絵本の糸綴じ修理の記録です
表紙から中身がずれだしています
見返しが切れて本体がはずれそうです
上から見ると傷みがよくわかります
拡大してみるとかなりひどい状態で
背表紙もやられているようです
裏表紙側の見返しは無事ですが
これから本体をとりはずします
本体から見返しをはがします
のりで貼り合わせてあるので見返しを引っ張ってはずします
見返しがはずれました
本体と表紙をつないでいる寒冷紗が見えていますから
寒冷紗を切断してしまいます
おもて表紙側は見返しが切れてしまっているので
寒冷紗を切断すると本体が表紙から取りはずされました
折丁(おりちょう)を綴じ合わせている糸を切断して
4組の折丁になりました
折丁を広げてみると
糸が通っていた穴が糸で擦れて大きくなっています
これでは本のページがしっかり固定されませんね
ページの折り目が切れているところもあります
糸穴が大きくなっているところには
薄くて丈夫な紙(三角コーナーの水切り袋を使っています)
折り目が切れてしまったところには
コピー用紙などを1㎝ぐらいの幅に切って用意します
コピー用紙では絵や字がかくれてしまいます(左側)
薄紙は水性の木工用ボンドを薄めて使うと
乾いたときに半透明になって下の文字や絵が見えるようになります(右側)
細く切った薄紙を張るときは薄紙を手で持っていて
薄めたノリをたっぷりつけ
本の紙と薄紙の間に空気が入らないように張るのがコツです
すべてのページの補修が終わって
一組4ページの折丁が4組できました
つぎはこれらの折丁を糸で綴じ合わせます (つづく)