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座礁船 見るなら今のうち

2008-02-02 | 世界地理
ロシア船JANE号が座礁、引き上げ作業が進み、座礁船の風景を見るなら、今月(08年2月)中である。08年1月31日、JANE号は強い波で2分し、引き揚げ作業はスピードアップした。


セントビンセント=グレナデーン船籍のロシア貨物船JANE号(4643トン)が2007年4月17日午前4時、宮城県・福島県境から300m沖合の砂浜に座礁した。17人の船員は全員、救助された。JANE号はサハリンから相馬火力発電所(福島)に石炭5千トンを運ぶ途中で、相馬火力発電所専用港に到着直前であった。

座礁船JANE号は、宮城県山元町の磯浜漁港に流された。アメリカのサルベージ会社タイタンが、JANE号の引き揚げ処理を進めている。引き揚げ作業は難航、JANE号の船体は、強い波と陸上から引くワイヤーの力を受け、08年1月31日に2分した。予想外の事態ではあったが、作業はやりやすくなり、今月中に、JANE号の船体全部が引き揚げられる予定とのことである。
このような座礁船は一般には無保険、多国籍で、撤去費用の負担が大問題になるものだが、JANE号は16億円の保険に加入していた。撤去作業請負業者には、うまみがあったようで、国際入札により、アメリカ企業タイタンが落札した。


写真の手前は船首部分。ワイヤーで砂浜に引き寄せ、大型クレーンでに引き揚げる。砂浜には、クレーンに引き揚げられる直前の船首がある。後方は船尾である。


手前の傾いているのが船首で、天候が良いとすぐに引き揚げられる。


座礁当時はきれいな船体であったが、波と潮風ですっかりさびた。陸上とはワイヤーでつながれ、満潮時に陸上に引き寄せられる。



2008年1月31日、ついに引き裂かれた船尾部分。船尾の船尾から沈みかけているので、浮き上がらせてから、引き揚げる。5月31日までに船尾も引き揚げないと、アメリカのタイタン社は日本政府にペネルティ1000万円を支払うことになっているそうで、現場の下請け日本企業も焦っている。


事故当日のJane号。ロシア人乗組員17人は全員救助された。



場所は、福島・宮城県境の宮城県側、磯浜漁港の外側である。見物人と関係者が多数来ているのですぐ分かる。大型クレーンが作動するためので立入禁止区域が広い。しかし、相馬火力側から見ると、海の大きさと、人間の非力さが分かる。


水蒸気を噴き上げる東北電力相馬火力発電所。振り向けば、石炭を運んで来た座礁船。