく、目標をしっかりもち、時には冗談も交えながら楽しく活動していきたいです。実際の活動が始まり、悩んだり考えたりすることも多くなってきました。たくさん悩んで、たくさん試行錯誤を繰り返しながら私がこの地を去るときに少しでも成果を残せたらと思います。

今日は朝からいいことがありました。朝起きて外に出たら道を歩く若者が声をかけてきました。彼はこれからパンを買いに行くといいます。私の家の近くにパンを売る小さなお店があるのですが、どんなに早起きしても最近は買うことができません。今朝も変えませんでした。朝6時前には売切れてしまうのです。ためしに彼と一緒に歩いていつもとは違う店に行ってみました。するとパンを売っているではありませんか☆お店のお母さんに聞いたところ毎日パンを売っているとのこと!!やったー!\(^o^)/これで毎日パンが食べられる♪はず!持って帰って食べたら、いつも食べていたパンよりもおいしい(^^)うちには冷蔵庫や食品を入れておく棚などがないので、傷みやすい食品の保存ができません。なので毎日パンが買えるというのはとてもうれしいことです。今日の発見は暮らしを変える大事件でした(^^ゞ明日の朝が楽しみです。最近は野菜が減りつつあり、毎日ツナ缶かオイリーなコンビーフを夕ご飯に食べています。今日は月曜日。マーケットがあります。いい食材がゲットできるかな♪

食は生きる源ですね!タンナで毎日実感しています(^^ゞ厳しい環境でも豊かな環境でも楽しむことはできる、すべては自分次第(^^)vみなさんと私の今日がすばらしい一日になりますように☆

追伸 前回電話の話を書いたのですが、その翌日から村の電話が完全に壊れてしまいました(+_+)新しい電話機が来ない限り使えそうにありません。復旧はいつになることやら(-_-)なので、今はメールチェックもたまにしかできません。今日もこれから炎天下の中40分歩いて電話まで行きます!早く村の電話が使えるようになりますように☆(^o^)/

写真は今日授業をしたロカタイ小学校の3年生です。元気いっぱいです(^^)v


no.27 2.16 タンナでの通信手段

2008-02-16 14:11:11 | Weblog
みなさんこんにちは!いかがお過ごしですか?
バヌアツ・タンナ島はここ数日まとまった雨は降らず、今日も暑い暑い(>_<)先週末に念願のタンナ帰島を果たし、今週から授業を開始しました。久々に週末が待ち遠しかった(^^ゞまだ勝手が分からず、毎日準備に追われながらこの一週間を過ごしました。あんまり暑くて難しいことは考えられそうにないので、今回は私がいかにして外界?と通信をしているのかをお伝えします♪

私の住むロカタイ村には公衆電話が一台あります。公衆電話といってもただ家にあるような電話が路上にあるだけ(^^ゞ電話をする場合は首都か大きいストアーでテレフォンカードを購入します。テレフォンカードは日本とは違い、カードに書いてある番号を電話をかけるたびに打ち込み、その後相手の番号を打ち込み話をします。度数がなくなったら終わりというのは日本と同じです。では、インターネット(メール送受信)はどうやっているのか??バヌアツの通信会社はTVL(テレコム バヌアツ リミテッド)一社しかなく、独占状態のため、料金が高く、また対応もよくない・・・でもそれしかないというのが現実です。私ももちろん選ぶ余地はなく、バヌアツ入りしてすぐ、首都にいるときにTVLでダイヤルアップ月5時間のプランを契約しました。では、実際にどうやってインターネットにつなぐのかをお話します!
①家から歩いて50mほどの公衆電話までパソコンを持っていく。(突然の雨に十分気をつける)
②電話の周りに使っている人、使いたい人がいないかを確認する。(速度が遅いためメール送受信に多くの時間がかかるので、
他の村の人が使っているときは使わないようにしています)
③公衆電話の電話線をぷちっと引き抜き、パソコンに挿す。通信速度は16.8kbpsと超スローです。
(ロカタイは他の地域の半分か3分の1の速度(-_-;))
④ダイヤルアップでLet's 送受信♪(画像等の大きいメールが来ると1時間以上かかる場合も(>_<))
⑤メールが来ていたらルンルン♪スキップで帰宅。家でゆっくり読む(^^)
といった感じです。実は昨日まで村の電話が壊れていて使えなかったのですが、今日は使えるそうなので後で送受信しに行こうと思っています(^^)vバヌアツでは携帯電話も使うことができます。ほとんどの隊員は携帯電話と固定電話を支給されています。固定電話がない場所では無線機、また離島には一台衛星携帯電話も支給されています。んが!!なぜか私だけ通信手段なしなのです!村の公衆電話が唯一の通信手段・・・なので、急用の場合などは村の電話にかかってきます。そのときは誰かが電話を取ってくれて「Tetsuya!Telephone!!」と大声で呼ばれるか、家まで電話が来たことを伝えに来てくれます。あとは電話までダッシュ!それで話せるときもあれば、かけなおしたりかけなおしてもらったりしてやっと話せるといった感じです。悲しいかな、隊員で携帯電話をを支給されていないのは、タンナにいる2名の隊員のみ、また家に通信手段がないのはなんと私だけ(ーー;)愛されてないなぁ・・・なんて思うこともありますが、今思えば通信手段なしという生活もしがらみがなくていいかな♪なんて思っています(^^ゞ村の電話は国際電話もできますので、お暇なときにはぜひお電話くださいね☆

