空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

「ホテル木町」の話のメモ(河北新報)

2021-07-09 21:44:52 | Weblog
河北新報 無法地帯になった廃墟ビル  大麻事件で家宅捜索、違法風俗店営業も  <仙台・ホテル木町解体(上)> 2021年07月08日 17:29

「悪の巣窟」と呼ばれた仙台市中心部の廃虚ビル「ホテル木町」の解体作業が始まった。反社会勢力が不法占拠し、関係者に違法に賃貸していたビルは、かつて国会議員や宮城県職員が逮捕された事件の舞台にもなった。ビル管理者の許可を得て建物の内部に入った

廊下に出ると、朽ちて剥がれた天井。勝手に敷設された水道管が、天井から壁伝いに部屋に入る。どの部屋もドアの鍵が壊されている。一部のドアは廊下側に金具が取り付けられ、南京錠がぶら下がっているが、部屋側には金具がない。誰かを監禁するための部屋だろうか

部屋側には金具がない。誰かを監禁するための部屋だろうか」って、さらっと監禁が存在した可能性を正面から書かれましても。

ホテルは1999年1月、経営会社の破産に伴い廃業した。裁判資料などによると、競売を経て在日韓国人が経営する金融会社と、指定暴力団系組員が関係する会社が権利を主張した。最終的に暴力団側が居座り、違法に客室を賃貸するようになった

廊下の突き当たりのガラスドアを開ける。黄ばんだ液体が入ったペットボトルが何本も転がる。ふたを開け臭いを嗅いでみようとも思ったが、勇気が湧かずに断念した

ほとんどの部屋のドアノブがないことに気付いた。部屋の中の金属類も剥ぎ取られたような形跡が見える。
 「不法占拠していたやつらが外し取って売ったのだろう」(理事長)


 もう、絵に描いたような無法地帯である。

河北新報 群がる魑魅魍魎 経済事件の舞台に <仙台・ホテル木町解体(下)> 2021年07月09日 12:00

 投資詐欺の舞台ともなったという。元閣僚が関わるという、なかなかの大物である。

2000年代初頭、「エンゼルライフあおば」と名乗った架空の老人ホーム事業に、首都圏の投資家たちが相次いで出資した。
 勧誘パンフレットに記載されたエンゼルライフあおばの住所は「仙台市青葉区木町通2丁目354番地1」。そこにあったのは老人ホームではなく、廃業したホテル木町だ。投資話の正体は、当時既にブローカーらの手にあり、利用価値のないホテル木町の区分所有権の売買だった


「老人ホーム事業に出資すれば、高額の配当が得られる」。約1000万円の被害に遭った区分所有者は、実態を知らないまま誘い文句に乗った。被害は全国で約200人、総額7億円近くに上ったと報じられた。
 金を集めたのは、投資コンサル会社「キャピタルインベストジャパン」。代表取締役は元北海道・沖縄開発庁長官の故稲垣実男氏。エンゼルライフあおばに関わる出資法違反(預かり金の禁止)容疑で04年6月に警視庁に逮捕され、有罪判決を受けた


 これも絵に描いたような見事なアレ。いやまあ、露見して事実が整理されたからこそ、こんなふうに単純な悪事としてまとめることが出来るのではあろうけれど。

ホテル木町は1977年に開業し、97年にはホテル従業員が、分譲部分に住む外国人に刺殺される事件の現場ともなった。99年に1~3階のホテル部分が廃業。競売を経て在日韓国人の金融会社社長の手に渡った段階で、権利関係が複雑になり、反社会勢力が群がった。
 2019年9月の管理組合総会で、全区分所有者107人のうち5分の4を超える99人から同意を取り付け、廃虚となったホテルの解体が決まった。その前、反社会勢力の「招き役」だった金融会社社長から理事長に手紙が届いていた。
 「手紙にて失礼します 青森のマンションを12戸を買って下さい 電話を下さい お願いします」


 …この社長さんとしても下手なものを掴んだもの、という感はある。…自分だったら儲けることが出来る―と思ったものなのかなあ。

河北新報 【動画】仙台「ホテル木町」解体始まる 反社勢力が占拠、投資詐欺の舞台にも 2021年07月08日 06:00

仙台市中心部の廃虚ビル「ホテル木町」の解体作業が始まった。反社会勢力が不法占拠し、投資詐欺の舞台にもなったビルは、権利関係が複雑で朽ち果てるまで放置される恐れすらあった。解体を実現させたのは、現役を引退した自称「地上げ屋」たちの経験とプライドだった

東京都三鷹市の所有者からは、詐欺師と疑われて警察を呼ばれた。ホテルを舞台にした架空の老人ホーム事業への投資で数百万円の被害を受けていた

 詐欺師と間違われて警察を呼ばれた―というのは、無事に終わったからこそ笑い話にもできる―かもしれないが、これはどうしようもなく、そんな疑惑を受けるような仕事だったのだろうなあ…。

登記簿などによると、ホテル木町は上階が分譲マンションだったため所有権は111区分あり、所有者は全国に散らばっていた。指定暴力団系組員や右翼団体、逮捕歴のある金融業者、架空投資事件の首謀者やその関連会社。「反社会勢力がほぼ全種類そろっていた」(片倉理事長)という

 …そりゃ、堅気のひとは中々手出しできないでしょうねえ…。

 動画の中には、「教育実習日誌」の類も映っていた。それこそ堅気の方向性をしめすものだ。貧乏学生が住み着いてでもいたものか。

河北新報 仙台中心部の「廃墟」ホテル木町解体へ 管理組合、建て替えにめど 2020年05月21日 09:32

河北新報 「ホテル木町」仙台中心部で放置状態20年 部屋の所有者100人超 2019年12月16日 18:10

ホテル木町の現状は、都市部の一等地に立つ高層の建物が不良物件と化すリスクを浮き彫りにした。仙台市内では他にもマンションなど管理が行き届かなくなる建物が目に留まるようになった。関係者からは「どの物件も廃虚になり得る」と懸念の声が上がる

市内のマンション分譲は1970年代に始まり、築30年以上が300棟を超す。市住宅政策課は「著しく老朽化した建物が放置されれば周囲に危険を及ぼす」と危惧する。
 青葉区錦町にある築46年の5階建てマンションは、2016年ごろに屋根の一部崩落が確認された。通行人に直撃する恐れがあったが今も修繕されていない。ある所有者は「住んでいない所有者もおり、修繕の合意形成は現実的に無理」とこぼす


 高度経済成長期を終え、資産を手にした人々がこれからの人生を安定的に送れるようにと不動産を手に入れて―でまあ、この「失われた30年」で補修費用もなにもあった物じゃない状況に立ち至ったと、そう言ったまとめでいいだろうか。
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