"ちょっと外から見た日本"

今、スペインに住んでいます。
大好きな日本のこと、
外からの視点で触れて見たいと思います。

“私、子供生んでも大丈夫ですか?”

2011-03-31 07:15:31 | 日記
平井憲夫さんという方がいらっしゃいます、いえ、いらっしゃいました。

1997年に亡くなられた方です。

原発について残されたたくさんの言葉、今、そのブログが、多くの方々に閲覧されているようです。

“原発がどんなものか知って欲しい。
(http://www.iam-t.jp/HIRAI/index.html#about)”

平井さんの略歴です。

“1997年1月逝去。1級プラント配管技能士、原発事故調査国民会議顧問、原発被曝労働者救済センター代表、北陸電力能登(現・志賀)原発差し止め裁判原告特別補佐人、東北電力女川原発差し止め裁判原告特別補佐人、福島第2原発3号機運転差し止め訴訟原告証人。”

「原発被曝労働者救済センター」は後継者がなく、閉鎖されたそうです。

平井さんの言葉は、実際の体験に基づくものだけに、深く考えさせられます。

以下一部を転記させて頂きます。


 “最後に、私自身が大変ショックを受けた話ですが、北海道の泊原発の隣の共和町で、教職員組合主催の講演をしていた時のお話をします。どこへ行っても、必ずこのお話はしています。あとの話は全部忘れてくださっても結構ですが、この話だけはぜひ覚えておいてください。

 その講演会は夜の集まりでしたが、父母と教職員が半々くらいで、およそ三百人くらいの人が来ていました。その中には中学生や高校生もいました。原発は今の大人の問題ではない、私たち子どもの問題だからと聞きに来ていたのです。
 
 話が一通り終わったので、私が質問はありませんかというと、中学二年の女の子が泣きながら手を挙げて、こういうことを言いました。 
 
 「今夜この会場に集まっている大人たちは、大ウソつきのええかっこしばっかりだ。私はその顔を見に来たんだ。どんな顔をして来ているのかと。今の大人たち、特にここにいる大人たちは農薬問題、ゴルフ場問題、原発問題、何かと言えば子どもたちのためにと言って、運動するふりばかりしている。

 私は泊原発のすぐ近くの共和町に住んで、二四時間被曝している。原子力発電所の周辺、イギリスのセラフィールドで白血病の子どもが生まれる確率が高いというのは、本を読んで知っている。

 私も女の子です。年頃になったら結婚もするでしょう。私、子ども生んでも大丈夫なんですか?」と、泣きながら三百人の大人たちに聞いているのです。でも、誰も答えてあげられない。
 
 「原発がそんなに大変なものなら、今頃でなくて、なぜ最初に造るときに一生懸命反対してくれなかったのか。まして、ここに来ている大人たちは、二号機も造らせたじゃないのか。たとえ電気がなくなってもいいから、私は原発はいやだ」と。
 
 ちょうど、泊原発の二号機が試運転に入った時だったんです。

 「何で、今になってこういう集会しているのか分からない。私が大人で子どもがいたら、命懸けで体を張ってでも原発を止めている」と言う。
 
「二基目が出来て、今までの倍私は放射能を浴びている。でも私は北海道から逃げない」って、泣きながら訴えました。

 私が「そういう悩みをお母さんや先生に話したことがあるの」と聞きましたら、「この会場には先生やお母さんも来ている、でも、話したことはない」と言います。

  「女の子同志ではいつもその話をしている。結婚もできない、子どもも産めない」って。
 担任の先生たちも、今の生徒たちがそういう悩みを抱えていることを少しも知らなかったそうです。

 これは決して、原子力防災の八キロとか十キロの問題ではない、五十キロ、一〇〇キロ圏でそういうことがいっぱい起きているのです。そういう悩みを今の中学生、高校生が持っていることを絶えず知っていてほしいのです。 ”


子供たちは、大人のウソを見抜いています。

そしてそのウソは、これからどんどん表に出てくるでしょう。


表に出て来て本当のことがわかったとき、あなたはどうしますか?

そのことが、今、私たち一人一人に問われているのだと思います。


“大切な子供、その子供たちの命と、今の便利さのどちらを選択するか。”


比較すること自体、おかしいようにも思えます。

今、出来ることをやって行きたいと思います。


■原発反対署名を集めているHPです。

オンライン署名「枝野さん、安全な電気がほしいです」
http://www.greenpeace.org/japan/ja/form/edano3/  

浜岡原発反対署名フォーム
http://www.plumfield9905.jp/hamaoka/form/form.php

上関原発反対!あなたの声を届けよう!
http://www.antinuke.net/kaminoseki/

原子力委員会が意見を募集しています。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/tyoki/tyoki_oubo.htm

人気ブログランキングへ



“光と影”

2011-03-31 07:05:12 | 日記
『東電会長、1~4号機の廃炉言明 「会社、厳しい状況」

東京電力の勝俣恒久会長(71)が30日、入院した清水正孝社長(66)に代わって記者会見し、福島第一原子力発電所の事故について陳謝。同原発の1~4号機について「廃止せざるをえない」と言明した。勝俣会長は「原子炉が安定するには、かなり時間がかかる」とし、会社の存続が「大変厳しい状況」にあるとの現状認識も示した。
 
東電の経営トップが記者会見したのは、13日の清水社長以来17日ぶり。
 
1~4号機は水素爆発などで大きく損傷。冷却作業がうまくできない状況が続いている。勝俣会長は、「今の状態をみると、おそらく廃止せざるを得ない」と認めた。東電が公式の場で廃炉方針を示したのは初めて。廃炉にかかる費用については「まだ試算までいかない」とした。
 