番号は678-68779です(^^)v
"Telphone long Japan!Mi wantem toktok Tetsuya!!"(テレフォン ロン ジャパン!ミ ウォンテム トクトク テツヤ!!)「日本からの電話だよ!私は徹也と話がしたい!!」といえば、誰かが私のところへ飛んできてくれるはずです(^^)人によっては英語も通じますよ!ちなみに私は実家と電話するのは首都にいるときにスカイプを使っています。便利な世の中です☆次は肝炎の予防接種のため3月中旬に首都へ行くので、パソコンがあって都合が合えばスカイプしましょう♪

今日うまく送受信ができるといいなぁ。これから公衆電話へ行ってきます♪ではまた!Imam!(^o^)/

写真は送受信中のパソコンとテレフォンカードです。

no.26 2.6 胃潰瘍は痛いよう(>_<)

2008-02-06 14:03:42 | Weblog
みなさんこんにちは!
ついこの前年が明けたと思っていたのに早いものでもう2月。みなさんお変わりありませんでしょうか?というのも、年末からの体調不良が良くなったと思いきや一ヶ月くらい前からずっと気になっていた胸の痛みがサモア研修中からひどくなり、帰国後、首都にいるついでに病院へ行ってきました。

血液検査の結果は特に異常はなかったようですが、ここバヌアツでは十分な検査はむずかしく、また納得するような診察、診断はしてもらえません。尋常でない痛みに恐ろしくなり、恥ずかしいと思いながらも調整員さんに相談しました。日本にいるJICAの顧問医さんがいろいろ考えてくれ、その結果どうやら私の胸の痛みの原因は胃潰瘍のようです。今ではおかげさまでずいぶん体調もよくなり、延期になっていたタンナ帰りも今週中にはできそうです。日本で胃の病気になったことなどなかったし、ましてや胸の痛みなど感じたことはありませんでした。動悸が激しかったし、左胸を中心に背中まで強い痛みがあったので、心臓のトラブルかなとも思っていました。日本にいるときには全く味わったことのないような、胸の痛みに驚き、一時帰国も考えたし、明け方、今までに経験のない強い痛みを感じたときには、正直、死を覚悟した瞬間もありました。(ちょっと大げさですね(^^ゞでも本当です。)でも、スタッフや仲間に支えられ、励まされながらなんとか生き延びられそうです☆

医者にかかるとか、調子が悪いといって自分の健康管理ができないことをおおっぴらにするのはかっこ悪いし、今回の件でも調整員さんに余計な手間をかけてしまったと恥ずかしく思っていたら、調整員さんは「これが私の仕事だから」と言ってくださいました。また、同じタンナで活動している先輩隊員は「体調を崩すのも活動のうちだと思って早く良くなってね」と言ってくれて、とても気持ちが楽になり、周りに恵まれていることを実感しました。まるで自分のことのように心配してくれる仲間もいて、あらためていろいろな人たちに支えられて活動ができるんだなと思いました。家族も心配にも心配をかけてしまったな、と思うのですが、スカイプ(インターネット回線をつかった電話)をしたときに「体調崩して日本へ帰ってきたら私バヌアツへ遊びにいけないジャン!私が遊びに行くまで頑張ってね♪」と言ってくれた母のやさしさ(一般的な愛情表現ではないかもしれませんが、これが母と私のスタイルなのです(^^)v)もとてもうれしかった。どんな大変だったことも「喉元過ぎれば熱さ忘れる」私なので、今となれば今回のシリアスな体調不良もいい経験だったかな(まだ終わっていませんが・・・)と思っています(^^ゞ

明日、事務所で新しい薬をもらい、できれば木曜日の朝にはタンナへ帰りたいと思っています。当初の予定から約2週間も帰りが延びてしまったので、きっと村のみんなも心配していると思います。いきなり全快することは難しいかと思いますが、ゆっくり直しながらタンナで楽しく暮らしたいと思います。日本にいるときもそうですが、体調を崩すと健康であることのすばらしさを感じますね。みなさんもお体大切にお過ごしください。ではまた!!Ale!

写真は今私が毎日料理をしている地方隊員が首都滞在中に泊まるドミトリーのキッチンとタンナの我が家のキッチン。便利な暮らしに慣れてしまうとタンナへ戻ってから大変なんだよなぁ・・(>_<)