資産の評価損 棚卸資産・固定資産等 法人税

2019-11-25 17:06:01 | 税務・会計 法人税
 
 法人税法

 (資産の評価損の損金不算入等)

第三十三条 内国法人がその有する資産の評価換えをしてその帳簿価額を減額した場合には、その減額した部分の金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

2 内国法人の有する資産につき、災害による著しい損傷により当該資産の価額がその帳簿価額を下回ることとなつたことその他の政令で定める事実が生じた場合において、その内国法人が当該資産の評価換えをして損金経理によりその帳簿価額を減額したときは、その減額した部分の金額のうち、その評価換えの直前の当該資産の帳簿価額とその評価換えをした日の属する事業年度終了の時における当該資産の価額との差額に達するまでの金額は、前項の規定にかかわらず、その評価換えをした日の属する事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。

6 第一項の規定の適用があつた場合において、同項の評価換えにより減額された金額を損金の額に算入されなかつた資産については、その評価換えをした日の属する事業年度以後の各事業年度の所得の金額の計算上、当該資産の帳簿価額は、その減額がされなかつたものとみなす。

9 前三項に定めるもののほか、第一項から第五項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 法人税法施行令
 
 (資産の評価損の計上ができる事実)

 第六十八条 法第三十三条第二項(特定の事実が生じた場合の資産の評価損の損金算入)に規定する政令で定める事実は、物損等の事実(次の各号に掲げる資産の区分に応じ当該各号に定める事実であつて、当該事実が生じたことにより当該資産の価額がその帳簿価額を下回ることとなつたものをいう。)及び法的整理の事実(更生手続における評定が行われることに準ずる特別の事実をいう。)とする。

 一 棚卸資産 次に掲げる事実
 イ 当該資産が災害により著しく損傷したこと。
 ロ 当該資産が著しく陳腐化したこと。
 ハ イ又はロに準ずる特別の事実

 二 有価証券 次に掲げる事実
 イ 第百十九条の十三第一号から第三号まで(売買目的有価証券の時価評価金額)に掲げる有価証券(第百十九条の二第二項第二号(有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出の方法)に掲げる株式又は出資に該当するものを除く。)の価額が著しく低下したこと。
 ロ イに規定する有価証券以外の有価証券について、その有価証券を発行する法人の資産状態が著しく悪化したため、その価額が著しく低下したこと。
 ハ ロに準ずる特別の事実

 三 固定資産 次に掲げる事実
 イ 当該資産が災害により著しく損傷したこと。
 ロ 当該資産が一年以上にわたり遊休状態にあること。
 ハ 当該資産がその本来の用途に使用することができないため他の用途に使用されたこと。
 ニ 当該資産の所在する場所の状況が著しく変化したこと。
 ホ イからニまでに準ずる特別の事実

 四 繰延資産(第十四条第一項第六号(繰延資産の範囲)に掲げるもののうち他の者の有する固定資産を利用するために支出されたものに限る。) 次に掲げる事実
 イ その繰延資産となる費用の支出の対象となつた固定資産につき前号イからニまでに掲げる事実が生じたこと。
 ロ イに準ずる特別の事実

 法人税法基本通達 

 棚卸資産の評価損

(棚卸資産の著しい陳腐化の例示)

 9-1-4 令第68条第1項第1号ロ《評価損の計上ができる著しい陳腐化》に規定する「当該資産が著しく陳腐化したこと」とは、棚卸資産そのものには物質的な欠陥がないにもかかわらず経済的な環境の変化に伴ってその価値が著しく減少し、その価額が今後回復しないと認められる状態にあることをいうのであるから、例えば商品について次のような事実が生じた場合がこれに該当する

(1) いわゆる季節商品で売れ残ったものについて、今後通常の価額では販売することができないことが既往の実績その他の事情に照らして明らかであること。
(2) 当該商品と用途の面ではおおむね同様のものであるが、型式、性能、品質等が著しく異なる新製品が発売されたことにより、当該商品につき今後通常の方法により販売することができないようになったこと。

(棚卸資産について評価損の計上ができる「準ずる特別の事実」の例示)

9-1-5 令第68条第1項第1号ハ《棚卸資産の評価損の計上ができる事実》に規定する「イ又はロに準ずる特別の事実」には、例えば、破損、型崩れ、たなざらし、品質変化等により通常の方法によって販売することができないようになったことが含まれる。

(棚卸資産について評価損の計上ができない場合)

9-1-6 棚卸資産の時価が単に物価変動、過剰生産、建値の変更等の事情によって低下しただけでは、令第68条第1項第1号《棚卸資産の評価損の計上ができる事実》に掲げる事実に該当しないことに留意する。

 固定資産の評価損

 (固定資産について評価損の計上ができる「準ずる特別の事実」の例示)

 9-1-16 令第68条第1項第3号ホ《固定資産の評価損の計上ができる事実》に規定する「イからニまでに準ずる特別の事実」には、例えば、法人の有する固定資産がやむを得ない事情によりその取得の時から1年以上事業の用に供されないため、当該固定資産の価額が低下したと認められることが含まれる。

(固定資産について評価損の計上ができない場合の例示)

 9-1-17 法第33条第2項《資産の評価換えによる評価損の損金算入》の規定により固定資産の評価損が損金の額に算入されるのは、当該固定資産について令第68条第1項《資産の評価損の計上ができる事実》に規定する事実がある場合に限られるのであるから、当該固定資産の価額の低下が次のような事実に基づく場合には、法第33条第2項の規定の適用がないことに留意する。

 (1) 過度の使用又は修理の不十分等により当該固定資産が著しく損耗していること。
 (2) 当該固定資産について償却を行わなかったため償却不足額が生じていること。
 (3) 当該固定資産の取得価額がその取得の時における事情等により同種の資産の価額に比して高いこと。
 (4) 機械及び装置が製造方法の急速な進歩等により旧式化していること。

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