百醜千拙草

何とかやっています

Lies will destroy the future

2011-06-07 | Weblog
不信任案否決後のドタバタがまだまだ続いています。この「退陣詐欺」の一件で、空きカンの本性が広く知れ渡ることになり、今や空きカンは正式に「ペテン師」、「詐欺師」と呼ばれることになりました。

小沢排除のために空きカンを支持して来た斜陽の朝日新聞でさえ、この「退陣詐欺」にはかなり強い批判をしていますし、一貫して自民官僚政治の復活を願って、民主批判を繰返して来た産経新聞の論説の出だしは、珍しく私の意見と合致するところが多いので、出だしをコピーしておきます。

「死して屍拾う者なし…」 証明された「誠意なき」首相

 「政治家の秘訣(ひけつ)は、ほかにはないのだよ。ただ誠心誠意の四字しかないよ。伊藤(博文)さんは、この政治家の秘訣を知らない」
 勝海舟は明治29年5月、倒れる直前の第2次伊藤博文内閣に引導を渡す際にこう語った。明治は遠くなりにけり。
 4日で首相指名から1年を迎える菅直人首相は、国民の批判に耳をふさぎ「やるやる詐欺」ならぬ「辞める辞める詐欺」を働き、その地位にかじりついている。明治の元勲にさえ苦言を呈した勝海舟がこの姿を見たら何と言うだろうか。
 首相は3日の閣僚懇談会で、2日の内閣不信任決議案採決直前に鳩山由紀夫前首相と交わした退陣の約束をあっさり否定した。
 「自分と鳩山氏の会話は確認文書に書いてある通りだ。それ以外のことは一切話をしていない」
 これを信じた閣僚はいないだろう。現に鳩山氏は首相を「ペテン師」呼ばわりして激怒している。
(後略)


小沢氏、「百術は一誠に如かず」を座右の銘にしているそうですが、私も「誠実であること」が人間としてもっとも大切なことだと信じております。
 子供の頃にTVで覚えた、「隠密同心、心得の掟」、「シシテ シカバネ ヒロウモノナシ」、表に出ることが許されない運命の隠密同心の孤独には美学がありますが、空きカンの孤独な末路は単に惨めなだけです。不正代表選で首相の座を手に入れてからも、ニセモノは本物になることはありませんでした。小沢氏、「お天道さまが見ている」と言ったことがありました。天網恢々粗にして漏らさず、そして、空きカンは自らの行いによって報いを受けることになりました。

それにしても、一般国民にとっては、後味の悪い不信任案否決でした。私、日本のこういうぬるぬるしたところが嫌いです。小沢派を含む大勢の民主党議員にとってみれば、キチガイの空きカンが解散総選挙というあり得ない選択をして、民主党を壊滅させずにすみ、自民党の復活を防ぎ、かつ空きカンから辞意を引き出したので、この一連の「茶番劇」にみえた騒動は小沢派の勝ちであったと考える人もあります。事実、そうかも知れません。一旦、成功したかに見えた辞任詐欺も、あまりに露骨であったために、結果、却って空きカンは自分の首を絞めることになりました。

しかし、こういう騙し合いや茶番に見える駆け引きをやることは、国民に対する印象を確実に悪くするでしょう。今回の民主党内の不信任案賛成の動きが、解散を回避しつつ空きカンの力を削ぐための駆け引きであって、野党の不信任案に賛成する「ふり」をしていただけなのであれば、それは、単に言葉を弄した「策」、「術」であって、「誠」がない、私はそう思うのです。だから、私は今回の鳩山氏の動きを評価しません。一旦、不信任案に同調すると意見を固めた以上、相手の反応を見て、意見をパタパタ変えるというのは、人民の心を理解していないと思います。政治を議会と党のレベルだけで考えていて、誰のためにやっているのかという視点が欠けているのではないか、と思わざるをえません。また、一般国民の他にもこの逆転否認劇を見て、不信任案を提出した自民、公明、みんなの各党員にも、鳩山は頼りにならないと思った議員も多数あったでしょう。そして、結局、ババを引かされて踊らされたのが、自民党のたよりない党首でした。あわよくば解散総選挙で自民復活という絵を描いていたのでしょう。

私はこの鳩山氏の優柔不断は高くついたとやはり思います。この一連の騒動で評価を下げた人、筆頭は空きカンですが、鳩山氏も結構支持を失ったのではないでしょうか。その点で、民主党で唯一(比例復活のくせに離党しようとしたヨコクメ議員は除く。与謝野氏もそうですが、比例復活のくせに議員辞職をせずに離党だけするような人間を私は評価しません)不信任案賛成票を投じた松木議員の「筋の通し方」は少なくとも国民の共感を得たでしょうし、その松木議員を除籍処分にしたのに、小沢氏には何もできない「筋の悪すぎる」原理主義的昼行灯のオカダ氏の評価は一層、下がったことでしょう。

最後に、与党、野党から「ペテン師」「噓つき」「卑怯者」「姑息」とのラベルが付けられた空きカンですが、以前どこかで読んだ中で記憶に残っている言葉を思い出しました。うろ覚えなので間違っているかも知れませんが次のような言葉です。

Lies can hide the past and may fix the present, but will destroy the future.


うまいこと言ったものです。今朝の新聞は既に、空きカンがもうすぐ辞めた後の次の首相の話に移っています。移ろいやすい世の中です。「歴史に名を残したい」と言った空きカン、移ろいやすい世の中で幸いでした。「史上初、ペテン師と呼ばれた首相」という汚名も、すぐ、人は忘れてくれるでしょう。
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