日本の風景 世界の風景

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りんごの高級品指向

2009-11-24 | 貧困の起源
高級りんご「ふじ」の小売価格が暴落、1個100円。りんご農家は赤字。
収穫しても損だから放置して出稼ぎに行くが、りんご農園は荒廃。




りんごの消毒(生産コストのうちで農薬経費が10%以上を占め、トップ)

3月
  マシン油乳剤   トップジンM水和剤   石灰硫黄合剤
4月
  ハマキムシ防除剤   スポットサイド水和剤
5月 
  バロックフロアブル   サンスクリット水和剤   バイカルティ
  石灰硫黄合剤     マラトン乳剤      ベルクートフロアブル  
  ダントツ水溶剤     ダイアジノン水和剤
6月 
  炭酸カルシウム水和剤  有機銅剤
7月 
  ピレスロイド剤      有機銅剤  アリエッティC水和剤
8月 
  ストッポール液剤(落果防止剤) ダーズバン水和剤
9月 
  ファイブスター顆粒水和剤

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りんごの小売価格安値
1個の小売価格200円以上を想定し、りんごの高級化が進められてきた。
しかし、生産過剰に陥り、激しい産地間競争、産地内ではりんご農家間の安売り競争が展開されている。日本のデフレそのものである。




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りんご価格低迷で出荷調整 長野・青森など6県   

りんごの価格が不景気による消費者の買い控えで低迷し、長野県農協グループは2009年11月28日、市場を通して生食用に販売するリンゴの出荷調整を始める。
青森県など全国の主要産地5県の農協と協力する仕組みを初めて活用する。
全国で1,330トン、うち長野県は計900トンを対象に調整する。

調整するのは、全国で12月7日までの10日間に出荷が計画されていた量の1割程度である。全農長野県本部によると、長野県内では農家が生食向けに出荷施設へ持ち込んだリンゴのうち、小さかったり形が悪かったりするものを対象とする。計800トンをジュース向けとし、計100トンを一時保管や加工に回す。出荷施設での廃棄処分はない。

現在は長野県の主力「サンふじ」の出荷最盛期で、予定の4~5割を出荷した段階。同本部果実課は
「まだ折り返しの時点で需給調整をするのは痛いが、価格を浮上させるためには市場流通を制限するしかない」
と強調する。

2008年産のりんご価格は、全国で前年産よりも2割の下落である。ことしは台風などの自然災害で昨年より生産量が減る見込みだが、不景気による需要の落ち込みが激しく、さらに価格が低迷している。
農水省生産流通振興課によると、11月中旬の三大都市圏の平均市場価格は1kg当たり前年産より5円低い209円。ここ6年間の平均価格を2割下回り、最低となっている。
りんご専業農家では、夏場の天候不順でりんごは小玉傾向であり、しかも収穫最盛期の出荷調整で、二重の痛手となった。

(信濃毎日 2009/11/29)


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りんご価格安定政策の失敗  
2008年11月長野県議会より

議員の質問
リンゴの価格保障についてお聞きします。今、りんごの主力「ふじ」の最盛期を迎えています。しかし、りんご農家の皆さんからは「資材価格が高騰しているのに、りんごの値が下がってこのままでは年が越せない」と切実な声を寄せられます。
青森県産との競合や景気悪化による消費の落ち込みなどが重なり合って、市場の出荷価格は1キロ80円まで値を下げて、ただ同然、出荷するほど赤字になる事態です。
一方で、肥料・農薬・出荷資材など生産コストは昨年から相次いで値上がりしてダブルパンチです。自然災害は局所的なものですが、今年のりんご価格暴落は生産農家全体を直撃しています。1年間の苦労が報われない、売上から費用を引いたら生活費が残らない深刻な事態に対して、緊急に支援を講じて欲しいと思いますがいかがですか。
果樹王国長野県でありながら、果樹の価格暴落に備えて支える制度はありません。県として価格保障制度を検討すべきではないですか、農政部長にお聞きします。


長野県農政部長答弁
本県産のリンゴの状況につきましては、景気後退等の影響から、市場価格の低迷がございます。また肥料費等の農業資材が高騰しておりまして、農家経営は極めて厳しい状況にあると認識しております。
当面の経営支援対策としては、国が緊急に創設いたしました、肥料費の増加分の7割を助成致します「肥料・燃油高騰対策緊急対策事業」の活用とともに、運転資金の融資要望にたいしましては、「農林漁業セーフティーネット資金」によりまして対応してまいります。さらに恒久的な対策と致しましては、市場競争力の高い品目・品種の改植・わい化栽培への転換等を助成致します果樹経営支援対策と強い園芸産地育成事業などを活用致しまして、収益性の高いリンゴ経営への転換を進めるとともに、生産コストの軽減対策と県産リンゴの需要拡大をすすめ、農家の生産意欲の高揚に努めてまいる所存でございます。
リンゴの価格保障制度につきましては、平成13年度から、6年間国の制度として果樹経営安定対策が実施されましたけれども、品質の劣る果実の出荷が増加致しまして、全体の市場価格の低下を招いたことから、平成18年度をもって廃止されました。
この様な経過を踏まえますと、果実類については、今後新たな価格保障の制度の創設は困難であるというふうに考えております。




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