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てくてくねこさん山の上

里山からアルプスまでてくてく歩いてます、温泉も時々・好奇心のままあちこち・・・

宮沢賢治「永訣の朝」

2009-04-02 20:05:08 | 

 

 ある方のブログに宮沢賢治の「雨ニモマケズ」が載っていました、私はちょうど今朝

「永訣の朝」を読んだところ

 

 

 

けふのうちに

とほくにいつてしまふわたしのいもうとよ

霙ふつておもてはへんにあかるいのだ

(あめじゆとてちてけんじや)

うすあかくいつそう陰惨な雲から

みぞれはびちよびちよふつてくる

(あめじゆとてちてけんじや)

青いじゆん菜のもようのついた

これらふたつのかけた陶椀に

おまえがたべるあめゆきをとろらうとして

わたしがまがつたてつぽうだまのやうに

このくらいみぞれのなかに飛びだした

(あめじゆとてちてけんじゃ)

蒼鉛いろの暗い雲から

みぞれはびちよびちよ沈んでくる

ああとし子よ

死ぬといふいまごろになつて

わたしをいつしやうあかるくするために

こんなさつぱりした雪のひとわんを

おまえはわたくしにたのんだのだ

ありがたうわたくしのけなげないもうとよ

わたしもまつすぐにすすんでいくから

(あめじゆとてきてけんじや)

はげしいはげしい熱やあへぎのあひだから

おまえはわたくしにたのんだのだ

銀河や太陽 気圏などとよばれたせかいの

そらからおちた雪のさいごのひとわんを・・・・・・

・・・・・ふたきれのみかげせきざいに

みぞれはさびしくたまつてゐる

 

 

「前半です・・・・・・」