随分と久しぶりに近所のプロスペクト・パークに散歩に出かける。
枯葉を踏む甘い匂いを嗅ぎながら、燃え立つ紅葉に立ち止まる。
幹を抱いてみると温かく、子供の頃に山の柿の木に登って、又のところで眠った時の匂いがした。姉ちゃんがぶら下がった枝が折れて落っこちた時の事を思い出す。アタマを打って記憶を無くした姉ちゃんの手を引いて、バスに乗って帰った。車掌さんに「姉ちゃんがばかになったの。」と説明した。
あの頃はまだバスに車掌さんが首からカバンを下げて乗っていて、そりゃあ大変だと心配してくれた。
柿の木は折れやすいのでむやみにぶら下がってはいけない。
プロスペクト・パークはブルックリンにある、セントラル・パークをデザインした人がデザインした公園で、同じような池と遊歩道、メリーゴーランド、動物園がある。アイススケート・リンクでは忙しそうにオープンの準備をしていた。かなり大きな公園なので、のんびり歩いていたら三時間も経ってしまい、腹がへってふらふらになって帰った。