雑居空間
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 冬のミステリーゲーム特集第2弾。PCエンジンのアドベンチャーゲーム「プライベート・アイ・ドル」(NECホームエレクトロニクス)をプレイしました。





 主人公はタイトルにバーンと登場している赤髪の少女、メイ・スター。人気急上昇中の、15歳のアイドル女優です。



 そしてもう一人、ワトソン役を務めるのはナビ。緑色のちっちゃいキャラクターです。

 ナビは「ORUKA」という人工知性体。「ORUKA」のCFをメイが担当した縁で、「ORUKA」を開発したMEC から、その試作品を譲り受けたのです。
 見えている緑色のは立体映像で、本体はメイがしている手袋型のコンピューターの中にあります。常にメイと一緒に行動し、事件ついて整理したり、考えてくれたりします。



 物語は、メイがテレビ番組の撮影のため、共演者やスタッフたちとともに、いわくありげな古い洋館にやってきたところから幕を開けます。





 コマンド選択式のよくあるアドベンチャーゲームっぽい感じに、RPGのようにキャラクターを操作して捜査したい場所へ移動するというインターフェースをミックスしたような形でゲームは進んでいきます。



 操作方法については、ナビが適宜解説してくれるので、戸惑うようなことはありません。



 SUPER CD-ROM2 ならではのアニメーションシーンも挿入されます。
 アニメーションシーンだけでなく、通常の会話もフルボイスで喋りまくります。



 サービスシーンもあるよ。



 シナリオは全部で3本あります。



 最初のシナリオは、「闇夜のRainy Cry」。

 怪奇番組に出演するメイ。共演するアイドル女優の綾香、素子、かんな、霊能力タレントの優子、カメラマンや照明、ADなど数人のスタッフとともに、いわくつきの洋館へやってきます。
 しかし悪天候のため道路が通行止めとなり、遅れて到着する予定だったメインスタッフが到着できないという連絡が入り、撮影は延期。引き返すこともできない一同は、その館で一晩を明かすことになります。



 おっかなびっくりしながらも洋館で思い思いに過ごす中、異変が起こります。



 この館で過去に行われた惨劇とは?
 屋敷の呪いは存在するのか?
 キャスト・スタッフの中に渦巻く悪意の正体とは?



 シナリオの合間にはアイキャッチが挿入されます。



 2番目のシナリオは前後編。
 前編は「朝風にVain Dance」。



 元々反りが合わず、あまり仲が良くなかったメイと素子ですが、洋館での事件以来、何となく友達っぽくなっていきます。
 先の事件もあって落ち込んでいたメイを元気づけるため、素子はメイを南洋の孤島への船旅に誘います。



 しかし、その船上でも事件発生。新婚さんの大事な指輪が無くなってしまいます。



 指輪はどこへ消えたのか? 
 船内を舞台に、メイと素子の捜査が始まります。





 後編のタイトルは「白昼はBlack Vacation」。



 島に着いた二人の前に現れたのは、鎌を持った老婆。ただ事ではない雰囲気です。



 それでも観光を楽しむ二人ですが、ここにも容赦なく惨劇は襲い掛かるのです。



 容疑者として逮捕された素子の無実を晴らすことはできるのか?
 謎の老婆の正体は?
 島に隠された秘密とは?

 亡くなったメイの父親の過去も絡み、物語は大きく展開していきます。





 最後のシナリオは「黄昏のPop Idol」。



 イベントで警察署の一日署長を務めるメイ。このとき、メイは既にいくつかの事件を解決したアイドルとして有名になっています。



 そんなメイの前に、父親がいなくなったという女の子が現れます。
 イベント開始前でちょっと時間のあったメイは、女の子に協力することになりました。
 しかしこの失踪事件は思わぬ方向へと転がっていきます。



 今、明らかになる、メイの父親の死の真相。



 そして様々に張り巡らされた罠を乗り越えて、メイはついに、因縁の相手と対峙するのでありました。



 というわけで、クリアしました。
 プレイ時間は、最初のシナリオが3時間、2番目のシナリオが前後編合わせて4時間、最後のシナリオが3時間くらいだったでしょうか。
 各シナリオはそれぞれ独立していますが、共通の登場人物は多いですし、作品全体を通しての流れみたいなものもあるので、全部ひっくるめて一つのお話みたいな感じになっています。



 3つのシナリオはそれぞれ雰囲気が違っていて、なかなか興味深かったですね。

 最初のシナリオは閉ざされた洋館の中で起きる事件で、怪奇性というエッセンスも加えられ、ちょっと古典的なミステリーといった感じでした。
 シナリオ2の前半も船という閉じた空間ではありますが、一転して明るく開放的な雰囲気で、ライトなタッチでした。しかし後半は島を舞台としていて、これまでの中で一番行動範囲が広がるのですが、島全体に閉鎖的な雰囲気が広がっており、重苦しい空気も漂います。
 最後のシナリオは大勢の人が集まる街中でのイベント中の出来事なので、あまりシリアスな感じはしません。ただ、ストーリー的にはクライマックスを迎え、エンディングへ向けて話はどんどん大きく盛り上がっていきます。



 全体的には難易度はそれほど高くなかったと思います。よくアドベンチャーゲームで言われる“総当り的”に試していけば、そうそう詰まることもありません。もっとも、コマンド選択だけでなく、十字キーでキャラクターを動かすという操作が必要なだけに、いろんな場所を総当り的にチェックするのはちょっと手間でしたけどね。

 また、総当りだけではなく、ポイントポイントでミニゲーム的なものも出てきて、飽きさせない造りになっていました。



 例えばシナリオ2では、島の地図が表示され、どこにどんなものがあるのかを調べながら進んでいかなくてはなりません。



 また、迷路があったり、



 パズルがあったり、



 暗号などもあったりもします。



 1995年発売というPCエンジン後期の作品だけあって、かなり遊びやすく、完成度の高い作品だったと思います。正直、これより前の世代のアドベンチャーゲームって、難しすぎてプレイする気があんまり起こらないんですよね。
 キャラクター描写がコテコテだったり、登場するITガジェットが古かったり、時代を感じさせる部分もないではありませんが、結構楽しむことができました。







(おまけ)
 I ボタンを押しながら起動し、メニュー画面になったら、上、下、左、右、上、下、セレクト、II と順にボタンを押すと、アートギャラリーに入ることができます。



 このロルフィーは、プライベート・アイ・ドル本編には登場しない、PC-FXと、PC-FX で出ていたアニメフリークFX というソフトのイメージキャラクターです。プライベート・アイ・ドルも、アニメフリークFX の中にオリジナルアニメとして収録されているので、その関係で出てきたようです。



 アートギャラリー内には本編中に登場したキャラクターがいて、話しかけることによってアニメーションやBGM を聞くことができます。



 また、単にアニメやBGM を聞くだけでなく、ちょっとした謎解きも仕込まれています。凝ってるなぁ。



 あと、書くタイミングがありませんでしたが、カープファン的には「球場ラヴァーズ」シリーズでおなじみの、石田敦子がキャラクターデザインを担当しています。



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