一方、被害が比較的少ない5、6号機や福島第二原発の廃炉については「国や地域の皆様方のご意見をうかがいたい」と、言及を避けた。
 
「東電が今の姿で存続できるか」との会社存続問題に関する問いには、「一言で言えば、大変厳しい状況」と答えた。金融機関から2兆円超の緊急融資を受けるが、「いくらあっても足りない状況。何とか資金不足に陥らないよう努力する」と説明した。

 東電は、原子力損害賠償法に基づいて、原発周辺の避難住民や、出荷停止などに追い込まれた農家への損害賠償を求められる。

 勝俣会長は「誠意をもって補償に向けた準備をする」と述べた。ただし、「最大限の補償、おわびをしたい」としながらも、法律ではどういう場合に東電の責任が免除されるかはっきり決まっていないことを挙げ、「政府と考えていきたい」と、補償範囲・程度については明言を避けた。

 夏には再び深刻な電力の供給不足に陥ることについては、「供給力の確保に全力を挙げる。夏の計画停電は最小限にとどめる」と発言した。 (朝日新聞)』


当然ではありますが、東京電力が1~4号機の廃炉を言明しました。

しかし、5,6号機、第二原発、その他の原発含めて、これからきちんと見届ける必要があると思います。

放射線まみれの中で、廃炉自体、一体いつ出来るのか、使用済み燃料をどうするのか、ということもあります。


東京電力は、いずれ国営にならざるをえないと思いますし、そうすべきだと思います。

その時、政府がどのような構想でどう動くのかを見ていかなくてはなりません。

それにしても、こういう状況で簡単に2兆円を集めることが出来る会社は他にありません。

そのこと自体、ある意味異常なことだと思います。


『マスコミOBの中国旅行は東電持ちだった

“福島原発事故発生時、「東京電力の勝俣恒久会長が大手マスコミ幹部を引き連れて中国旅行に行っていた」と一部週刊誌が報道している問題で、勝俣会長は30日、「マスコミOBの旅費は東電が大部分を持った」と明かした。

 東京電力本店で開かれた記者会見で勝俣会長が筆者の質問に答えたもの。マスコミと東電との癒着ぶりを最高幹部が認めたことになる。(田中龍作ジャーナル)』


この記事が大手メディアから出ないということがあれば、情報操作はまだまだこれからも続いて行くということだと思います。
    

『福島第1原発:全員退去方針…東電会長が否定

 東京電力の勝俣恒久会長は30日の会見で、東電が原発の深刻なトラブルが判明した後の14日に福島第1原発の職員を全員退去させる方針を政府に打診していたと複数の政府関係者が明らかにしていることについて、「当時、施設にいた800人を超える職員のうち、直接、発電所の運転に関わらない半数の作業員は退去を考えたが、全員を退去させるということは決してなかった」と否定した。

 また原子炉の廃炉につながる可能性があるため、海水注入が遅れ事態の悪化を招いたとの指摘については「全くちゅうちょなく行った」と妥当性を主張。原子炉内の圧力を下げるための排気作業についても遅れが指摘されたが、同席した武藤栄副社長が「電源がなく中央操作室の照明もない中で、現場で手探りで行ったために遅れた」と説明した。(毎日新聞)』


東電と政府の責任の擦り合いですね。

毎日新聞は、東電のことを慮ってこの記事を書いているようにも思えます。

大変なのは、残って命をかけることになったスタッフ、その大部分を占めると言われる下請け業者の方々、そして第一に、被災者の方々です。


『国民生活を大混乱に陥れる未曾有の原発事故を引き起こしながら20日目にして初めて公の場に姿を現した男は、何ひとつ悪びれるところはなかった。

 東京電力の勝俣恒久会長が30日、東京電力本店で記者会見を開いた。電力行政を壟断してきたとも言われる勝俣会長は、国任せで難局を乗り切る姿勢を示した。

 計画停電により利用者に不便を強いていながら「値上げしないと確約するのはなかなか難しい」などとして電力料金の値上げを示唆した。

 さらに呆れたのは補償についての見解だ。フリーランスの村上格保記者から「東電を潰してでも補償するつもりはあるか?」と聞かれたのに対して勝俣会長は「原子力損害賠償法の枠組みで考えてゆきたい」と答えたのである。

 同法3条に定める免責条項の適用を求める腹積もりとしかとれない。被害は広範、多岐に及んでおり、被害金額は天文学的な数字となるものとみられる。まともに賠償したら東京電力の資産をすべて売り払っても及ばない。

 そこで「大がかりな天災地変があれば責任を免れることができる」とする原子力損害賠償法(原子力損害の賠償に関する法律)を持ち出したのである。

 実際、「純粋な民間企業として生き残ってゆけるのか?」との記者団の問いに勝俣会長は「民営でありたい」と答えている。

 枝野官房長官は25日、「安易な免責は認めない」との見解を示している。それを承知のうえでの勝俣会長の発言である。電力行政を恣(ほしいまま)に動かしてきた人物は、政府も同様に動かせるとタカをくくっているのだろうか。
   
 東電トップを厚顔無恥にさせたのはマスコミだったことが今回の事故で計らずも露呈することになった・・・(田中龍作ジャーナル)』


補償部分含めて、最初の朝日新聞の記事とは相当ニュアンスが異なりますね。

この場に及んで料金値上げとはどういうことでしょうか?


本番はまだまだこれからです。

福島原発は、今、まさに進行形の出来事です。

将来の日本の姿をイメージしながら、進んで行きましょう。
 
人気ブログランキングへ