"ちょっと外から見た日本"

今、スペインに住んでいます。
大好きな日本のこと、
外からの視点で触れて見たいと思います。

“幸運の女神はどういう生き方に微笑むか?”

2011-08-10 02:49:45 | 日記

致知出版社の「人間力メルマガ」より転載させて頂きます。

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     致知出版社の「人間力メルマガ」

                【2011/8/9】 致知出版社編集部 発行
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           幸運の女神はどういう生き方に微笑むか?
      
      9月17日(土)『生き方の流儀』出版記念講演会
        
http://www.chichi.co.jp/event/3031.html


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渡部昇一氏と米長邦雄氏の共著『生き方の流儀』より、
一部ご紹介させていただきます。
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●渡部 前回の対談のとき、非常に印象的だった話がある。
        確か米長さんは、勝っても負けても大勢に影響のない、
    いわゆる消化試合で手を抜くような心がけの者は、
    必ず運が落ちるという趣旨のお話をされましたね。


○米長 幸運の女神に微笑まれるには目前の事柄に
    一所懸命になることだとお話ししました。

    それに加えて、たとえ消化試合であっても
    すべてをさらけ出して全力で戦うことが、
    結果的に幸運の女神を好かれることになるのだと。


●渡部 それを米長哲学といわれていますが、あれはいいお話でした。
    私にとって教訓となりましたね。
    これは、あらゆる人の人生に通用する黄金律といっていい。


○米長 あの話をもう一回ここで再現しますと、根底にあるのは
    「人間はなんのために生きるのか」という
    生き方の流儀の問題なんですよ。

    私は勝負師ですから、真・善・美でいえば、真を求めている。
    真実を追究して最善手を指せば勝つということの積み重ねで、
    将棋の世界は成り立っているんです。

    それは、知・情・意という言葉でいうならば知ですね。
    情と意はそこには入り込む余地がない。
    それだけ純粋に真を求め、知を突き詰めている。


●渡部 将棋というのはそういうものですね。


○米長 私は将棋で生きているから、一番の本分はそこにあるわけです。
    これは政治家なら政治家の、学校の先生なら先生の、
    それぞれの本分というものがあるわけですね。

    その本分を大切にすることが、
    運を呼び込むことにつながるのだと思います。

                 
                 (『生き方の流儀』より抜粋)

……………………………………………………………………………………………(以上)


永世棋聖の米長邦雄さん、尊敬する一人です。

若い心を持って常にチャレンジして行かれる、その姿勢が素晴らしいと思っています。


“幸運の女神に微笑まれるには目前の事柄に一所懸命になること”

“たとえ消化試合であってもすべてをさらけ出して全力で戦うことが、結果的に幸運の女神を好かれることになる”


まさに、聞き手の渡部さんのおっしゃる通り、“あらゆる人の人生に通用する黄金律”ですね。

実際に、“幸運の女神に微笑まれている”方々を思い浮かべて見ると、それが真理だということがよくわかります。



そして、これは、昨日転載させて頂いたピータードラッカーさんの言葉(
http://blog.goo.ne.jp/tera-3/e/1adc1c8877c28cf2e23f87ef07321a4b)、


「神々しか見ていなくても、完全を求めていかなくてはならない」 

と全く同じ意味なのでしょう。


“格付け会社におけるロックフェラーさんとバフェットさん”

