読売新聞 大学世界ランク入り支援、10校100億円補助 2013年7月29日12時55分
「文部科学省は世界大学ランキングの上位100校入りを支援するため、10国公私立大学に対し、年100億円補助することを2014年度予算の概算要求に盛り込む方針を固めた」
一校あたり100億円でしょうか。それならまあ,まずまずでしょうか。
「10校を「スーパーグローバル大学(仮称)」に指定し、海外の大学との共同研究や著名な研究者の招請を後押しして、ランキングを上昇させることを目指す」
いやそんなこと言うなら私たちの研究費を削ってくれるなと。ばっちり共同研究じゃないですか私たちのチームのプロジェクトは。若手の育成・連携強化も視野に入れてて,こっちで資金(の相当部分)を持っててそれなりの主導権は持てていてですね。
教育家庭新聞 日本は“クリエイティブ“”理想的に成長”―参議院議員・元文部科学副大臣 鈴木寛氏 2013年7月1日
上掲読売新聞の記事より(もちろん)詳細で,読むに値するかと思われる。
「「今、日本の克服すべき課題ばかりが報道されているが、正しい見方とはいえない面も多い。日本が海外に評価されている点を知り、今後進むべき道を考えるべき」」
これについては「「日本以外の各国では自国がクリエイティブであると考えている」という点だ。英、独、仏の回答者は自国とその都市が日本の次にクリエイティブであると考えている。各国の考えているクリエイティブな国の上位に日本が占める割合が多く、その結果日本は「最もクリエイティブ」という評価になった。それに対して、自らを「クリエイティブ」と考えている日本人は19%と、ダントツの最下位であった」
自分たちの創造性―創造性を発揮できるのは,実数ではさほどではないかもしれないが―を信じ,さらにそこに適切な投資を行うべきなのだろう。
「IWIは、生産資本・人的資本・自然資本から、各国の包括的な富と持続可能な成長の正確な状態を把握するために考案された新しい指標。これまでのGDPやHDI(人間開発指数)を超えるものとされている。国連大学などではIWIに基づき、世界の人口の半分、世界のGDPの4分の3をカバーする20か国を調査、2008年までの19年間を評価し、2012年6月に「IWR」を発表した。それによると、日本は世界2位(米国118兆ドル、日本55兆ドル、中国20兆ドル)。さらに、人的・自然・生産資本いずれも成長させたのは、20か国中日本のみであり、「最もバランス良く成長している」と分析することができる」
実は”失われたx0年”の中でも我々は堅実な成長をしてきたのではある,という。私の極めて乏しい海外経験でも,これはそれなりの妥当性があろうと思う。卑近な例を一つ挙げれば,自動販売機などという機械が平気な顔をしてどこにでもあるなんて,驚異的だし(そーゆー細かいところに色々現れ出るものだ)。
但し,大学世界ランキングで「「東京大学30位」「京都大学52位」という結果については、評価の指標の1つ「国際化」が群を抜いて低いことが原因であると指摘。評価観点は「教育」「国際化」「産学連携」「研究力」「論文引用」だが、「国際化」においては東大23%、京都大学21・1%と圧倒的に低いのだ。その一方、「教育」力では上位10位に入るレベル」。
なので,この教育力を元手に国際化(等)を進展させよ,と,そういう話になるだろう。―某保守小規模政党のプランに,大学を民営化し諸国から留学生を呼び寄せる~集客させるべきだというのがあったが,まあ,その,いろいろとんでもなく歪んでいるが,言いたいことのかけら位は解らないでもない(問題意識か現状認識かなにかの欠片が共有されていることだけはかろうじてわかる)。
理系関係には既にそれなりの力を入れており,科学の甲子園等々でそこそこ裾野の広がり(のきっかけ)を得つつあり,10~20年後には結果が出るかもしれない:
「国として力を入れている科学技術人材育成は改善を見せている。国際科学オリンピックの参加者数や成績は伸び、高校生や大学生が切磋琢磨する場として「科学の甲子園」や「サイエンス・インカレ」を創設、裾野の拡大に務めている」
だが「課題は社会系・人文学系教育の重要性の再認識と強化・立て直しにあるという。先の大学世界ランキングでも「人文科学系の学部を除けば日本の大学はもっと上位にランクインできた」と指摘するほど深刻だ」。
