午前中は入植者たちが到着したという港の撮影、地元の漁師にたのんで小舟を出してもらった。それからビーチへ。ドミニカの女性達は頭の上に大きな荷物を載せ、見事にバランスをとって歩く。カメラを出して、パチリと一枚、すれ違いざまに、にやっと笑ってポーンとお尻をたたかれた。
ドミニカの入植者は、鹿児島の人が多いそうだ。夕方、県人会が催されていると言うので、おじゃましてみる。
なつかしい顔だちが、なつかしいアクセントで話している。
子供達が、さけびながら走り回っているのも、遠い昔の親戚の集まりそのままだ。
長いあいだ忘れていた故郷が、こんな遠いところで突然目の前にあらわれて、不思議な気持ちになった。
ドミニカに来ているはずなのに、まるで鹿児島に帰ってきたような気分なのだ。
「おやっとさあ」(おつかれさま)とあいさつしたら、お年寄りたちだけが笑ってくれた。