岩切天平の甍

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パウエル演説

2003年02月06日 | Weblog

2/6/03
国連でパウエル国務長官によるイラクの大量破壊兵器査察に関する違反の証拠の提示と演説が行われた。
米国による盗聴テープと衛星写真がその主なもので、これらのものはここ数週間の分析により証拠とされたということである。
どれも信頼するに足りず、説得力に欠ける。
捏造といえばその可能性も否定できない。
それにもかかわらず、メディアは演説の成功をうたい、世論は動く、
得意のパフォーマンスである。
翌朝のニューヨークタイムスはまるで米政府の広告のようだ。
イラク代表のいかにも困惑したような表情の写真の掲載は、編集者の悪意による意図的な選択があまりにもあからさまで、見る者を苦笑させる。

国連の査察団が活動している時に兵器を隠していた活動をつかんでいた
と言うが、仮にそれが事実であったにしても、なぜ米国はそれらの情報をもっていながら査察団に協力して、査察活動の効果を上げようとしなかったのか?
提示されたような情報を収集する能力があるのなら、隠された兵器の移動された場所もわかるはずである。査察がうまくいって戦争が回避されては困る事でもあるのか?これでは米国による査察の妨害も同じことである。いったい米国は本当にイラクを武装解除したいのか、それともただ戦争がしたいだけなのか? 何故誰もこの重大な犯罪とも言えることについて疑問をもって米国を追求しないのか?