かわずの呟き

ヒキガエルになるかアマガエルなるか、それは定かでないが、日々思いついたことを、書きつけてみようと思う

 思い出すままに。

2017-07-22 | 気ままなる日々の記録

    ここ「有料老人ホームにはリハビリ専用コーナーがあって、自転車に跨ってペタルを漕ぎ、脚力を付ける器具とか二本の平行棒に捕まって歩行訓練をする器具とかがあって患者が筋力をつけるためによくここへ連れてこられる。「さあ、○○訓練を50回やりましょう!」といわれて、へとへとになるまで、しごかれる。

 命令するのは「理学療法士」と呼ばれる資格を持ったトレーナーで、一応国家試験があって、合格者に与えられる医療関係の技術者。何しろ筋肉強化が目的で、まあ力士《相撲取り》のトレーニングと同じですごくハードだ。「理学療法士は20歳代後半の女性が多く、高齢者の患者さんとよくもめる。

 先日もお婆ちゃんと理学療法士と本気で喧嘩を始めた。理学療法士はいつも「これをやらないと「寝たっきり」になりますよ」と云って脅す。お婆ちゃんは、少しもあわてず「私の前から消えろ!」とわめいておられる。僕はすぐにお婆ちゃんの味方になった。

 そして理学療法士にいったものだ。「君たちは学生時代人間の骨の名前や骨についている筋肉の名前をおぼえただろう?」と聞いた。すると「そうです」という。全く骨の名前や筋肉の名前を覚えるのは人間の体の仕組みを理解するための手段であって、治療と全く関係がないですよ。筋肉強化なら、楽しくどこかにゲーム性とか記録性を取り入れ、患者を夢中にさせなければトレーニングなんかできるはずがないですよ。

 お婆ちゃんと若い女性の理学療法士とのけんかが続いていたので、僕は婆ちゃんにはなしかけた。我が家のにも 老人性痴呆のお婆ちゃんがいて、よく話していたので自信があった。コツはお婆ちゃんの意見を絶対否定しないことである。「なるほど、そうだねえ」と云ってから、「それもそうだけど、○○もいいかもね」とかいって、だんだん自分の方へ引き寄せ、大げさにお婆ちゃんの意見を肯定することである。ぼくはお婆ちゃんに近づいて「ねえ、お婆ちゃん」と声をかけた。ところが「私は男は嫌いだで、あっちへいっとてちょう!」としかられてしまった。

 喜んだのは僕を担当していた理学療法士だった。ぼくは「ギャフン!」そのものだった。今思えばお婆ちゃんの興奮がまだ収まっていなかったときに僕がかおを出したのでお婆ちゃんが八つ当たりされたという構図であった。まさにオソマツ君のオソマツな一コマであった。(T)

     

                                                        前庭にて。  ルドベキア


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