他人の建物に対する造作の耐用年数 法人税

2019-09-05 16:29:29 | 税務・会計 法人税

 他人の建物に対する造作の耐用年数

 法人が建物を賃借し、その建物に造作を行った場合には、自己が所有している建物に対して行った資本的支出とは異なり、その内部造作を一つの資産として耐用年数を見積もった年数により償却します。この場合の耐用年数は、その造作をした建物の耐用年数、その造作の種類、用途、使用材質等を勘案して合理的に見積もることとされています。

 ただし、その建物について賃借期間の定めがあり、その賃借期間の更新ができないもので、かつ、有益費の請求又は買取請求をすることができないものについては、その賃借期間を耐用年数として償却することができます。

 なお、同一の建物についてされた造作は、そのすべてをまとめて一つの資産として償却をしますから、その耐用年数は、造作の種類別に見積もるのではなく、その造作全部を一つの資産として総合して見積もることになります。

 (注) 法人が賃借した建物の建物附属設備について造作を行った場合には、その造作については、その建物附属設備の耐用年数により償却します。


 内部造作の減価償却方法

 賃貸ビルの一室を借り、内部に造作を行いました。この賃貸建物の内部造作に係る減価償却の方法については、建物の償却方法である旧定額法又は定額法を適用することになりますか。

 他人の建物について行った内部造作が、いずれの減価償却資産に当たるかどうかについては明確な規定はありませんが、自己の建物について行った内部造作については、その造作が建物附属設備に該当する場合を除き、当該建物の耐用年数を適用するという取扱いからすれば、他人の建物について行った内部造作についても、建物附属設備に該当するものを除き、建物に含まれると考えるのが相当です。したがって、他人の建物について行った内部造作についても、建物の減価償却の方法である旧定額法又は定額法が適用されることになります。

 なお、内部造作を事業の用に供した日が、平成19年3月31日以前である場合には旧定額法が適用され、同年4月1日以後である場合には定額法が適用されます。また、この場合の耐用年数については、耐用年数通達1-1-3により合理的に見積もった年数によることとなります。


 (他人の建物に対する造作の耐用年数)

 1-1-3 法人が建物を貸借し自己の用に供するため造作した場合(現に使用している用途を他の用途に変えるために造作した場合を含む。)の造作に要した金額は、当該造作が、建物についてされたときは、当該建物の耐用年数、その造作の種類、用途、使用材質等を勘案して、合理的に見積った耐用年数により、建物附属設備についてされたときは、建物附属設備の耐用年数により償却する。ただし、当該建物について賃借期間の定めがあるもの(賃借期間の更新のできないものに限る。)で、かつ、有益費の請求又は買取請求をすることができないものについては、当該賃借期間を耐用年数として償却することができる。(昭46年直法4-11「1」、平23年課法2-17「一」により改正)

 (注) 同一の建物(一の区画ごとに用途を異にしている場合には、同一の用途に属する部分)についてした造作は、その全てを一の資産として償却をするのであるから、その耐用年数は、その造作全部を総合して見積ることに留意する。


 


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