ばぬあ通信 ―バヌアツ共和国 青年海外協力隊活動記―

青年海外協力隊としてバヌアツ共和国タンナ島で小学校教諭として2007年から2年間活動しました。未知の世界をあなたへ☆

no.48 7.19 物価急上昇と政治の力

2008-07-19 09:37:50 | Weblog
みなさんこんにちは!今日のタンナは朝からとてもいい天気です♪怪我さえしてなければ最高の週末なのですが・・・なさけなや(-_-;)指のほうは順調に回復しているようです。来週中には抜糸できるのではないかと思っています。

今日はバヌアツで全国的に起こっている物価の急上昇についてお伝えします。バヌアツでは今月に入り、突然お米の値段が約2倍に跳ね上がりました。お米に限らず、あらゆるものの値段が私がバヌアツに赴任した昨年の9月よりもかなり高くなりました。私がバヌアツにいるこの約10ヶ月で値上がりがひどいものをいくつかあげてみます。
   
米1kg 100~120vt → 250vt
パン   20~30vt  → 40~50vt
電気のカード 1560vt → 2060vt
(左 昨年10月の値段、右 今年7月の値段 1vt=約1.2円)

のように、生活に欠かせないものがどんどん値上がりしています。都市でも離島でもこの傾向には変わりはないようです。しかもタンナにおいてはお米は品薄状態で、お金があっても手に入れることが難しい状況にあります。いくら計算ができないバヌアツ人とはいえども、この値上げにはみんなおかしいと気が付きだしているようです。タンナには中国人はいないのですが、首都をはじめ他の島では中国人が営む商店が庶民の生活を支えています。中国人が商業の中枢を握っているという実態から考えても、このまま物価上昇が続くと中国人へ不満の矛先が向くことは避けられないと考えられます。首都では今治安の悪化が問題になっているので、この急激な物価の上昇がこれに追い討ちをかけるような事態にならないことを願うばかりです。ただでさえ物価の高いバヌアツなので、このままさらに物価が上がり続けると私自身の生活もかなり厳しくなります。

また、今年10月には4年に一回の大統領選挙があります。各政党がにわかに動き出しているようです。これが庶民の生活にどのように影響するのか全くわかりませんが、この国に大きな変化をもたらすことは確かです。どの政党も生活水準の向上や教育の充実を謳っているようです。2年という私の任期中に4年に一度の大統領選挙を経験できるのは貴重なこと。国家が選挙によってどのように変わっていくのか、しっかりこの目で見て、感じたいです。日本では「誰が政権をとっても大きく変わらないから政治に対して関心がない」という声を聞きますが、それは逆に考えれば誰が政権を取っても今の生活が大きく変わる心配がないということなのだと思います。日本にも大変なことはたくさんあるのですが、やはり日本は安定した国なのだなと感じます。この10ヶ月でも大きく変わったバヌアツ。この先どうなるのかが楽しみであり、不安でもあります。

今日のお昼は先日バヌアツに住む日本人の方から頂いたレトルトカレーでした♪いやー日本の食べ物は何を食べてもおいしいなぁ(^^♪日本ではガソリンがリッター180円だそうですね!いやーオドロキです。ちなみにタンナでは軽油がリッター約320円、首都で約200円(バヌアツではほとんどの車がディーゼル車です)。タンナでは近々リッター約380円に値上げするそうですよ(*_*;こりゃ大変だ!では、よい週末を!Ale!(^o^)/

no.47 7.16 やっちゃった!いざタンナホスピタルへ!

2008-07-16 09:34:26 | Weblog
みなさんこんにちは!日本は夏が来た!!といった感じでしょうか。タンナはほぼ毎朝雨が降りますが日中はいい天気です。8月から始まるバヌアツ全州でのワークショップの準備を約1週間首都で行い、土曜日にタンナへ戻りました。やっぱりタンナはいいなぁ(^^)v

今日はタンナの病院について・・・というよりは私の体験記をお伝えします。今私は左手だけでメールを打っています。というのも、今朝ちょっとした不注意から右手の親指を切ってしまったのです。今日は私の任地ロカタイ小で地域の教員が集まり会議をしています。そのため今日は授業はなく、私は朝から畑へ行こうと思っていました。その準備でマイ ブッシュナイフを研いでいたときに恥ずかしいことに右手の親指を深く切ってしまったのです。切った瞬間にかなり深く切ってしまったことがわかりました。とりあえず消毒し、ガーゼで患部を圧迫止血しました。そして深呼吸。Stop,Thinking and Action. これが救命救急の基本です。私は深く開いた傷口を見ながら考えました。結論、「こりゃ、縫わなきゃダメだわな。」道へ出て病院へ行くための車を拾おうとしたのですが、今日はマーケットがない水曜なので車が走っていない!その上、こんな時に限って車は止まってくれないもので、3台もの車に振られがっかりしているところへバスが!バスに乗ってからものんびりバスなのでなかなか病院へは着かず・・・事故から約40分後、やっと病院へ到着。「指を切った」といったらすぐにバヌアツ人ドクターが診てくれました。ガーゼを取るとかなりのペースで出血が。ドクターはすぐに「麻酔をして縫おう」と言ってくれました。しかし!処置用の手袋が見つからずみんなで大捜索!!!無事手袋も見つかり、麻酔を打ち、縫合。結果、二針縫ってもらい処置終了。病院のみんなはやさしく、ドキドキしましたが無事縫い合わせてもらうことができました。治療費は500vt(約600円)。化膿止めと痛み止めをもらい家に帰りました。そして今こうしてばぬあ通信を書いているのですが、まだ麻酔が効いているのでこれが切れてからが痛みとの勝負になりそうです。うーん、だんだん痛くなってきたぞ~(*_*;

タンナの病院にはレントゲンもあり、設備は途上国の離島としては整っているのではないかと思いました。きっとこれも先進国からの援助によって設置、運営されているのだと思います。いやー病院があってよかったー^^先進国の援助の恩恵を私が受けるなんて思ってもみなかったなぁ。帰りのバスの中で隣に座っていた男の人に指のことを聞かれ、「切っちゃったから縫ってもらったんだ。」と言ったら、「病院よりもカスタムメディスン(主に葉っぱで作る薬。民間療法)が効くぞ!」と真顔で言われました。やっぱりここはタンナ(^^ゞ古きと新しきが混在している、それがタンナの現状だと言えます。タンナの病院は初体験でしたが、これもいい思い出になりそうです(^^;

おおーかなり痛くなってきたー(>_<)!みなさんも思いがけないケガに気をつけてくださいね!ではまた!Imam!

写真はタンナのレナケルホスピタルです。