京大・数学の女性限定公募の件

　これがまあ、非難一色というか、彩りよく多数の意見があるがみな非難というか。

京大、ほんとに女性枠でトランス女性を採用したのか。女性限定採用は本質的な差別解消からは程遠いけど、一定の意味があるとか言ってたのは甘かった。後々実績を出せないからと難癖つけて女性枠を廃止するより、トランス女性採用のほうが手っ取り早いし先進的なイメージで世間受けがいいからね。

— しおまま (@sheetan_mama) October 5, 2022

　これは好意的と言い得る評価だろう。実際、女性枠＋公募＋トランス女性採用！となると、なんというか一挙両得というか三両得というか、一気にポリコレ点数稼いでしまえる手ではある。

　が、以下。トランス女性に女性のためのポストが奪われた！　トランス女性って男性なのに！　そんなにも女がいやか！　というコメントがものすっごく見られてですね…。

「京都大学数学教室の助教」の女性枠、トランス女性に奪われてるの⁉︎
スポーツだけでは飽き足らず、そこにもきますか…
女性研究者が受ける差別や困難を受けてきたわけじゃないのに、恥ずかしくないの⁉︎
信じられない…

— レイ (@rei081477) October 5, 2022

　それ、トランスフォビアだよ！という非難の言葉を気にしないでいい方の性別ー、という揶揄を思いついた…。

京大の女性教員枠へのトランス女性採用、私は公務員の障害者雇用枠の不正を思い出す。あれは組織が意図的にやった不正なんだけど、結果として障害者の雇用枠が削られてたのが大きな問題。

今回の女性枠も、結果として生まれながらの女性のための枠は削られてしまった。

— 布団大好きねこ (@OZlzOpMaDTl0XQo) October 6, 2022

ワタシさ、京大の女性枠にトランス女性が採用されたって話聞いて、官公庁が障害者雇用の数をごまかすために死者をカウントしてたって話を思い出したんだよね。そこまで強い意志で「障害者と／身体女性と　働きたくないんだな」って。

— うめたん＠わきまえないまいにち。 (@sweet_umetan) October 6, 2022

　トランス女性を採用したことをごまかしと評して批判されない方の性別ー、といったような揶揄をしたくなったほど、それほどトランスが嫌いか、と。
　
　しかし、どうなんでしょうね、女性とトランス女性とを比べて、男性側はどっちをどのていど忌避するだろう。異分子を排除したい気持ちというなら、トランスジェンダーの方が圧倒的に少数なのだから、女性とどっちがより異分子か、といえば明らかなように思うが。

京大の女性教員枠にトランスジェンダー女性が採用されたとの話ですが。
採用における女性枠とは、「女性だから」という無意識のバイアスによって採用枠からこぼれ落ちる女性を拾い上げる意味合いのものですよね。
「女性」と「トランスジェンダー女性」では、発生するバイアスの種類が
(続) https://t.co/8oubp17NC7

— 女女室/上田拓子 (@jojoshitsu) October 6, 2022

京大、うふふあはは女性ロボットに続きトランス女性の女性枠採用……。女性に対する扱いがよく分かりますね……。

— ひひひひひ (@Hihihihihi_05) October 5, 2022

　…ということで、生まれついての女性を同僚に迎えることを忌避する気持ちが元男性を雇うに至ったのだろう―という方向で考えるものらしい。

大学ポストの公募は出来レース(スペック指定でもうあの人しかいないじゃんね、となる)になってるケースも結構多いというのは大学に残った知人からよく聞く話だし、目当ての人物が女性だったら「公募」する際にそこを女性枠にしておけばAAアピールもできていいのでは？

— 雨 (@lazydogs2022) October 5, 2022

京大の女性枠トランス女性採用の件、本人の戸籍変更を待って女性枠を作った説もあるのか😳

— pu-pu (@pun_be_e) October 6, 2022

　まあ、こうも言われるわな、というご意見。そりゃまあ、公募の形式は取りながら、ピンポイントで狙い撃ちというのはまあ、まあ、見ることはあるわけで…そりゃあこういう言われ方もするだろうなあとは。

