自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

心療内科池見博士の患者の例①

2024年08月21日 | 自然治癒力・生命力・発揮する考え方


心のアンバランスが身体に表す症状 2024年8月21日
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ごく普通の現代人の日常で、余暇をレジャーとして楽しむ
際に、’隠れ蓑的(かくれみのてき)時間の過ごし方”と
池見博士は、語っている。

それは、心の真の要求に目を閉じて”隠れ蓑(みの)的” 
に、心の眼を、内側ではなく外側に目を向けていること
を指している。

人は、自然と、本質的な自己を求める” という意識を
持ち自覚し始めると、内側に、目を向けようとする。

が、それは、決して楽しいことではなく、自分の嫌な面や
現実を直視することが、煩わしくなることもあるだろう。

そこで、レクリエーションという、外側への注意と
楽しみを求め、日常の疲れを癒そうとするのが常だ。


本当の自分を探したい・・という欲求を意識すると、
”セルフコントロールの道”へ一歩、近づいていると
いえる。

そして、本当の自分=自分が誰にも何にも、頼らずに
自分自身で在る ということだけで、充足感を感じる
自分 と巡り合うきっかけは、 誰にでもあるという。

それは、物質的に恵まれた生活の中で、ふっと、何か、
心寂しさを感じ、満たされない想いをかみしめた時
かもしれない。

”自分のほんとうの資質は?”
”生きる目的は?”
”人生の意義は?”
  
人は、毎日、仕事や家事に追われ、日常生活の
ルーティーンで精いっぱいだ。
だからこそ、レクリエーションの時は、新鮮で、 
日常生活の”疲れ” と ”ストレス”を発散でき、
心に活力が戻ると信じている。
 
しかし、先ほどの、 “自分のほんとうに知りたい疑問” 
にはふたをしているままだ。

自分を見失っているような、虚しい感じは、”自問自答”
への答えが出ない限り、解決されないだろう。

そんな時、面倒くさい”自問自答”をする代わりに、
食べたり飲んだり、他の五感を喜ばす方法で その
落ち込みを一時的に解消することは、可能かもしれない。
 
心療内科第一人者の、池見博士はそんな状態の患者の
症例で、次のように言う:

“何かを食べていると、そのような心の苛立ちと
空しさを、ごまかせることに気がついてくる。 

やがては、食物を喉まで詰め込まないと落ち着
かなくなる。

食べては吐くという繰り返しになる。 

病的になっていく場合も、その根源には、心に
満たされない何かがあるからだ” 
 
こうした ”本当の自分の心の声”に蓋をしたとき
顕れた症状の実例を、いくつか、ご紹介したい。
 

B氏の場合)

42歳。係長。
病歴は、過去10年で16回の胃潰瘍で入退院を繰り
返してる。

頼まれるとNOと言えない。
素直に上司からは仕事を引き受け、自分の部下には
気遣いがあり、部下に回す仕事も 時には引き受け
るほど。

そのため、仕事はたまり、自宅で徹夜を幾晩かして、
仕事をかたづけることもある。

池見博士は、職場での人間関係を改善することを
助言。

が、本人は、なかなか実行にうつせなかった。

博士は、B氏のこうした性格の成り立ちの背景を
調べた。

B氏の性格形成の背景)

五人兄弟の長男。
両親がB氏に幼いころから、口癖のように言った
言葉が影響を及ぼしている;

”お前は長男だから、親のいう事は素直に聞き、
弟や妹をいたわり、りっぱな跡取りにならなければ
ならない”

忠実に親のこの言葉を守ったB氏は、先生には絶対
服従・
家庭では良い子で、兄弟に優しかった。

行動パターンの分析)

池見博士は、B氏が、幼児期から少年期にいたるまでの、
両親の教えといいつけを守ることで、基本的な行動
パターンができあがったと推測した。

その結果、B氏の、自然な感情C(子供の心)と冷静な
現実判断A(大人の心)のバランスが、 他人への心遣いP
(親心)が強くなり、圧倒されていた。

そこで、池見博士は、B氏に、’幼児の親子関係’、’兄弟関係’、
’職場での人間関係’を重ね合わせ、P,A,Cのバランスを
とりながら、”今、この”現実に即した生活’を指導して
いった。

特に、職場での追従型自己犠牲型の人間関係を変
えていく努力が見られた時には、一つ一つ、検証し
ながら、進歩とみなし、それを認め励まし続けた。

次第に、B氏は、職場で新しい適応方法を、身に着け、
胃潰瘍の症状は再発しなくなった。


B氏の例のように、今の人間関係の諸問題は、
幼児期の家庭環境、特に、両親との関係に端を発して
いることが少なくないようである。

*十分に愛情を与えられた意識があるか?

*ほかの兄弟と差別されていたという、不満足感
がないか?

*父親の頑固な片意地や、母親のヒステリックな
感情の波を避けるために、自分の殻に入る術を
身に着けていたかどうか?

*親から信頼されているという自信が 培われて
いたかどうか?

などの点は、成長してからも、その人の性格形成
の隠された要因になっていることが多いようだ。

家庭での教育は、学校の教育より先だって、すでに、
胎児のときから始まっている。

胎内教育は、母親の心と魂が、直に、おなかの赤子
に伝えられる。

戦前の日本では当たり前だった、大家族制度では、
祖父母が同居して、孫の面倒をみることは、
当たり前だった。

現代の、核家族では、夫婦が家事を分担しながら、
子育てをする。

保育園も増えて、他人に我が子の一日の大半を、
面倒見てもらうことも多いだろう。

それぞれ一長一短があるとは想うが、母親の子供に
対する、愛情と心構えや、向き合い方は、触れ合う
時間の長短ではなく、もっと、本質的なところで
子供の将来に、影響を与えていくようだ。

本質的なところ?

我が子といえども、独立した魂の持ち主としての
尊敬の念だろう。

私の子供、でも、私の所有物ではない。
過去生で、自分とは別な体験を積んで、沢山の記憶を
背負った、独立した魂としての向き合い方だろう。

自分とは個別の個性と、習性をもって、生まれてきた
我が子に対して、母親としての本能的な愛情のほかに
大いなる理解と、人間愛が、大切だと感じる。

両親の育児と、幼児教育にかかわる姿勢は、その子の
一生を左右する。

成長しても、その人の、基本的性格形成の一端を
になっている~といえそうだ。





参考)
 ”セルフ・コントロールの医学” s・57年9月1日 日本放送出版協会
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