2011-08-10 02:46:53 | 日記
 
 
米国債格下げ、評価真っ二つ-PIMCOとバフェット氏が対照的見解
 
  8月8日(ブルームバーグ):債券ファンドで世界最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のマネジャー、ビルグロースは、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国債格下げに踏み切り「気骨」を見せたと評価する一方で、投資家のウォーレンバフェットや米レッグ・メイソンのビル・ミラー氏はこれと対照的な見方を示した。
  グロース氏はブルームバーグテレビジョンのトム・キーン司会者との7日のインタビューで、「S&Pは一定の気骨を見せたと思う」と言明。米国の連邦債務拡大に触れ、米国は「巨大な問題」を抱えていると指摘した。S&Pは5日、米国債を最上級の「AAA」から1段階引き下げ「AA+」とした。格付け見通し(アウトルック)は「ネガティブ(弱含み)」。
米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイのバフェット氏はブルームバーグテレビジョンのベティ・リウ司会者とのインタビューで、米国の格付けは「AAAA」相当だと語った。米資産運用会社レッグ・メイソンのビル・ミラー氏は、先週の株安後のS&Pによる米国債格下げについて「性急かつ誤りであり、危険」だと批判した。
  ルービニ・グローバル・エコノミスの共同創設者で会長のヌリエルルービニは7日のキーン司会者とのインタビューで、米経済統計の弱さが米景気回復に対する懸念を強めていると指摘。米経済が景気の「二番底」に向かっている可能性があるとの認識を示した。
 バフェット氏は、米経済が二番底に陥ることは想定していないとし、「金融市場は独自の力学で動くものであり、米国が再び二番底のリスクに直面しているとは思わない」と発言。「株式市場が影響を与えるのは信頼性に対してであり、その意味で今回の株価急落は信頼性の欠如につながる可能性がある」と解説した。
  バフェット氏の見方に同意するミラー氏は、米国は「世界で最も生産性の高い経済だ。世界の準備通貨および世界貿易の手段としてドルの代替となるものはない」と主張した。 更新日時: 2011/08/08 15:55 JST
 
 
債券ファンドを運用するPIMCOのグロースさんは、格付け会社S&Pによる、米国債の格下げ判断を歓迎しています。
 
それに対して、大投資家であるウォーレンバフェット氏は、(米国は)AAAAに値する」と言い、「米景気が二番底に直面するとは思わない」と反論しています。
 
格付けは、AAAまでしかないので、この言い方はバフェットさんの気持ちを表したものなのでしょう。
 
“「株式市場が影響を与えるのは信頼性に対してであり、その意味で今回の株価急落は信頼性の欠如につながる可能性がある」”と、
格下げが今回の株価急落の原因であると、S&Pを批判しています。
 
 
S&Pは、実はロックフェラーグループの会社です。
 
S&Pの親会社はマグロウヒルという会社ですが、その会社の大株主は、デイビッド・ロックフェラーさん。
 
米国金融を牛耳っていると言われる(金融だけではありませんね、笑)ロックフェラー家の今の当主です。
 
実際、S&P本社はロックフェラーセンターの中にあるそうです。
 
 
一方のウォーレン・バフェットさんは、なんともう一つの大手格付け会社であるムーディーズの筆頭株主です。
 
ちなみにムーディーズは、先に、当面米国債を格下げはしないと宣言しています。
 
 
格付け会社大手は3社、もう1社はフィッチと言います。
 
8月末までに米国の格付けをどうするか検討する、と言っています。
 
この3社はいずれも米系、政府系でも第三者機関でもない単なる民間企業なのです。
 
 
米大統領や欧州の政治家による政策決定含めて、今、世界中の人々が、格付け会社の動向を気にしています。
 
ギリシャの支援をする時も、米国の債務上限引き上げをする時も、いつも気になるのは格付け会社。
 
「このスキームで格付け会社は、格下げするだろうか、しないだろうか。」と。
 
 
世界の政治、経済、金融にインパクトを与える格付け会社は、実はただの民間企業であり、そしてその三社のうち2社は、ロックフェラーさんとバフェットさんの持ち物なのです。
 
「さすがに頭のいい人達は目の付け所が違う、さすがいい買い物ををする」という考え方も出来ますが(笑)、欧州で別の格付け機関をつくろうとする動きが出るのも当然だと思います。
 
 
ここからは私の想像です。
 
バフェットさんが、今回S&Pによる米国債の格下げを批判しているということは、ロックフェラーさんを批判しているということでもあるのでしょう。
 
加えて、S&Pは、バフェットさんの運用会社であるバークシャー・ハザウェイの格付け見通しをネガティブに変えました。(http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-22601720110808) 
バフェットさんの心中は決して穏やかではないでしょう。
 
