日本の風景 世界の風景

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新庄の中心市街地とジャスコ

2008-10-07 | 世界地理
2002年11月8日、新庄市郊外といってもJR新庄駅から徒歩10分足らずの距離に、全国展開の大型スーパージャスコ、正確にはマックスバリュ新庄店が開店した。商圏人口28,000人、年商15億円の想定である。従業員96人うちパート87人だから、正社員が9人である。たった9人の生活費のために新庄の商店街は潰れた、という恨み節はあちこちで聞く。


新庄市の小売総額は年600億円である。ジャスコの年商15億円は、ジャスコによる商圏拡大もあるから、既成商店街への影響は小さい、というのがジャスコの言い分である。
しかし、ジャスコの言い分にはウソである。新庄市の600億円とジャスコの15億円は異なる。
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新庄市の600億円は新庄市にとどまり、何回も使われるカネである。洋服屋で使った2万円の中から、洋服屋は八百屋とか菓子屋でカネを使うのである。仕入れ費用は東京に届けられたとしても、残りは新庄市内の商店街でくりかえし、使われるカネである。600億円の小売総額はそのようにして合計されたカネである。もともとは150億円程度のカネなのかもしれない。
一方、ジャスコは87人のパート従業員の人件費8700万円程度を地元に残すだけで、あとはジャスコ本部に吸い上げられてしまう。新庄で回転すべきカネが、ジャスコの次の新店舗投資資金になる。年商15億円は、毎日毎日新庄から消えてるカネの年間合計である。新庄に残れば、いつくもの商店・個人・金融機関などをまわり、100億円以上の役割を果たす15億円である。




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