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空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

GSOMIA破棄:米国は韓国政府の主張を「嘘」と断言―状況説明は日本外務省に求めている模様

2019-08-24 19:24:11 | Weblog
 …微妙にアレだな、これ。
 交渉相手としての信頼を相当に減じただろうなあ、この件で。



朝鮮日報 「米が理解した」と言っていた青瓦台、翌日「米と疎通した」と言い直す 2019/08/24 08:59 ユン・ヒョンジュン記者

青瓦台(韓国大統領府)は23日、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了決定前に米国と協議し、コミュニケーションを取ったとした。前日は「米国に理解を求め、米国は理解した」と言っていた。だが米国政府消息筋はこの日、「韓国政府は一度も米国の理解を得たことはない」と発言した。これにより「青瓦台のうそ」論争が大きくなったことを受け、後になって言葉を変えたのだ

金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次超は23日のブリーフィングで「米国は韓国にGSOMIA延長を希望した」「米国が表明した失望感は米国側の希望が実現しないかったことに伴うもの」と語った。続いて「外交的努力にもかかわらず日本から反応がなければGSOMIAの終了は避けられない、という点を(米国に)持続的に説明した」として、「私がホワイトハウスに行って相手方と会ったときも、このポイントを強調した」と発言した

与党内の日本経済侵略対策特別委の委員長を務める崔宰誠(チェ・ジェソン)議員も取材陣に対して、米国の「失望した」という反応について「(韓日)両国に共通的に語り掛ける、そういう基調を下敷きにしているもの」「GSOMIA終了は実際的には日本がさせたこと。(韓国政府は)日本の実質的な破棄を受け入れたのと変わらない」と主張した

 なんといおうか「GSOMIA終了は実際的には日本がさせたこと」、「(韓国政府は)日本の実質的な破棄を受け入れたのと変わらない」とはなかなかである。

 ただし、もし韓国政府ないし文大統領の見解がそうだとしても、ともあれ現時点では、朝鮮日報が伝える限りであっても、米国政府には伝わっていない・共通理解になっていない。

朝鮮日報 米「文在寅政権、GSOMIAうそ」 2019/08/24 08:20 ワシントン=趙義俊(チョ・ウィジュン)特派員

米国務省と国防総省は22日(現地時間)、青瓦台の韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄決定に対して一斉に「文在寅(ムン・ジェイン)政権(Moon administration)に強い懸念と失望を表明する」との見解を明らかにした。米国が公式論評で「ROK(韓国)」と呼ばずに「文在寅政権」と呼ぶのは非常に異例なことだ

トランプ政権の高官は本紙に「(GSOMIA破棄が)文大統領の決定だということに焦点を合わせるためのものだ」と説明した。それだけ米国が文大統領と青瓦台に強い不満を持っているという意味だ

米国務省は本紙に送った論評で、「米国は文在寅政権に対し、この決定が米国と我が国の同盟国の安全保障利益に否定的な影響を与えるということを繰り返し明らかにしてきた。(この決定は)北東アジアで我々が直面している深刻な安保的挑戦に関して、文在寅政権の深刻な誤解を反映している」と述べた。米国防総省も報道官の論評として「文在寅政権に強い懸念と失望を表明する」と述べた。米政府が韓国に不満の意を表す際、「韓国政府」ではなく「文在寅政権」という表現を使うのは非常にまれである

トランプ政権の高官はまた、青瓦台がGSOMIA破棄について「米国が理解を示した」と説明したことに関して、本紙に「うそ(lie)」だとして、「明確に言って事実ではない。ここ(駐米韓国大使館)とソウルの(韓国)外交部に抗議した」と語った。記者の質問に答えたものだが、「うそ」という表現を使ったのも極めてまれなことだ

 とにかくもう、『いいですか、韓国自体を敵に回そうとか、韓国自体を非難しようとか、韓国を大事に思っていないとか、そういうことではないんです。韓国は味方にしておきたいし、できれば韓国を賞賛したいし、韓国を大事に思っているんですが、とにかくいまの政権はダメですよね。かなり、国の代理で喋る人間が言うにはかなーりキッツイ表現で表明しておきますので、なんとか理解していただければ幸いですな』という感のあふれるコメントが山のようにあったらしいことがまるみえである。




 コトここにいたったことについて「日本の外務省の無策に怒って」説明を求めるのはアリな解釈だろうが、そこから米国がどう動くかって



 不確定要素どころか、韓国政府のほうからGSOMIA廃棄なんてカードを出されたら、このあとしばらく日韓で同様の協定なんぞできるはずもなく―日米韓の共同作戦なんて夢のまた夢のさらに果てになっちゃったわけで、そりゃあ激怒しますわ。だからこそ



彼らは「信頼関係がなくなったと言ってるなら、日本が破棄するのが当然だろ」とまで言ってた」わけだろう。だが日本はGSOMIAは維持するものときめてかかっている。だからこそ韓国の国家としてのプライドをかけて廃棄に自ら動いたが、だって日本が空気を読んで自分から悪役になってGSOMIA破棄するっていわないんだもんだから日本が悪いんだ!という主張をしているわけで―

 ―そりゃあ、「おい日本…なにがどうしてこうなった…お前はオレにも通じるような言語で話して欲しいんだ、たのむ…」って電話くらいするわ…。



 まあ、だからそうした目的のために、自分が信頼に値する友邦だぞと納得してもらえるくらいの行動はするだろうと期待はしていい、最小限であっても、そう。だからこそ韓国は日本に圧迫をかけてくれ、と、GSOMIAの存続をかけた瀬戸際外交を米国にしかけたわけだろうし。






 内田樹といえども、個々の状況認識・理解・解釈にはまあ妥当と思えるものがある。しかしあっても、そこから発する推論が、他の条件とコンフリクトを起こしすぎる。そこで仮説を訂正する必要を認識する…というのが知的作業というものだろうが、なんというか極端主義者はなあ…と。



 立憲民主党がまあ、常識的な見解を出したらこんな意見が出ていて困る:



 原典にさかのぼった限りでいえば、安倍氏だって人間で生存権があるんだから、たまには塩をおくってやるのも送るほうの器とか品格とかの問題とちがうか? 

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