日本の風景 世界の風景

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金沢の詩人室生犀星

2007-07-22 | 世界地理
室生犀星「小景異情」
ふるさとは遠きにありて思ふもの 
そして悲しくうたふもの
よしやうらぶれて異土の乞食となるとても 
帰るところにあるまじや
ひとり都のゆふぐれに 
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて 
遠きみやこにかへらばや 遠きみやこにかへらばや

わが母校はすでに消滅

(南小梨小学校。1953年)

小学校が消えると、定期バスも商店もなくなった。零細工場もつぶれ、仕事も収入もなくなった。
老人ばかりの集落では、祭りのみこしも、担ぎ手がなくなった。みこしが軽トラで各農家を回っている。
室生犀星のような鋭利な感性があれば、詩の2つか3つは生まれそうである。
しかし、遠く離れた都会で安穏としているのに、一人勝手に悲しんでは、きわめて傲慢不遜ということになるであろう。
ふるさとでは同級生が集落再生に向け、農林省立案の集落営農事業に全力を尽くしている。しかし、農林省は、農業基本法政策以来、数々の失政を重ねてきた。今度の集落営農事業も、毛沢東の人民公社とスターリンのコルホーズをモデルにしたシステムである。20世紀社会主義型農業であり、将来の発展性がない。21世紀のFTAとは整合性がない。全国に廃村が拡大する恐れが強い。
その時は、詩人でなくても、室生犀星の「遠きみやこにかへらばや」に共感するようになるかもしれない。


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