てっしーずのおでかけ日記

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越境する日本人---工芸家が夢みたアジア 1910s―1945

2012年08月11日 | 都内のおでかけ
越境する日本人---工芸家が夢みたアジア 1910s−1945
2012年4月24日(火)-7月16日(月)
東京国立近代美術館 工芸館
http://www.momat.go.jp/CG/ekkyou2012/index.html

7月になって2度同じ企画展を見てきました。
本館の方とセットで2度見てきたのですが、結構地味な展示なのでどちらも空いていました。
とはいえ、こちらの展示は「民藝」や「アジア主義」を扱ったタイムリーな企画展。
工芸館でなく、本館で、もっと大々的な企画展にしていれば、かなり話題になったと思います。
どうも工芸館は建物のインパクトばかりが大きく、展示数が少なく、企画展の内容も変わり映えしないという悪いイメージが先行している気が。

東洋の工芸文化を西洋から守るべく生まれたはずの「アジア主義」という言葉が日本の目指したアジア支配とどうつながり、どう対立したのか、非常に興味深いところです。
この展示でその辺の事情を深く掘り下げる、というところまではいっていませんが、「アジア主義」を考える上でヒントとなる作品を広く展示していました。
浅川兄弟はもちろん、川瀬巴水や川喜田半泥子の作品も展示されています。
今回はその第一弾として、何年かかけて「工芸から見たアジアの歴史」シリーズをぜひやって欲しいなあ。

この展示を最初に見に行ったのが偶然、水曜日で「タッチ&トーク」というイベントを行っていました。
スタッフの方次第で、毎回、内容が異なるらしく、この日は器の種類や作り方の話が中心。
他の参加者の方々はどうやって、こんな作品ができるのか、に興味深々という感じですが、どうもその方面に興味がない私は退屈なのを悟られないように、とだけ考えて無事イベントの終わるのを待っていました。
参加者が5、6人だったから、やる気のないのが目立ちそうだったんですよね。
作品に実際触れることができるというのはすごいことなんだろうけど、どう触ればいいのか困ってしまうし。
椅子の展示なら、すぐ座り心地を確かめたくなるんだけど。
NHKの美術番組でも、どうやって、こんな色を出したのか、とか、この絵はどうやって描かれたのかなんて、ことを取り上げていますが、そういうのは退屈で仕方がない。
実際の手の動かし方や技術よりも、その人がなぜそういう方向に向かったのか、なぜ違う方向に向かわなかったのか、ということに興味があるんですね。
とはいえ、そんな人間はごく一部で、今はいろんなことを自分でもやってみたいという人が多いんだろうなあ、と思ったのでした。(ひ)