空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

安倍首相への評価と某野党への評価(メモ)

2018-01-27 13:01:58 | Weblog


 まあこういうところが長期政権を可能にし、同時に結構なアンチを抱え込むところなんじゃないかねえ。

 基本的に右派の地金を持つのは、そのとおりなんだろう。しかし個々の現場の判断においては中道右派くらい、中道左派が納得するくらいのところで妥協をする。この点については左派的なアンチのひとたちは「ヤツに騙されるな!」と叫ぶわけだろう。

 大きな例としては慰安婦合意。右派を自認する極右加減のひとたちは、あれをもって安倍首相を裏切り者、愚物扱いしたわけだ。中韓の立場を忖度する側は、これではまだ足りないと言っていたかもしれない。しかしそれらの立場なんか知ったことじゃない立場―私はそのあたり―としては、あれをベースに今後の関係をなんとか良いほうに構築し、マネージしてゆくことができればなあと希望するくらいは出来た。

 …まあ、下半身犯罪国家を自認! みたいな報道をされたのは、多少ムカッとはしたが、まあ戦時中にはありがちなことではあるし、一時のことではあるし。未来志向の関係を構築するためのコストだなーとは納得しえた。

 …で、慰安婦合意の現時点でのオチは現状の如くで、韓国の立場を忖度してあげる雰囲気は吹っ飛んだ、と言って差し支えない。この件についての安倍政権の判断には8割方の支持がある(追加要求拒否に、内閣不支持層ですら8割支持とのこと)。

 平昌五輪に行かないという方針に、ひたすら反アベ層は愚劣云々といったことを言っただろう、一転していくとなったら、今度は強硬派の右派を任ずる人々が反対を言う。
 しかし(反アベのひとたちがしばしば軽侮するごとく)単に遊びに行くわけではなく、かっちり外交交渉までしてくるつもりと報じられているようで、それなら1) 平和の祭典に、ほかの国の首脳があまり行かないっぽいあたり、一肌脱いで自ら赴き連帯を表明できる点、2) 当然、かっちり仕事をしようという点、3) 他の指標では仲が悪そうにみえるなか、積極的に対話しにいこうというスタイル、さまざまなメリットを勘案して4) 主たる支持層と想定される層の反発を引き受けてまで決断する点、形式的に彼を非難する余地はほとんどなさそう。

 …となると、反アベのひとたちは、そこらの隅っこで「アベに騙されるな、アベに騙されるな」と繰り返し唱えるのが基本スタイルになるかなーと思われ、その姿は知的劣弱に見えるよー、と助言してあげたい私である。というか、それなりに水準の高い反アベのひとは、それなりに高水準のお話をしたりするわけであり、やっぱりそこらで2ちゃんねるの書き込みとかその辺の新聞のうわっつらのリピートをしている程度のひとたちは、まあその程度ですよねと判断されてしかたないなーとも思う私。

 結局のところ、現段階でここ数年の安倍首相の事績を振り返ると、”安定した保守・右派政権”といったあたりにおさまるはずであり、これは世界の情勢を見るに、得がたい民主主義的安定性を示しているとして、一応の合格点をつけざるをえまい。にもかかわらず現状が”戦後最悪”に見えるというなら、それは野党の状況に因ると評価すべきだろう。

 例えば:

産経新聞 希望の党が自衛隊明記に反対 安全保障と憲法の見解を発表 党創設メンバーと「分党」へ 民進党系再結集狙う 2018.1.26 22:06

希望の党の玉木雄一郎代表は26日の両院議員懇談会で、安全保障と憲法に関する党見解を発表した。衆院選で訴えた安保法制の実質的容認と憲法9条改正への積極姿勢を軌道修正した

 それこそ、結党に際しての「踏み絵」の最たるものだったのでは。

民進党や立憲民主党に近い政策を示し、野党共闘路線に軸足を移す狙いがある

 その「踏み絵」がイヤで残ったり、残りきれなかったので出て行って新党を結成したわけでなかったか。それならそもそも、党派をこれほどに分裂させる意味は、そもそも無かったのではないのか。

玉木氏は民進党系3党の再結集を念頭に「野党の大きなかたまりを作るために統一会派結成を主体的に働きかけたい」と表明した

 ならばそもそも離党しなければよかったのではないか。

これに対し党創設メンバーの松沢成文参院議員団代表は、党見解を「立党の精神と違う」と断じ、統一会派結成にも反対した。執行部は近く松沢氏側と「分党」の協議に入る

 …うんまあ、これはこれで一貫性がとれた態度と評価できよう。

産経新聞 希望の党の路線対立は泥沼の「踏み絵」合戦 親民進派の“内ゲバ”で党3分裂も 2018.1.26 22:08

希望の党内の路線対立は、先の衆院選前に「踏み絵」を踏まされた民進党出身者が、今度は党創設メンバー側に踏み絵を迫るという泥沼の応酬に発展した

過去の衆院選全てで比例復活当選に甘んじた当選4回の希望の党の議員は、民進党への先祖返りの正当性をこう訴える。
 「希望の党はボタンの掛け違いでできた政党だ」


 ひどい話であって、この点、「ならば、「ボタンの掛け違いで」当選した自らがまずバッジを外すべきだ」という産経新聞記者の感想文は大方の支持を得るのではないか。

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