
今日は前回の続きで、弘法大師が説く、
即身成仏する条件の第三番目の項目です。
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3,(三行目)三密加持(さんみつかじ)
”三密”(さんみつ)とは、身口意(しんくい)の三つの仏の働きをさし、
”加持”(かじ)とは、如来の示す不可思議な神通力を表します。
”加持祈祷”という言葉は、神仏の不可思議な神通力をもたらすために
病気や天変地異の災害にあたり、僧侶が祈る儀式をさし、太古から現代に
いたるまで、形は異なっても、”厄除け”などの、考え方に、受け継がれています。
ここからも、“加持”の意味が、”神通力”を指していることがわかります。
さて、弘法大師は、ここでは、即身成仏には、”加持”、という、神や仏の力が
あってこそ、という意味で使っています。
どんなに、努力しても報われない、とか、努力せずに成功した、などと、良く
聞きます。
成仏しよう、大覚に至ろう、悟ろう と一念発起しても、結局、”自分の我(が)”
を越えたところで、それが成就されるというわけです。
自分の脳裏の小さな知恵では、想像のつかない展開や転回が人生にはつきもので、
同時に、眼に見えない、”恩恵”が、天からきていることにも、なかなか、人は
気づかず、生きているものです。
誰もが、”生かされている”、 天からの”恩恵”を、今、この瞬間、受けている、
これが、”加持”の一種でしょう。
あるいは、”ご縁の力”や、先祖や守護霊の”導き”や、過去の生に積んだ本人の
徳(カルマ)の結果など、今の頭で、考えてもわからないエネルギーが この
瞬間、人生そのものに、直結して働いているということもあるでしょう。
こうした力、つまり、”護られている”、 ”導かれている”、という、眼に見えない
”親の無我のような愛”を、フト、感じたとき、私たちは、自然に、感謝の想いが
湧いてきます。
その瞬間が、そうした、眼に見えない、”慈悲”というエネルギーの源につながる
のだと思います。
慈悲の恩恵 は、常に放射されているけど、それを受け取るか受け取らないかは
あなた次第です、という、声が聞こえてくるような気もします。
”三密加持(さんみつかじ)して速疾(そくしつ)に顕(あら)わる” (6/29記事)
つまり、仏の働きは、常にここにあり、護られ導かれ、それに感謝することで、
この身に、それがすみやかに わが身に、我が環境に、顕現する~という、この真実。
そのことが、”即身成仏”、生きながらにして、成仏しているという証でもあるように
思います。
続く

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