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吸血鬼の洞窟 冒険記 その3

2006年10月19日 01時01分20秒 | ゲームブック(創元推理文庫)
 創元推理文庫のスーパーアドベンチャーゲーム、デイヴ・モーリス著のゲームブック「吸血鬼の洞窟」をプレイ開始。



<アドベンチャーシート>

体力ポイント(23):21
PSIポイント(4):4
敏捷ポイント(6):6

金貨:9

持ち物:剣、鎧(鋲を打った皮製)、ザック、十字架、ランタン、銀の燭台



 あたし、レイン・デシンセイ。18歳ながら、歴戦の冒険者やってます。
 旅の途中、雨に降られて狼に吼えられ、ようやくたどり着いたのが古びた館。しかしそこは、邪悪な吸血鬼・テネブロン卿が支配する恐怖の館だったのです。
 そんなわけで、成り行きとはいえ、テネブロン卿を倒すことを決意したのでありました。



 地下道を進んでいくと、左手にアーチ型の戸口があった。通路はこの先10メートルほど先で、広い部屋に出ているみたい。
 あたしはまず、アーチ型の戸口の方へいってみることにしました。

 戸口の向こうはなにか怪しい宗教の礼拝堂みたいなところ。壁には古代ルーン文字のような模様が描かれた垂れ幕がかかっていて、その手前には祭壇があり、赤黒い液体が入った杯が置いてあり、その両脇にはロウソクが立っている。
 あたしの経験則では、液体系を飲んだ結果として良いことも悪いことも当然あるんだけど、飲んだことで致命的に悪いことは起こっても、飲まなかったことで致命的に悪い結果はまず起こらないものなのです。つか、こんなの飲みたくないし。
 まずは無難に、祭壇を探ってみることに。すると、祭壇の後ろの羽目板がごとりとはずれまして、中から骨の形をした青白い大理石が出てきた。ちょっと不気味だけどあたしはこれをザックに入れて、この気持ち悪い礼拝堂を後にした。



 あたしは通路に戻って、広い部屋へと入っていく。
 部屋の奥には大きな両開きの扉があり、両側の壁にはこの館の歴代の主らしき肖像画がずらっと並んでいる。それは年代順に並んでいるみたいなんだけど、どうにも年代が新しくなるにしたがって禍々しさを増しているような……。
 そして、最後にかけられているのが、第13代テネブロン卿。それは肖像画だというのに、ものすごい威圧感を放っていて、あたしは思わず息をのむ。
 と、肖像画に気をとられてしまい、あたしはなにかにつまずいた。下を見ると、それは錆だらけの鎧に身を包んだ、騎士の死体だった。随分古いものらしく、中身はすでに白骨と化している。
 鎧はサビサビだったけど、その手に握られている剣は綺麗なものだった。その刀身は青く光る金属で出来ていて、柄頭には大きな紫水晶がはめ込まれている。
 なんかいいものみたいなんで持っていこうかとも思ったんだけど、よく考えれば騎士さんはこの剣を持ちながら死んでしまったわけで、ろくなものじゃないかもしれない。ま、あたしには愛用の剣もあるし、必要はないかな。
 あたしはその騎士に軽くてをあわせ、部屋の奥にある扉を開けて、先を目指します。



 扉の向こうは天井の高い部屋で、中には古い樫のテーブルが置いてある。どうやら食堂にでも使われていたのかな。テーブルの上にはワインのゴブレットが置いてあるけど、蜘蛛の巣が張っているのでかなり長い間放置されているみたい。
 部屋の奥には左右2箇所に扉があり、それぞれの扉へと続く階段が設えられている。そして階段の間には、森の中にいる長弓を持った男の絵がかけられている。
 部屋の中に目ぼしいものはなさそうなのでどちらかの扉を選ばなくてはならないみたいなので、ともかく階段のそばまで歩いていこうとしたんだけど、なんと絵の中の男が動いたかと思うとあたしに向かって矢を射掛けてきたのです!
 とっさのことなのであたしは避けきれず、肩に矢を受けてしまう。
 くっそー! あたし咄嗟に、近くにあったゴブレットを手に取ると、その絵に向かって中身をぶちまけた。絵の中の男はなおもあたしに矢を射掛けようとしたけれど、ワインによって絵の具が雑じり合ってうまく狙いを定めることが出来ないみたいだ。矢は左の扉へと向かって全力で走るあたしの頭上を大きくはずれて壁に跳ね返された。あたしは第3射が来る前に、扉の中へと飛び込むことに成功した。



 扉の向こうは通路になっていて、数メートル先で左に折れている。
 曲がり角には扉がついていたが、あたしはそれを無視して通路を左に折れた。
 通路を進んでいくと、広い通廊に突き当たった。左を見ると、通廊のはずれに黄金でできた開いた手の形をした変なノブが付いた扉がある。右を見ると、通廊は曲がっていて先がどうなっているのかはわからない。
 変な形のドアノブが気に入ったので、あたしは扉の方へと向かった。

 あたしはノブと握手をして、扉を開けた。中を覗いてみると、そこは床がモザイク模様になった小さな部屋。部屋の中央にはテーブルが置いてあって、その向こうには老人が座っている。そしてテーブルの上にはチェス盤が置いてある。
 その老人は何も言わず、ただじっとあたしを見つめている。
 一体、何? まさか、チェスをしようってこと?
 あたしは老人の向かいに座った。向こうは、黒。こっちは、白。あたしが先番だ。
 あたしがナイトの駒に手を伸ばそうとしたそのとき、部屋に異変が起こった。部屋がぐるぐると回りだしたかと思うと、壁がぐんと遠くなり、地下洞窟にいるはずなのに屋外に放り出されたようだった。
 ふと辺りを見渡すと、黒い軍隊と白い軍隊とが激闘を繰り広げている。あたし、チェス盤の上にのせられちゃったんだ!
 あたしが霧に包まれた戦場を進んでいくと、前方から黒い人影が現れた。その姿は、黒の軍隊最強の戦士・黒の女王だ。その手には漆黒の棍棒が握られている。
 こいつを倒せば、戦局は白軍に傾くはずだ。あたしは剣を構え、雄たけびと共に黒の女王へと斬りかかった。

 ボカ、スカ。

 さすがに女王だけのことはある。結構強かったけど、どうにかあたしは黒の女王を粉砕した。すると女王もこのフィールドも、瞬く間に消え去ってしまった。女王との戦いで受けた傷もいつの間にか治っている。
 どうやらあたしはチェスに勝ったみたいだ。別にチェスしたわけじゃないけどね。
 老人は手を振ってチェスの駒を消すと、今度は白のビショップ、ルーク、ナイトの3つの駒を出した。これらのうちの一つを、お守りとしてくれるみたい。
 えーと、ど、れ、に、し、よ、う、か、な、て、ん、の、か、み、さ、ま、の、い、う、と、お、り、あ、べ、べ、の、じ、の、じ、の、しゅ、しゅ、ら、の、しゅ。
 天の神様のお告げに従ってビショップを選択。このお守りは魔法に対する抵抗力を上げる護符。いいもんもらったーっと。
 あたしはお守りを首から下げると、老人と別れて部屋を出て、また通廊を先へと進んだ。


(つづく)



<アドベンチャーシート>

体力ポイント(23):19
PSIポイント(5):5
敏捷ポイント(6):6

金貨:9

持ち物:剣、鎧(鋲を打った皮製)、ザック、十字架、ランタン、銀の燭台、骨の形をした青白い大理石、ビショップの護符


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