 
S&Pは、以前から米国経済、そしてマーケットが「二番底」をつけると説明していました。
 
そのきっかけをつくることを意図して今回格下げを行った、それに対してバフェットさんが批判している、と考えることも出来るわけです。
 
 
私自身は、今の金融危機は、2007年に始まったサブプライム問題、即ち不動産バブル崩壊の流れを受け継いでいるのだと思っています。
 
米国政府が、約70兆円を使って景気刺激策を行いましたが、いずれまた厳しい時期が来るのだろうなと思っていましたし、また、米国の格付けがAAAなのもやはりおかしいなと思っていました。
 
 
しかし、一方で、今回の格付け会社の行動が、目先のマーケットを左右したと考えると、バフェットさんの言っていることもわかるような気がします。
 
バフェットさんは、ムーディーを買った後、「格付け会社がこんなことをやっているなんて知らなかったと言っています。
 
やはりS&Pのオーナーであるデイビッド・ロックフェラーさんへの批判だったのだろうなと思います。
 
 
バフェットさんの本を読んだことがありますが、質素な生活をされている正義感の強い方のように感じました。
 
ですので、「ロックフェラーの思い通りにはさせん。」という気持ちあるのかも知れません。
 
 
いずれにしても、今後も、格付け会社の動向が、世界の政治、経済、金融全般に影響を与えていくことは間違いないでしょう。
 
「二番底をつけたい」と思っている人がいれば、それは、なおさらです。
 

“「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」のドラッカーさん②”

2011-08-10 02:40:32 | 日記

致知出版社(http://www.chichi.co.jp/guide.html)の「人間力メルマガ」よりです。

昨日転載させて頂いた同メルマガで、(
http://blog.goo.ne.jp/tera-3/e/1adc1c8877c28cf2e23f87ef07321a4b)、
「ドラッカー7つの教訓」のうち前半3つが挙げられていました。

今日は、後半4つを転載させて頂きます。

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       「ドラッカー7つの教訓(後編)」
       
       
            上田惇生(ものつくり大学教授)
        
            『致知』2003年12月号
             特集「読書力」より
            

                      ※肩書きは掲載当時です。


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世界のビジネス界に大きな影響を与えているドラッカーですが、
その思想形成に当たっては人生の中で
七回の精神的な節目が訪れたことを著書の中で述べています。

その七つの経験から得た教訓を最初に列記すると、
以下のようになります。



 一、目標とビジョンをもって行動する。


 二、常にベストを尽くす。「神々が見ている」と考える。


 三、一時に一つのことに集中する。


 四、定期的に検証と反省を行い、計画を立てる。


 五、新しい仕事が要求するものを考える。 


 六、仕事で挙げるべき成果を書き留めておき、
     実際の結果をフィードバックする。


 七、「何をもって憶えられたいか」を考える。



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※ここからが本日の内容です↓
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四つ目の節目は新聞社勤務時代でした。

当時、ドラッカーが大きな影響を受けたのは編集長でした。
この編集長は毎週末、部下一人ひとりと差しで
一週間の仕事ぶりについて、また一月と六月には
半年間の仕事ぶりについて話し合いました。

優れた仕事から始まり、一所懸命やったこと、
反対に一所懸命やらなかったことなどを次々に取り上げ、
最後に失敗やお粗末な仕事ぶりは徹底して批判しました。

この中で記者たちは、今後の仕事で

「集中すべきことは何か」
「改善すべきことは何か」
「勉強すべきことは何か」

を探るのです。

彼がこの差しの討議の意義に気づいたのは、
随分時間が経ってからでした。

アメリカに移り、大学教授やコンサルタントの仕事を
始めてからだといいます。

以来、夏になると二週間ほど時間をつくり、
コンサルティング、執筆、授業について一年を反省し、
次の一年の優先順位を決めるのが習慣になりました。


          * *


五つ目の経験は「新しい仕事が要求するものを考える」
大切さを知ったことです。

ロンドン時代に証券会社から投資会社に移った時、
上司からこう言われます。


「君は思っていたよりもはるかに駄目だ。あきれるほどだ」と。


やがて彼は叱責の理由が、新しい仕事に移ってからも、
証券アナリストとしての仕事ぶりから
抜けきれないことにあったと気づきます。

これをきっかけに、新しい仕事に取り組む際は、


「この仕事で成果を上げるには何をしなくてはならないか」


と自問するようになるのです。


          * *


六つ目はアメリカでヨーロッパ史を学んでいた時、
近世のヨーロッパで力をつけていた
カトリック系のイエズス会とプロテスタント系のカルヴァン派の二つが、
奇しくも同じ方法で成長を遂げたことを知ったことでした。