そこで”損切”というんですか,人文社会学系をまるっと切り捨てるという案も出てこようというものだが―しかし,私のチームに(値切られたとはいえ)研究費が支給されているのは,切り捨てまでは考えていないということ,だろう。
今後の人材(育成)像については
「1つは、人類に新たな価値を創造するチームを担う人財。次に、日本で創造した価値を磨き、諸外国の人とコラボレーションして広げていくことができる人財。3つ目は、世代や立場を越えてコミュニケーションできる人財だ」
じゃあ私たちにおカネくれますか(にこにこ)。
ReseMom 世界のトップ100大学に国内6大学がランクイン、掲載大学数で英国に並ぶ 2013年7月2日(火) 19時15分
「評価対象項目は、発刊論文の質、影響力、論文の被引用数、特許出願数、教員の質、卒業生の質、教育の質の7つとなっており、それぞれ100点満点で採点される。その後、総合点が算出され、ランキングされたものが発表された」
「日本の大学では、東京大学がもっとも高い14位で、その後京都大学(15位)、大阪大学(35位)、慶應義塾大学(70位)、名古屋大学(91位)、東北大学(95位)が続いた」
ReseMom 東大・京大がトップ10ギリギリ、QSアジア大学ランキング 2013年6月13日(木) 13時05分
「調査の指標となるのは、学者の評価、企業の評価、在籍教授の出版論文数と被引用数、教員と生徒の比率および国際性。国際性は、日本の大学が揃って低い評価を受けており、在籍する国外教員数、留学生数、受け入れ交換留学生数、送り出し交換留学生数から算出される」
この状況ヘの対案としては,外国人教員を増やす―というのがあるが,いかにもさくっと短期的に点数をあげようとする弥縫策の面は否定できない。
「東大のカテゴリー別評価を見てみると、100点を満点とした評価で国外教員数が24.4点、留学生数が69.3点、受け入れ交換留学生数17.8点、送り出し交換留学生数が10.1点という結果だった」
と,こうあるので,交換留学(等)の推進が寧ろ短期的に数字を挙げる役にも立ち,若人の経験値アップ(近い将来の成果の生み出し)のためにもなるか。
但し,教員側の資質向上は当然大前提である。もうちょっと真面目に取り組もうか,と同僚諸子に言いたくなったりする昨今の愚痴である。
文科省 大学分科会(第114回) 議事録 平成25年6月14日(金曜日)分
「【板東高等教育局長】 100位以内10校という目標でありますけれども,今,我が国の大学の評価というのが,少なくとも国際的なランキングの中で,必ずしも高くないという中には,やはり国際化に関する指標のところ,例えば外国人教員の比率であったり,留学生の比率であったり,そういったところが低いという部分もございますし,それから被引用論文数というのが,最近,非常にシェアが低くなってきているのではないかというような御指摘もあり,それらの課題になっているところを,どう改善していくのか」 … 「国際的な共同研究,あるいは国際的な流動性が進む中で,そこに必ずしもキャッチアップできていないのではないかというようなところも,そこに影響していると思います。もちろん,研究環境なり研究人材育成なりということに関わる問題もありますけれども,そういった一つ一つの課題を総合的にクリアしていかなくてはいけない」
自己資金でその辺の訓練をしている私たちのような人々がより頑張れるようであるとうれしい。
7/31追記メモ:
外国の出版社(英米圏)からの著書発刊は点数に入れてもらえるだろうか(※採点基準をチェックすればいいだけのこと)。
「文部科学省は世界大学ランキングの上位100校入りを支援するため、10国公私立大学に対し、年100億円補助することを2014年度予算の概算要求に盛り込む方針を固めた」
一校あたり100億円でしょうか。それならまあ,まずまずでしょうか。
「10校を「スーパーグローバル大学(仮称)」に指定し、海外の大学との共同研究や著名な研究者の招請を後押しして、ランキングを上昇させることを目指す」
