
野口師の弁:”実際、風邪くらい厄介なものはない。”
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整体の創始者野口師に そう言わしめる理由は、
なんだろう?
”風邪をひくと、たいてい体が良くなる”一方、
それが、他の病気に変化したりして、油断が
できない面があるからだろうか?
整体師として、それぞれの人固有の、”体癖”が
理解されないと、風邪に対する適切な処置が
難しいということも理由だろう。
ところで、死体と生体の大きな違いとは何か?
というと、
弾力性をもっているか否かだろう。
生きている我々でも、人によっては、弾力性が
大きい人と、そうでない人がいる。
筋肉の伸び縮みの幅が大きいければ大きい
ほど、弾力性があるといえる。
だから、普通は、老いに随い、筋肉が固く
なり、縮まり、弾力性も失われていく。
さて、野口師は、それに関して、面白い観方を
されている。
昨日まで元気だったのに、突然、脳溢血や
脳梗塞、心臓病で、亡くなる人をよく、観察
すると、共通点があるという。
丈夫そうに活動的だった半面、そういう人の身体
の弾力性は、すこぶる悪かったという事実である。
なぜ、”弾力性”がないと、ぽっくり行きやすい
のだろう?
①”弾力が無い”ということは、”疲れている”の
別称でもある。
②”疲れている”ということは、自分自身の身体の
”異常感を感じられない”ということでもある。
③”異常感を感じられない”ということは、結局
”身体の感覚が鈍くなっている”ということだ。
④”疲れへの感覚が鈍くなっている”から、本来、
休息が必要なサインを身体がだしていても、
無理を重ねてしまう。
⓹無理を重ねても、”平気”だから、自分は”大丈夫”
だと ますます、勘違いする。
⑥そして、反比例して、身体の弾力性が、落ちて
いき、免疫力や、身体の生理機能も低下していく、
悪循環ができあがる・
ある日、ついに、極点に達して、ばったり倒れる
結果になるという。
先日、”風邪の効用”について触れた。
”風邪をうまく経過させる”ことで、こうした、
鈍くなった部位に”弾力を取り戻すことができる”
ことが、風邪の最大の効用だということ。
野口師は、こう言っている:
”(風邪をひくと)血圧が高い人は、血圧が低く
なってくる。
血圧が低くなるというよりは、血管が柔らかく
なってくる。
血管にも弾力性というものがあって、身体の
血管の弾力がなくなって、血管が硬く張ってくる。
そうすると、疲れる。
つまり、弾力があるうちは、血圧がいくら高くても
疲れないが、血管の弾力がなくなると、破れて
しまう。
だから、血圧というより、むしろ、血管の硬化と
いうか、血管の弾力状態のほうが、問題である。”
弾力性 というのは、身体のそれをいうし、皮膚や
筋肉だけでなく、血管や、内臓、さらに、細胞にも
それは、いえることだ。
さらに、肉体だけでなく、心にも適応できるだろう。
身体が弾力ある人は、心も弾力がある。
つまり、適応力と理解力で、様々な、環境にも
対応・順応できるから ストレスも少ない。
同様に、弾力性のある身体を取り戻すことで、
疲れずらく、ストレスにも強い、状況になれる
という事だと思う。
そして、免疫力が高まり、自然治癒力が発揮され
やすい身体になる。
結果、以前より、さらに、健康体になるという
ことが考えられる。
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野口師言葉引用箇所)
引用箇所:”風邪の効用”野口晴哉著 (発行所)全生 昭和53年
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