自民党の総裁を選らぶ、日本の総理大臣を誰にするかを自民党員が選択する時期
が迫り、マスコミを賑わしている。
中には来年の参議院選挙を絡めた報道さえあり、マスコミの早読み合戦に発展して
いる。更に、総裁候補の公式記者会見において靖国参拝をするかを問い質し、中韓
との関係をアジア外交の全てと誤認識して、それを総裁選の争点にしたがる記者が
いることも散見され、マスコミ各社の報道姿勢や質が鮮明になったので、今後の報
道内容を検証する判断材料にはなった。
記者会見前に配布されたマニフェストの中身よりも、その分量(厚さ)を問題にし
て質問した某番組のコメンテーターに対して、安部候補の回答を紹介する番組が面
白かった。
総裁選候補の麻生、安部、谷垣(50音順)氏はマニフェストを記者会見前に配布
していた。麻生、谷垣の両候補は分厚いそれであったが、A3の用紙1枚に纏めた
安部候補に”所信表明するには分量が少ない”と質問の矢を放った。
「A3用紙1枚のマニフェストにしても読んでくれる記者は少ない。分量が多けれ
ば良いというものではないと思う」
質問者は翌日の番組でこのやりとりを得意満面で報告すると、「見事な切り返えし
ですね」と女性アナウンサーにコメントされたが、マニフェストの中身についての
説明は皆無であった。つまり、記者会見で代表質問する立場にありながら、候補者
から事前に配布されたマニフェストを読み込んでおらず、それを比較検証する余裕
がなかったのだろう。だから、安部候補の回答を受けても突込みがなされない。
安部候補は、これからもマスコミに対しては毅然とした態度で応対されるだろう。
安部候補の祖父は、日本国憲法の改定を念願しながら、当時のマスコミ、文化人、
野党からは安保条約破棄を連呼され、有権者の大多数から日米安保条約の改定・
締結を強引に進めた、と叩かれて総辞職しているが、日本のあるべき将来を考え
ていた政治家だと思う。
安部候補の著書「美しい国へ」を一読して、祖父の流れを汲む政治家だと知った。
『政治家には、闘う政治家と闘わない政治家がある。ここ一番、国家のためとあれ
ば、批判を恐れず行動するのが前者である。後者は、あなたのいうことは正しい
と同調するものの、けっして批判の矢面に立とうとしない。初当選して以来、私
はつねに闘う政治家でありたいと願っている』
憲法と教育基本法の改定を最優先とする見識は、政治の最重要課題を経済発展に
据えてきた政治・経済運営がもたらした当然の帰結のように思う。
国民あっての経済、そろばん玉に乗らない貴重な価値があることを、安部候補は祖
父の後ろ姿に学んでいる。
何か自分達の考え方に不都合があると「人権侵害だ、格差を助長する」を金科玉条
にして声高に叫び、それを許す風潮が熟成されている社会のヒズミを正すことにも
なる。悪臭を放つ元は、根から根絶する。教育基本法は改めるべきで、安部候補は
教員免許を更新制にする意向を表明している。大歓迎!!
だから、消費税を何%にする、靖国参拝は控える、などは日本の国としての背骨が
固ってからでも間に合う。
「今日は、元気ですね。2百10日も過ぎ白露も終わり涼しくなったからですか」
ボケ封じ観音さまの冷やかしだ。
「元気印さんも年金暮らしでしょう。消費税が10%になったら困りません」
「何でもかんでも10%にする発想は素寒貧だよ。生活必需品は3%、贅沢品は
15%とかメリハリを付ければいいんだ。見做し消費税は死語になってしまった
の。納税者に不平等だからって、消費税の導入に猛反対していたのに」
2週間後には自民党総裁が決まる。3候補への風向きが変わるのだろうか。
極東国際軍事裁判で判決が下された後で、その判決を解除する、日本に戦犯はいな
いと国会で議決し、それを連合国各国に説明し了解を求めたのは当時の国会議員で
す。与野党が一体となって国会で議決し、各国へ働きかけ了解を得て獲得したので
す。少なくとも、そのことを認識していない候補者は、国会議員失格だから御免蒙
りたい。また、A級戦犯を云々する与野党国会議員も確信犯か不勉強の結果なので
日本の国会議員として失格に相当する。だから、辞職勧告したい。
「そんな過激な行動は許せません」
「観音さまの世界と下司のそれでは、価値観が違うんだ」
「そうでしょうか。貴方の勧告は与党をもって自任している国会議員へすべきでし
ょう。万年野党の議員さんへそれをしても馬の耳に念仏。骨折り損のくた・・・
です」
マスコミ、特に放送報道が頻繁に行っている世論調査、極少人数を対象としたアン
ケートを国民全体の意識と称して憚らない調査結果では、3候補への風向きは決ま
っているようだけれど、選挙が終わるまで油断は禁物だ。
いつもなら7月中頃になると、小泉総理の靖国参拝を阻止するための中韓からのメ
ッセージをマスコミはこぞって報道するが、今年は鳴りを潜めていた。そして、富
田メモが日経新聞のスクープとして公表された。
その新聞社の最高責任者は、中国共産党の公安責任者と面談しているが、そのこと
は一切報道していないと、評論家の桜井よしこが指摘している。(WiLL10月号・
「富田メモ」に「異議あり!!)
富田メモの真贋を巡り色々な人の見解が、他にも報道されている。
小野田自然塾を設立して青少年の健全な育成に尽力している小野田寛朗塾長の指摘
した判定根拠が、簡単明瞭で最も納得するものだ。
『(前略)このメモはわざわざ手帳に貼り付けてある。これも不自然です。後で書
いたものを手帳に貼り付けたという可能性もある。科学的にメモのインクの年代
や紙を調べるというところまで、徹底した検証が必要だったはずです。富田さん
は非常に几帳面な方だったそうですから、大体毎日同じ筆記具を使っていたでし
ょう。他のページやメモと比べてみれば分ることです。私たちのように情報を専
門に教育されてきたものに言わせると、こんなものは偽者に決まっています』
(WiLL10月号・靖国参拝を「踏み絵」にするなより)
今回の総裁選に、小泉首相の靖国参拝を阻止する目的で、絶妙のタイミングを見計
らい、偽富田メモを報道するような企みが練られていなければ良いが。
これまでにあったような、対抗者の下ネタ・スキャンダルをビラにして配布して泥
沼戦を繰り広げる、政治家としての品格が問われる候補者は見当たらないので、元
気印の杞憂に終わるだろう。
「政界の常識は、一寸先は闇の世界なんですよ」
ボケ封じ観音さまは、心配している。