いやそんなこと言うなら私たちの研究費を削ってくれるなと。ばっちり共同研究じゃないですか私たちのチームのプロジェクトは。若手の育成・連携強化も視野に入れてて,こっちで資金(の相当部分)を持っててそれなりの主導権は持てていてですね。
教育家庭新聞 日本は“クリエイティブ“”理想的に成長”―参議院議員・元文部科学副大臣 鈴木寛氏 2013年7月1日
上掲読売新聞の記事より(もちろん)詳細で,読むに値するかと思われる。
「「今、日本の克服すべき課題ばかりが報道されているが、正しい見方とはいえない面も多い。日本が海外に評価されている点を知り、今後進むべき道を考えるべき」」
これについては「「日本以外の各国では自国がクリエイティブであると考えている」という点だ。英、独、仏の回答者は自国とその都市が日本の次にクリエイティブであると考えている。各国の考えているクリエイティブな国の上位に日本が占める割合が多く、その結果日本は「最もクリエイティブ」という評価になった。それに対して、自らを「クリエイティブ」と考えている日本人は19%と、ダントツの最下位であった」
自分たちの創造性―創造性を発揮できるのは,実数ではさほどではないかもしれないが―を信じ,さらにそこに適切な投資を行うべきなのだろう。
「IWIは、生産資本・人的資本・自然資本から、各国の包括的な富と持続可能な成長の正確な状態を把握するために考案された新しい指標。これまでのGDPやHDI(人間開発指数)を超えるものとされている。国連大学などではIWIに基づき、世界の人口の半分、世界のGDPの4分の3をカバーする20か国を調査、2008年までの19年間を評価し、2012年6月に「IWR」を発表した。それによると、日本は世界2位(米国118兆ドル、日本55兆ドル、中国20兆ドル)。さらに、人的・自然・生産資本いずれも成長させたのは、20か国中日本のみであり、「最もバランス良く成長している」と分析することができる」
実は”失われたx0年”の中でも我々は堅実な成長をしてきたのではある,という。私の極めて乏しい海外経験でも,これはそれなりの妥当性があろうと思う。卑近な例を一つ挙げれば,自動販売機などという機械が平気な顔をしてどこにでもあるなんて,驚異的だし(そーゆー細かいところに色々現れ出るものだ)。
但し,大学世界ランキングで「「東京大学30位」「京都大学52位」という結果については、評価の指標の1つ「国際化」が群を抜いて低いことが原因であると指摘。評価観点は「教育」「国際化」「産学連携」「研究力」「論文引用」だが、「国際化」においては東大23%、京都大学21・1%と圧倒的に低いのだ。その一方、「教育」力では上位10位に入るレベル」。
なので,この教育力を元手に国際化(等)を進展させよ,と,そういう話になるだろう。―某保守小規模政党のプランに,大学を民営化し諸国から留学生を呼び寄せる~集客させるべきだというのがあったが,まあ,その,いろいろとんでもなく歪んでいるが,言いたいことのかけら位は解らないでもない(問題意識か現状認識かなにかの欠片が共有されていることだけはかろうじてわかる)。
理系関係には既にそれなりの力を入れており,科学の甲子園等々でそこそこ裾野の広がり(のきっかけ)を得つつあり,10~20年後には結果が出るかもしれない:
「国として力を入れている科学技術人材育成は改善を見せている。国際科学オリンピックの参加者数や成績は伸び、高校生や大学生が切磋琢磨する場として「科学の甲子園」や「サイエンス・インカレ」を創設、裾野の拡大に務めている」
だが「課題は社会系・人文学系教育の重要性の再認識と強化・立て直しにあるという。先の大学世界ランキングでも「人文科学系の学部を除けば日本の大学はもっと上位にランクインできた」と指摘するほど深刻だ」。
そこで”損切”というんですか,人文社会学系をまるっと切り捨てるという案も出てこようというものだが―しかし,私のチームに(値切られたとはいえ)研究費が支給されているのは,切り捨てまでは考えていないということ,だろう。
今後の人材(育成)像については
「1つは、人類に新たな価値を創造するチームを担う人財。次に、日本で創造した価値を磨き、諸外国の人とコラボレーションして広げていくことができる人財。3つ目は、世代や立場を越えてコミュニケーションできる人財だ」
じゃあ私たちにおカネくれますか(にこにこ)。
