日本の風景 世界の風景

日本と世界各地の景観を、見直します。タイトルをクリックすると、目次(1)(2)(3)になります。

下富新田(しもとめしんでん)

2008-03-27 | 世界地理
三富新田(さんとめしんでん)
隆起扇状地は洪積台地の一つであり、水を得にくいので農業開発が遅れた。1694年に川越藩主柳沢吉保によって開発が始められた。上富新田91戸、中富40戸、下富49戸が入植した。集落は道路道沿いの路村、農地は平均5haの畑地ができた。



典型的新田集落(下富)
一戸当たり5haの畑作農地を開墾所有した。農業用水は深井戸を掘って得たが、大量の水を得ることができず、恒常的に水不足の問題があった。水不足に強い、茶・麦・野菜類が栽培された。



狭山茶
三富新田の茶は狭山茶(さやまちゃ)として、江戸で好まれた。茶は関東ロームの舞い上がるのを防ぐ役割も果たした。住居は路村であり、ケヤキ、ナラ、クヌギなどの屋敷林に囲まれていた。



屋敷森
下富新田集落の中には、ケヤキの巨木に囲まれている農家もある。ナラやクヌギなどもある。季節風を弱める、落葉を肥料にする、木材として利用する。巨木を保存するのか、伐採して苗木と植え替えるのか、景観保護の点から議論がなされている。



防霜ファン
茶栽培を本業とする農家では、茶の霜害を防ぐため、茶畑には防霜ファンを設置している。初夏の新茶取り入れの頃、霜がないように、茶園の冷気と上層に暖気を、ファンでかきまぜるものである。霜害を防ぐ効果が大きく、全国的に普及している。

三富新田の景観破壊

2008-03-27 | 世界地理
下富新田から、東京都心まで50分、いつまでも大根、にんじん、ごぼう、さつまいもをつくるより、宅地・学校・病院などに、農地を売る方が、経済的合理性がある。土地の高度利用である。こうなることを、40年前に建設省が予想し、都市下水の役割を果たす細川堀を建設していた。あるいは、政府には、大都市郊外の緑地を保存する意志はなかったのかもしれない。


下富の茶畑の向こうには、清和病院ができた。


病院は、建設許可を簡単に得られる。将来の宅地化と人口増を見込んだ先行投資であろう。



伊勢丹デパートの物流センターもある。トラックの出入りが激しい。



武蔵野台地は洪積台地である。古い扇状地の隆起した地形であり、水害(洪水)や土砂崩れの恐れがすくない。宅地開発が進む。



ふだんは自然保護に熱心な生協も、農地をつぶして巨大な老人保養施設を建設した。施設名は「さんとめ」、漢字で「三富」と書く。ついでながら「下富」は「しもとめ」と読む。



一見、新田集落の茶畑とケヤキ林が残っているが、手入れが行き届いていない。この農地も、なくなる日は遠くない。



こんなことが、すでに現実になっている。


だからどうしろ、と言うのではない。歴史的経済的必然としての土地利用高度化が進んでいる。その現実を直視しよう、ということである。





紙はなくなるか。

2008-03-13 | 世界地理
紙はなくなるか。

英経済学者W.S.ジェボンズ(1835~1882)の「石炭問題」
イギリスの産業革命時、1800年と1850年を比較すると、人口が2倍になり、石炭消費量は8倍になった。19世紀末には石炭が枯渇する。英国の産業革命はいきづまり、再び貧しい農業国家に戻るであろう。その最大の原因は、石炭の枯渇にある。
これがジェボンズの石炭問題であるが、石炭は地球上では最も埋蔵量の多い資源であるし、さらに石油を使うことができるようになり、ジェボンズは石炭についてはあわてすぎた。

紙の問題
ジェボンズは紙の大量消費が森林を枯渇させ、地球上から森林が消え、将来は紙を使うことができなくなる。森林の枯渇と紙のなくなる日は遠くはないと、考えた。
ジェボンズは白紙や包装紙などを大量に買い込んだ。
原稿も紙の表裏両面を使い、封筒も裏返して再利用した。しかし、ジェボンズの紙の買いだめした量は膨大であり、死後、半世紀を経っても使いきれなかったそうである。 

伊能忠敬

2008-03-10 | 世界地理
伊能忠敬像(ブロンズ。東京の富岡八幡神社)


伊能忠敬は34歳で佐倉の酒屋の家督を長男に譲って、天文・測量を江戸で学んだ。
55歳で蝦夷地の地図測量に出発、以後10回の地図測量で、世界に類例のない正確な日本地図を作製した。



二宮金次郎

2008-03-09 | 世界地理
常楽寺の土手下の日だまりに、誰の寄進か、それとも和尚の自腹か、白セメントの二宮金次郎が建立されていた。「勉強する二宮金次郎」の解説がある。本の厚さ、脚絆の格好、髪型、それぞれが個性的な二宮尊徳である。




仙台不動産観音像

2008-03-04 | 世界地理
双葉観音(化学合成素材、仙台)

観音様を建てた不動産屋が、観音様に隣接するホテルと倒産したり、観音像内の土産物屋が撤退したり、観音様の周辺がなかなか落ち着かない。ホテルは外資が再建に乗り出す模様である。
後ろはゴルフ場であり、東北高校在学中の藍ちゃんの練習場であった。


愛国の母

2008-03-04 | 世界地理
母の像(青銅、靖国神社)

力強い母と子である。この強さは、亭主(父)の戦死に耐えている強さなのかもしれない。

相馬の磨崖仏

2008-03-04 | 世界地理
百尺観音(磨崖仏、相馬)

親子孫3代がつくり続け、完成はまだまだ先である。砂岩の崖の崩壊が先になるかもしれない。