京大のトランス女性の女性限定枠採用、通常の採用枠で「トランス女性は採用しない」って言われた訳じゃないのよね？もしそうならそれは明らかなトランス差別だから批判するべきだけど、トランス女性が女性限定枠に普通に応募して京大側も「女性」として採用したのならそれは女性枠を男性が奪っただけだ

— みちろ🔥 (@singforfuture) October 6, 2022

　ここまでくるとはっきり「奪った」という。

スポーツは身体差があるから、流石に分けようということ。
京大の女性枠を作った元は「女性は妊娠したり」等という身体の差があるから、なかなか増えない。だから女性を”２０%増やすために、「女性枠」というものを設けた”というのが始まりの話。
戸籍変更を受けていても男性の体では妊娠しない。 https://t.co/uoOHQDl4ii

— mizuta (@mizutayou1) October 6, 2022

京大の女性枠の話しだけど、単に女性ということではなく女性差別解消という文脈で女性を募集したなら、それは生来女性に限るとしなければダメだったと思う。なぜなら女性差別は1から100まで「子を生む体」に由来するものだから。結局募集した大学側が女性差別とは何かを理解していなかったのでは

— K⚠️肉祭 (@pvqovob) October 6, 2022

　女性たちの立場からすると、妊娠して子供を産む（可能性）において女性雇用を避ける理由があるのである、そこから目をそらしてトランス女性という選択は―という批判の方向。しかし

京大数学教室の女性枠にトランス女性が入った件、批判する女性のツイートに「女性は妊娠するから差別される」という見方が多くて驚く。

男を美化し過ぎ！甘い！

本当はもっと嫌らしい蔑視がある。

それは女の脳は天才には向かない“構造”だと思い込む差別だ。これもまたトランス女性はかいくぐれる。

— henohenomoheji (@henohen62544972) October 6, 2022

　とまあ、「そもそも女性の脳は劣っているよ派」があるんだよという指摘。これはどうなんでしょうね、男女でやや方向性が異なることはまあありそうだしあるだろうし―その適性の方向性が「男性の方が優れている」という判断に結びつく可能性は、それはまああり得るとは思うが。今現在の社会の基準で、ウルトラスーパーグレートトップは男性になってしまうという可能性は、まあ…将棋で女流がなかなか勝てないのはそれかなあ、くらいは疑うが―。

　…学問領域の場合はなあ、うん…マリ・キュリーやリーゼ・マイトナーレベルはさほどでてないだろ、という言われ方をすれば…うんまあ、とは納得する筋はあるにはあるが、せやからマリ・キュリーやマイトナーがいるだろということも思えるし。まああと20~50年もすれば女性ノーベル賞受賞者は結構出るんじゃないですかね。いつも使うネタとしては、ビアトリクス・ポターへの謝罪は1997年だよ。たかが、死人にスマンという程度が。これをうけて進出していった女性陣が超優秀な業績を挙げ、評価が落ち着くまで…まあ、30~年ほど待つと良いかな、とは思う。

トランス女性を女性と認めるか否かの話ではなく、京大が女性枠を設けた意図に対して「トランス女性の採用」では、本来の目的が達成されないよねって話では
トランス女性を増やしたいなら、女性枠で採用するのではなくて、トランス女性枠を設けるべきでしょう https://t.co/7Y0hX0S4VQ

— 唐揚げ丸 (@gemko27) October 6, 2022

　京大のポストという貴重な…あまりにも数少ない資源をめぐる争いと見えそうだ。

数学科は圧倒的に男性が多く女性枠はそれを是正する目的だろう。本人に悪気はないんだろうが最近まで男性として下駄を履いてた人間がそれを使うのは制度の目的外なのでは。https://t.co/tffYgM47nC / “铃术美鋊 on Twitter: "本日付で京都大学数学教室の助教に着任しました…” https://t.co/pUwxFNLDXb

— usi4444 (@usi4444) October 6, 2022

　出ましたな、「下駄」。しかし批判点は尤もかとは思われる。
　しかし、トランス女性、戸籍も変えたトランス女性となれば、法的にはこの際、完全に正当なのだと認めねばなるまい。