自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

宗教の効用検証

2013年04月24日 | 健康のための心の波動

信念と宗教  平成25年4月24日

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今年の3月初めに、ある方から投稿をいただいた。

それは、宗教の効用 はあり得ないという 内容を含んだ

簡単なメッセージであった。

私自身のお答えとして、宗教の効用 という言葉は 内容と照らして

確かに不適切であり、"信念の効用" とタイトルを変えさせて

いただいたことを記憶している。

 

池見博士の著書の中で、宗教の効用 について、

書かれている部分がある。

引用する。

 

 信仰によって治る多くの病気は 神経症や機能的な

身体病変を主体とする 心身症と思われる。

病気の種類によって、正しい診断が行われず、

信仰を万能と考えるところに常に危険をともなう。

教祖や教会に対する強い依存状態ができると、

症状は一見治癒したように見えても、

精神的には、教祖や教会の奴隷になっていることが

よくある。

  

この状態になると、教会からはなれることに不安が伴い、

この不安が 信者をひきつけて離さないことにも

悪用されやすい。“

 

いただいた投書内容が、この点について触れておられると

私は理解している。

信仰の弊害 というのは、信者の油断の中で、いつのまにか、

造られてしまうこともあることを、池見教授は指摘している。

 

“’宗教という名のもとに、多様な心理療法がおこなわれて

いることが多い信心の中に、勇気や希望、前向きな

ラス思考という、病にも 効用的な 心理効果が生まれる 

事実もあるのだろう。   

それが、結果的に心理療法の一角をなすものと理解される。

   

だからといって、現在の科学で説明できない 現象がすべて

否定するという 態度をとること自体、むしろ、非科学的

ではないだろう か?” 

と 博士は述べて、現代医学が 急速に失いつつあるもの、

患者からの信頼感に対して警告をしている。

   

”すなわち、人間に本来備わっている、治癒力への信頼、

治すものと治される者との信頼関係、治療における

愛や希望の持つ力の直し、これらが、現代医学の盲点

つくもの”と 述べる。

  

さらに、

宗教や信仰は、本来、医師と患者の間に存在する信頼関係が

希薄になっているだけ、その心療的必要性は認めざる

得ないだろう。

さらに、宗教分野は、非科学的だと、境界線をひくのではなく、

総合的なあらゆる科学の検証が今後も必要になっていくだろう”

としている・

 

池見博士は人間回復を目指す医学のかなめは、むしろ、

”宗教と医学の出会い”だと、明言されている。

 

心理学会でも人間回復の心理学(humanistic phycology

脚光を浴びて久しい。

この心理学会の指針は、人間回復の医学に重要とする考え方と

共通項が見られる。

 

1.  人は人間として全体的な総合性をもち、

単なる部分(パーツ)の集合体ではない。

 

2.  人間は自分の意思があり、自ら選択する自由がある。 

自由があることは責任を負うものでもある。

それは生涯的事実であり、幼児期に個性が形成されるという

決定論からはみ出す存在である。

 

3.  人間には気づきがある。

知的解釈のみならず、体験的、直観的に把握される。

気づきを考慮しない抽象的な心理学は 観念的になりやすく

本来の人間の実態に反する。

 

4.  人間は身体と感情をもつ。 

否定的・肯定的感情に限らず、身体と感情の関係、

を見直しする必要性。

 

5.  人間は一人では充実した生活を送ることは困難だ。

本当の自分を把握するには、他者との関わり合いぬきには

難しい。

“彼に実在を与えるものは他者である” というインドの

詩聖タゴールの言葉の意味は真実である。

 

これらのポイントは心理学会の新しい流れを意味している

のみならず、人間的な 総合的診療、心身一如 を底流に

おいた、池見博士のスタンスでもあるのだと 私は理解している。

続く・・

 




池見 酉次郎(いけみ ゆうじろう)博士について:、

大正4年(1915年)612 - 平成11年(1999年)625日)

日本の心身医学、心療内科の基礎を築いた草分け的な日本の医学者。

旧制福岡中学(現福岡県立福岡高等学校)、九州帝国大学医学部卒業。

戦後、アメリカの医学が日本に流入した際、心身医学の存在を知る。

昭和27年(1952年)にはアメリカミネソタ州のに留学し、帰国後、

日野原重明、三浦岱栄らと共に昭和35年(1960年)日本心身医学会を

設立し、初代理事長になる。

翌昭和36年(1961年)九州大学に国内最初に設立された精神身体

医学研究施設(現在の心療内科に当たる)教授に就任し、内科疾患

を中心に、心と体の相関関係に注目した診療方法を体系化、実用化に

尽力した。

九州大学医学部名誉教授、自律訓練法国際委員会名誉委員長、

日本心身医学会名誉理事長、

国際心身医学会理事長、 日本交流分析学会名誉理事長などを歴任。

書に「心療内科」、「セルフコントロールの医学」などがある。

平成11年(1999年)625日肺炎のため、福岡市内の病院で死去。84歳。

 

参考)

”セルフ・コントロールの医学” s・57年9月1日 日本放送出版協会

 

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