地域の子供たちに児童書の閲覧・貸し出しをしている三室文庫の本を修理しています。子どもに人気がある本は、
長い間には かなり傷んできます。この本もカバーは大分傷んでいます。
でも、カバーを外してみると表紙はまだきれいでした。
本の中身はだいぶ傷んでいますね。ページが外れていて、しかもセロテープで張り付けてあるので
時間が経ってテープがパリパリになって、しかも変色していたり、したの写真のようにページの合わせ目が
割れてしまっていたりしています。
こうなるとページが次々にパラパラと外れてきます。
ページの右側が本の’見返し’で左側が本体です。ここから左右にはがして・・・・
表紙と本体とを切り離していきます。
裏表紙の側も切り離しました。
表紙が無くなった本体です。
ばらばらにしました。4ページ分の紙が2枚一組、二つ折りで8ページの束になっています。
それをさらに1まい(2ページ)ずつにばらして・・・
重ねました。まだかなり凸凹です。
これから綴じる’背’のところを削って平らにします。
平らになった背のところに2cmほどの間隔に線を引きます。」
厚紙と目玉クリップで固定して、目の細かいのこぎりで3mmほどの深さの切り込みを入れます。
厚紙も一緒に切られています。
4cmほどの麻の繊維を用意します(修理用の製品には平麻というものが
ありますが、これは麻ひもをばらしたものです)。
切り込みの所にのり(木工用ボンド)を載せます。
麻の繊維を切り込みに入れ、その上からまたボンドを載せます。
このような状態で少し乾かします(外側の厚紙を外しても麻の繊維がずれないくらい)。
寒冷紗を取り付けます。
目玉クリップで抑えて乾かします。
寒冷紗がしっかりついたら、麻の繊維の余分なところは切って
表紙のこの部分に本体を接続します。
右側の見返しの下側に寒冷紗を挟み込んでから、
見返しを、本体の際までしっかり押し付けて貼り付けます。
表紙がしっかり本体に固定されるまでこのようにして乾かします。
完成です。
新品同様に!?
修理に使った道具や材料です。