ReseMom 世界のトップ100大学に国内6大学がランクイン、掲載大学数で英国に並ぶ 2013年7月2日(火) 19時15分
「評価対象項目は、発刊論文の質、影響力、論文の被引用数、特許出願数、教員の質、卒業生の質、教育の質の7つとなっており、それぞれ100点満点で採点される。その後、総合点が算出され、ランキングされたものが発表された」
「日本の大学では、東京大学がもっとも高い14位で、その後京都大学(15位)、大阪大学(35位)、慶應義塾大学(70位)、名古屋大学(91位)、東北大学(95位)が続いた」
ReseMom 東大・京大がトップ10ギリギリ、QSアジア大学ランキング 2013年6月13日(木) 13時05分
「調査の指標となるのは、学者の評価、企業の評価、在籍教授の出版論文数と被引用数、教員と生徒の比率および国際性。国際性は、日本の大学が揃って低い評価を受けており、在籍する国外教員数、留学生数、受け入れ交換留学生数、送り出し交換留学生数から算出される」
この状況ヘの対案としては,外国人教員を増やす―というのがあるが,いかにもさくっと短期的に点数をあげようとする弥縫策の面は否定できない。
「東大のカテゴリー別評価を見てみると、100点を満点とした評価で国外教員数が24.4点、留学生数が69.3点、受け入れ交換留学生数17.8点、送り出し交換留学生数が10.1点という結果だった」
と,こうあるので,交換留学(等)の推進が寧ろ短期的に数字を挙げる役にも立ち,若人の経験値アップ(近い将来の成果の生み出し)のためにもなるか。
但し,教員側の資質向上は当然大前提である。もうちょっと真面目に取り組もうか,と同僚諸子に言いたくなったりする昨今の愚痴である。
文科省 大学分科会(第114回) 議事録 平成25年6月14日(金曜日)分
「【板東高等教育局長】 100位以内10校という目標でありますけれども,今,我が国の大学の評価というのが,少なくとも国際的なランキングの中で,必ずしも高くないという中には,やはり国際化に関する指標のところ,例えば外国人教員の比率であったり,留学生の比率であったり,そういったところが低いという部分もございますし,それから被引用論文数というのが,最近,非常にシェアが低くなってきているのではないかというような御指摘もあり,それらの課題になっているところを,どう改善していくのか」 … 「国際的な共同研究,あるいは国際的な流動性が進む中で,そこに必ずしもキャッチアップできていないのではないかというようなところも,そこに影響していると思います。もちろん,研究環境なり研究人材育成なりということに関わる問題もありますけれども,そういった一つ一つの課題を総合的にクリアしていかなくてはいけない」
自己資金でその辺の訓練をしている私たちのような人々がより頑張れるようであるとうれしい。
7/31追記メモ:
@jyonaha 文系の単著なんかいくら翻訳してもランキングに影響しないからダメです。ウェイトが圧倒的に理系偏重なので元から論文自体が英語だし、翻訳もあまり関係ない。ランキングを目標にすること自体がくだらない、という当然の話は置いておくとですね。
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) July 29, 2013
外国の出版社(英米圏)からの著書発刊は点数に入れてもらえるだろうか(※採点基準をチェックすればいいだけのこと)。
…胃が痛くなってくる。すると,お金のない・とってこれない人々は今後も論文業績が出ない傾向にあるだろうと推測され,他方,我々にはより多数の業績を出すよう期待が高まるのであろう,うん。
…100万あたり論文1報でいいだろか。以前は30-40万で1報を誇ったが,最近は私の名前で頂きはしたが,他の人に配分する額がかなーりいっちゃってて,そちらの方の責任までは負えない。
まあ共著だので書籍が出るから,よそさんに出した分も回収はできるが。
プレゼンの重要性も再認識させられる。
でまあ,それなりの反復があると記憶の定着もよいということで。なので私はその辺を流して歩いて,自習学生に声をかけてみたりする。或いは学生の方から私を捕まえてくる。
そんな具合に,教育上の工夫はそれなりにしてみてみたり。