両派の修道士や牧師は何か大きな仕事をする時には、
期待する成果を書き留め、一定の期間が過ぎた後、
結果と期待を見比べることで自分は何ができるか、
何が強みかを知っていたのです。

ドラッカー自身、この方法を実践し自らの強みを知り、
それをいかに強化するかに努力しています。


          * *
          

ドラッカーが七つ目に挙げた経験は、
小学校の頃、宗教の先生から聞かされた言葉でした。


「何をもって憶えられたいか」です。


同じことは彼が四十代の頃、父親と、その教え子であって、
かつ友人である経済学者シュンペーターとの会話でも耳にしたといいます。
ドラッカーの父はシュンペーターに質問しました。


「自分が何によって知られたいか、いまでも考えることはあるかね」と。


というのは、シュンペーターは若い頃
「ヨーロッパ一の美人を愛人にし、ヨーロッパ一の馬術家として、
  そしておそらくは世界一の経済学者として知られたい」
と言っていたからです

その質問に対するシュンペーターの答えは

「昔とは考えが変わった。
 いまは優秀な学生を一流の経済学者に育てた教師として知られたい。
 理論で名を残すだけでは満足できなくなった。

 人を変えることができなかったら、
 何も変えたことにはならないから」

というものでした。

ドラッカーはこの会話から



「人は何によって知られたいかを自問自答しなくてはならない」


「その答えは年を取るごとに変わっていかなければならない」


「本当に知られるに値することは、人を素晴らしい人に変えることである」



の三つを学んだのです。

彼のこの七つの経験のうち三つまでが
読書によって培われたものでした。

彼は若い頃からハンブルク市立図書館の本を
全部読んだのではないかと言われるほど大変な読書家でした。

二十九歳の時の処女作『経済人の終わり』に、
プラトン、ソクラテスなどのギリシャ哲学から
ヒトラー、ムッソリーニまで二百人以上の思想と言葉が
紹介されていることをみても、それが理解できます。

数々の著書が生まれる背景に、
膨大な読書に培われた知識があることは
疑う余地がありません。(談)


────────────────────────────────────(以上)


「ドラッカー7つの教訓」、これは全てドラッカーさんが、自らの体験の中で発見し、生み出して行ったものですね。

そのヒントは、上司の仕事の進め方や言葉であったり、歴史の中からであったり、宗教の先生や、父親、そしてシュンペーターの言葉からであったりと様々です。

そして、練り上げて行った教訓を、自ら継続して実践した結果が、今に続くドラッカー人気にある、と言えるのでしょう。

2005年に95歳で亡くなってから、もう5年以上経つのに、ドラッカーの説く言葉は、全く色褪せず、普遍的な真理であるように感じられます。


シュンペーターさんの話、とてもいいですね。

“「ヨーロッパ一の美人を愛人にし、ヨーロッパ一の馬術家として、
  そしておそらくは世界一の経済学者として知られたい」”

と言っていた方が、

“「昔とは考えが変わった。
 いまは優秀な学生を一流の経済学者に育てた教師として知られたい。
 理論で名を残すだけでは満足できなくなった。

 人を変えることができなかったら、
 何も変えたことにはならないから」”


という考え方に変わっていくこと。


そしてこの答えは、ドラッカーのお父さんが、

“「自分が何によって知られたいか、いまでも考えることはあるかね」”

と尋ねたからこそ引き出された答えでもありますよね。


して見ると、ドラッカーさんの真理を探求するという姿勢は、お父さんから引き継いだもの、ということも言えそうです。


「自分が何によって知られたいか」と自問して見ること、誰にでも出来る素晴らしいアイデアですね。